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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「どこの民族・人種でも、この絵を見ると…と判断する」そうな。

【出題】

↑この図形、片方は「ブーバ」もう片方は「キキ」って名前なんだ。
どっちがどっちだと思う?

【回答例1】
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/02(月) 13:43:24.99 :ILBF718b0
トンガリがキキ
アメーバみたいなのがブーバ

【回答例2】
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/01/02(月) 13:46:27.65 :TKQ2V5h10
何これ答えあんの?
とんがってる方がキキで紫のキモい方がブーバだと感じたが

【答え】
45 名前:38[投稿日:2012/01/02(月) 13:46:59.07 :QmLbQ5l80
実験では98%の被験者が母国語に関係無く「とんがったほうがキキ」って直感する。もちろん何の根拠も無い、つまり「多数派が先天的に持っているバイアス」なのさ。

みなさんは、どう感じたでしょうか。
自分は、まず最初に、やっぱり多数派と同じ「バイアス」を感じ、その後理性的判断によって「いやいやいや、どこにもそういう名前だという根拠ないものな。これでは判断つかないよな」と態度保留にしたのですが。
これが直接関係する、あれやこれやの関連問題も非常に面白いのだが(後述します)、まずは「母国語に関係なく」という点に注目したい。

自分がよくネタにしている「医学的事実が、民主主義の原則や道徳の上に立つ」というパターンの、ひとつの発展系が「生物としての人間の枠組みが、文化的伝統や道徳、論理思考、法理論の上にある」というものです。
われながら、分かりづらい言い方ですね。


たとえば、自分が昔、これでぴんと引っかかったのは、明治時代…より後かな、大正・昭和時代に、日本の僻地を訪れたある外国人のルポを紹介したドキュメンタリーを見たときの話。
 
その外国人は「レコードを聞かせたら、悲しい音楽を聞かせたらみんなしょんぼりし、勇壮な曲を聞かせたらみんな元気になった。やはりみんな、同じ感情を持つ人間なのだ」てな記録を残したのだが

「えー、ある音楽を『悲しい音楽』『勇ましい音楽』と分類するのは、その国の文化的伝統なんじゃないの?」と思ったのですね。
そのまえに、こんな伝説を聞いたこともありまして。
日露戦争の英雄・東郷平八郎が死去したとき、外国にもその名がとどろいた武人の死とあって海外でも追悼放送があった。だがその時、米国(英国?)では追悼の曲として「かっぽれ」を放送、日本では問題視する声もあったが、あちらにとっては葬送曲と受け止められていたためだった。ことほどさように、異文化によって、音楽などの受け止め方は違うのであって、寛容と理解が必要だ」
云々と。


ところが、よく考えると、やっぱり『長調』の曲はうれしげで、『短調』の曲は悲しげというように自分も聞こえるのは間違いない。ただ、それを聞く自分は、そういう文化と教育にどっぷり漬かっているわけで。
本当に、教育や文化の蓄積なしに、ある人間――霊長類ヒト科が音楽を聞いたら、生物として長調の音で元気に、短調の歌で陰気になるのかしらねえ???

やはり、どっちの曲が葬式にふさわしいかは世界共通なんだろうか?
なんてことを、長年の疑問に思ってました。
ただ、上のように母語に関係なく「ブーバ」と「キキ」にイメージがわくのなら…その延長上に「全民族的に、葬式の場に『かっぽれ』はふさわしくない」なんて判断もあるのかねえ、と。
ちなみに今、調べたところ、ウィキペディア的には「単なる適当な選曲」論が書かれていた。
ウィキペディアの「東郷平八郎」

