8/26(金)「1976年のアントニオ猪木」から「1993年の女子プロレス」「1985年のクラッシュギャルズ」へ〜 プロレスの“特異点”(ガチンコ)をノンフィクションする男 柳沢健
90年代後半以降、リアルファイトの格闘技が一般化したことで、プロレスは“勝負論”から解き放たれた。勝ち負けをプライオリティに置いた真剣勝負ではなく、技の美やそれが繰り出されるプロセスを争うフィギュアスポーツ。あるいはヒールとベビーに塗り分けられた、大仰なマッスルオペラとしてのプロレスをファンが受容したからだ。アントニオ猪木の提示した「ストロングスタイル」の幻想は、今や若いファンを惑わさない。
だが、それ以前の時代のプロレスのすべてが、“ケーフェイ”に則って粛々と行われた“ショービジネス”のみかといえばさにあらず。プロレスの文脈を踏み越えて、お互いの意地と存在をぶつけ合う『三本ロープの内側の真剣勝負』と言うものが、わずかながらも存在した。
その微かな痕跡を、まるで考古学者がピンセット片手に古代遺跡を発掘するかのように探り出し、歴史に刻みつけようとしている男がいる。それが柳沢健だ。まさにリアルファイト格闘技が、プロレスの幻想を霧散させようとしていた1990年代後半に、スポーツ総合誌「Number」のデスクを努め、幾つかの印象的な「格闘技/プロレス」の特集号を作った後、退社。ノンフィクションライターとして、“プロレスの磁場が狂った瞬間”を掘り起こす作業に勤しんできた。
「1976年のアントニオ猪木」では、モハメド・アリ戦、アクラム・ペールワン戦など、いわゆる異種格闘技路線を突っ走った時期の猪木の、リアル・ファイターとしての一年を描き、オールドファンの涙をそそった。そして最新刊である「1993年の女子プロレス」では、“押さえ込み勝負”としてリアルな3カウントを奪い合ったという、全日本女子プロレスの内実を掘り起こしてみせた。
今や“遺跡発掘”でしかない、そしてほとんど省みられることのないプロレス史の真実を、あえてこの2011年の今、追求し続ける熱意はどこから生じてくるのか?
自身も熱いプロレスファンである杉江松恋を聞き手に、“プロレスの特異点をノンフィクションする男”の真実に迫る
前も書いたがlivewireは井田英登氏が「座付き作家」をやっているトークイベント。
出演する柳澤氏は言うまでもなく

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http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110404/p2
でも触れたように「1985年のクラッシュ・ギャルズ」出版を予定。4月段階では「夏から秋にかけて」だったが…
アマゾンで検索した限りではまだ、発表は無い。
でも紀伊国屋書店WEBに出てター!!
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4163744908.html
1985年のクラッシュ・ギャルズ
柳澤健 文藝春秋 (2011/09 出版)320P / 46判 ISBN: 9784163744902
発売予定日:2011/09/20
あ、前回ロフトプラスワンで開かれたイベントのレポートがある。
http://blog.livedoor.jp/namkabuan/archives/3304407.html
本の感想を求められたアジャは「本当に面白かった。みんな正直に話してるけど、自分に都合の悪いことは忘れてるなと。○○、『自分は後輩いじめてない』ってそんなわけないじゃん!」「逆に殴られたこと忘れてるのって豊田くらいだよ。私らもそういう“指導”しないとこっちが先輩から殴られるし」
アジャ「全女でやってる頃は相手を倒すのに必死で(※客を意識する)そんな余裕はなかった。対抗戦時代になってようやくお客さんを意識する余裕が出てきた」
うーむ、おもしろいな。
また、このレポートによると柳澤氏は
アマレスの起源についての著書も発売決定済。
らしいよ。
詳細はこちらにまとめた。
http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/52200508.html