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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

『悪役の「ヒール」(&善玉の「ベビーフェイス」)は、もう英語圏では使われない』(らしい)

上の記事を書いていて、ふと思い出したので記録しておきます。
この前の柳澤健さんと語る会には、英語を不自由なく使い古いプロレス・格闘技記録に詳しい「Poet」さんが参加してくれたが(昨日の当道場エントリにコメントしてくれた人)、そこでプロレスのさまざまな話が出た際に
「悪役の『ヒール』、善玉の『ベビーフェイス』って、なぜ「かかと」と「童顔」が、そういう意味で呼ばれるようになったのか。いまだに、諸説はあるけど、決定的な定説はないんだ」と柳澤さんが語られたのを受けて、Poetさんは「そういえばそもそも、今の英語の中ではこの言葉自体が使われていませんね。大本であるはずの、アメリカのプロレス界でも使われてない。」と。
 
「えっ、じゃあなんと呼んでいるんですか?」(俺)
「普通に『グッドガイ』『バッドガイ』です。その他の物語世界、ドラマでも映画でも小説でも、悪玉善玉はそれで表現して普通に通じるし、『ヒール』『ベビーフェイス』とかが普通の英語話者に分かるかも微妙」(Poet、大意)
「ふむ…というか日本でこの用法が、いま通じ過ぎている。『小沢一郎をヒール扱い』とか普通に表現してるし。」
『悪役』という注釈を付けているところはまだマシだ。

ある英語の浸透状況とか、通じる通じないは検索結果とか、権威ある英英辞書にその意味がとられているかなどでも判定できると思うけど、もし日本で悪役の隠語としての「ヒール」が意味が通じるものとして残り、英語圏ではすでに廃れていたとするなら、昭和平成の日本文化に、プロレスが残した確かな爪あとの一つということで、なんだかいとおしい。

梶原一騎が残した言葉だったと思うが
「俺は悪人じゃない。悪役なんだよ」。
というのがある。本当の悪人もそう自称しかねないという弊害はあるものの(笑)、これもなかなか味わいのあることばだ。例えばナベツネあたり、そう自称したがるっぽくね??