東郷の国葬に併せて英米両国から日本向けに追悼のメッセージがラジオで放送された。イギリスからはボルトン・イヤーズ=モンセル海軍大臣のメッセージが英国放送協会から、アメリカからはウィリアム・スタンドレイ海軍作戦部長のメッセージがNBCからそれぞれ放送されたが、アメリカからの放送では予定より早く終了したため、時間調整に日本の曲として『お江戸日本橋』『かっぽれ』(ともに山田耕筰編曲「日本組曲」[29]より)という、おおよそ追悼に似つかわしくない音楽が放送されてしまうという出来事が起こり、日本国内ではアメリカ側の選曲、特に『かっぽれ』を問題視する声が一部で出た[30]。また、海軍当局が「放送を止めなかった」JOAKに抗議を申し入れる事態も起きている[30]。協栄生命保険元取締役[31]でSPレコード愛好家の志甫哲夫は、NBCは『お江戸日本橋』と『かっぽれ』を「適当な日本曲だと思って放送に使った」とする。

もう一回、同じ問題です。


この図形、片方は「ブーバ」もう片方は「キキ」って名前なんだ。

どっちがどっちだと思う?

第二問。片方がヒューヒューで片方がポーポーですが、どっちがどっちでしょう?


そんなボケはどうでもいい!上の図形を知った記事は・・・

実は「アスペルガー」についてが話題となった2chまとめサイトの一節だったのだ。
http://chaos2ch.com/archives/3226463.html
ウィキペディアにリンクが張ってなきゃ、全民族共通と言われても「いかにももっともらしい疑似科学だね」と感じたかもしれない。
ウィキペディアの「ブーバ/キキ効果」
アスペルガーについても、ここ10年ぐらい、さまざまなフィクションなんかに登場したりして、また一般的にも啓蒙的知識が普及したりして、いろいろ分かっているつもりだけど、ただ、知れば知るほど「『個性』と『病気』(というべきか…”医学的事実”とでも言おう)の、どこに線を引くの?」ということが分からなくなってくる。


ここ数年間、そういう事例なんかをいろいろと聞いて、考えて、そういう大テーマで書きたいと思っていて、2012年内にはそういう記事を発表したいと思うけど、いま見つけた記事を、いま紹介しようと思って(あと「ブーバとキキ」は実際に興味深い話だったので)とりあえず書いてみました。
アスペルガーといえば、少年マガジンで数年前頻繁に載った、啓蒙的な短期連載のひとつとしてそういう話があったのだけど、今はイブニングで、そういう男性が父親になって、育児をするという話が連載されている。

プロチチ(1) (イブニングKC)

プロチチ(1) (イブニングKC)

生真面目でこだわりだしたら止まらない夫・徳田直と、敏腕編集者の優しい妻・徳田花歩の間に誕生した一粒種・徳田太郎。対人関係でトラブルの多い直は、これまで仕事が長続きせず、現在無職。キャリアウーマンの妻に大黒柱になってもらい、専業主夫として育児に専念することに。予防接種にオムツ交換。転倒予防に公園デビュー。未体験のオンパレードに発見の連続。育児することにのめり込んで行く!

あれ?コミックス紹介では、まさに彼の振る舞いは「性格」「個性」の範疇として紹介されているような…?
だけど……実際の作品を見ると……
http://brow2ing.doorblog.jp/archives/1620460.html

少年マガジンの短期連載は、検索してわかった。なんでもうろ覚えしておくものだな。

http://ja.wikipedia.org/wiki/15%E3%81%AE%E5%A4%9C_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)
『15の夜』(じゅうごのよる)は、講談社週刊少年マガジン』にて問題提起シリーズとして2005年から2008年まで年1〜2回のペースで不定期連載されていた日本の漫画作品。各回ごとにテーマが異なっている。

いじめられているきみへ(2007年10号 〜 11号)
漫画:市川正孝、監修:内山登紀夫
いじめがテーマ。

だが、広い意味では「いじめがテーマ」なのは間違いないのだが、実際は狭義にいうと「アスペルガー症候群」の啓発漫画だったと。

今でも、たとえば「アスペルガー症候群」という言葉を聴いたこともない、という人には非常に優秀な啓蒙的意味を持つと思うが、今では入手できないようなのが残念だ。