【創作系譜論】
時事ニュースでは多いが、文化系のテーマではありそうで少ない2ちゃんねるまとめサイト。
そこの有名どころ「本読みのスキャット」で面白いテーマが取り上げられている。
http://d.hatena.ne.jp/kajika_eps/20110820/p3
■魔王ブーム?な理由
29 :イラストに騙された名無しさん:2011/07/23(土) 18:28:22.51 id:DJDi1WIX
・「勇者が魔王を倒す」という基本が、共通認識としてラノベ読者層に受け入れられている
・↑の基本がきわめて単純、かつ必然的な意味がないため、アレンジがしやすい
・「魔王」「勇者」という役割も、実際には空白に等しいため、キャラ作りがしやすい
・既存作品の膨大なストックによってアイデアのネタが多い(四天王とか軍団長とか)
・魔王の時点で、魔王の軍勢か魔王城か、とにかくベースとなる舞台が確定している
30 :イラストに騙された名無しさん:2011/07/23(土) 18:36:46.67 ID:6CrV2a78
魔王と勇者という固定概念を弄繰り回すのがとても面白い
魔王が実は善良、とまではいわないけど庶民的で必死
勇者は正義の名の下に傲慢を押し付ける
最近はこんな流れが多いね
33 :イラストに騙された名無しさん:2011/07/23(土) 20:13:04.47 id:htjuo+4G
ラノベは共通認識である設定をひっくり返すというのが定番
魔王をおとなしく、人が良く、人懐っこいキャラにする
勇者を意地汚く、高慢でズル賢いキャラにする
これだけで、なんとなくストーリーめいたものが見える
要はスレイヤーズ・ゴクドーくんの頃からあんま変わってない
ぼくは、こういうふうなつくりのライトノベルが多いか少ないか分からないけど、たしかこのブログでも「へーー」と取り上げた「まおゆう」だってそういうところはあるのかもね。
まったく同じ流れで、お約束をひっくり返すとそれだけで笑いが取れるものに、仮面のヒーロー(戦隊)vs悪の秘密結社がある。こっちならちょっと詳しいぜ。一度特集したいと思ってたが、ある意味先んじられてくやしいな。
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【追記】
kit 2011/09/03 22:16
週刊少年サンデーでの「はじめてのあく」も入りますね。
善悪対決が手段で、目的はラブコメという…。
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これらはメインテーマがその「人のいい秘密結社vs凶暴、小ずるいヒーロー」だけど、意外なところでは「それでも町は廻っている」の作者が、短編集に収録されている一編でこれを書いている。彼らしい綿密でじわりとくる、落語的なギャグが満載だ。
今話題の石黒正数、徳間書店から2冊目の短篇集。「少年ガンガン」に掲載された表題作を始め、『それ町』の主人公・嵐山歩鳥が初登場した記念すべき作品『夜は赤い目の世界』、悪の秘密結社を石黒流に描いた『デーモンナイツ』、正義のヒーロー勢ぞろいの『ジャスティスジャスト』などなど…計7~8作品を収録予定。口絵カラーも充実で、描き下ろしカラーもアリ。巻末に石黒本人による作品解説付き。石黒ファンなら絶対に見逃せない充実の内容でお届けします!!!
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とまあ、非常に楽しい「正義と悪の逆転劇」だけど、ほのぼのユーモアとしての逆転劇ではなく、本当に”正義”の在り方を根本から問うようなものもある。「まおゆう」だって真面目と言えば真面目なつくりだし、そもそも日本で初(…と断言しちゃうわけにはいかんが)の、この大掛かりな逆転構図は「デビルマン」だろうしね。
ただ・・・こういうのが衝撃的だとしても、パクリとはいわん、類似作が生まれてひとつの「ジャンル」になれば、小林よしのりが言ったように「悪魔がいいやつで神こそ敵だった!!というのが多過ぎて食傷した!!今、悪魔がとことん悪かったら逆に斬新でウケるぞ!」てな話にもなる(笑)。
いまライトノベル界で「(いいやつの)魔王ブーム」だとしたら、そういう流れにもなっていくのでしょうか。
それでは今成功する「逆転もの」は?
そんなふうに、「お約束」のパターンを逆転させればいいってもんでもない。
でも「まどか☆マギカ」は魔法少女という、コレマタお約束に満ちた世界にハード・シリアス、そして魔法や(敵の)魔女の設定に人間悪も持ち込み、衝撃的な作品となって、商業上も成功した。
最初にこの話を聞いたとき
■ほぼウィキペディアと、はてな・togetterを読んだだけで論じる「魔法少女まどか☆マギカ」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110517/p2
にて
「魔法使いものの『ガンダム』」なのかしら?
・・・・「へえ、夢と希望の魔法使いの話を逆手にとって、あえてハードな描写をしたわけね。そりゃ反響を呼ぶだろうな(プラスもマイナスも)。深夜に放送したわけだ。つうかこどもが寝てる深夜に魔法使いものをやろうって発想自体がコロンブスの卵だよなあ」と、いまさらながらの反応を。
で・・・ここから正直に書くと、まさにコロンブスの卵を見た平凡人と同じ感想を持ってしまったのですね。
「ほんわかした雰囲気がお約束の『魔法使いもの』のジャンルで、残酷描写をしたり。リアルな(緻密な)SF的設定を持ち込めば、『ガンダム』と同じで、そりゃ評判になるに決まっているよね。ほかの人は思いつかなかったのかな」
もちろんこんな妄想は一瞬で、すぐに自分で自分に反論したのですが(リンク先参照)、実はこのとき「お約束を壊せば、大評判になるに決まってる」作品として頭に浮かべたのは…「水戸黄門」だった(笑)
しかもその数ヵ月後「水戸黄門、人気低迷で打ち切り」という報道があった(爆笑)
ハード&ダークな、お約束を脱した「水戸黄門」は?
人気低迷で打ち切りになるんなら、一回開き直ってすんごくハードでダークな水戸黄門作ってみない???
えーと水戸のご老公は、少年時代に「度胸がある」と友人に証明するだけのために罪のない下層民を切り刻んだ(実話)。そのトラウマに毎晩悩まされているとか。
民から搾り取るばかりに見えた悪代官は、実はそれで水路を整備し、民を根本的に豊かにしようとしていたのだ、とか。
・・・書いたけど、作っても失敗ぽいね(笑)。でもダーク&ハードな「水戸黄門」ってのは俺なんかじゃなく、しかるべき人が考えれば面白いかも。
この時代は、悪に配置されるのはちんけな一代官や藩家老、米商人じゃなくて、名君・賢君水戸黄門に対する悪政のバカ将軍・徳川綱吉という設定も多い(もとの講談は特にそうだ)
だが、これをひっくり返す視点で描いた歴史書も多い。多くは一般向けだが、俺は楽しめました。内容紹介の時間無いな。
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