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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

映画、TV、出版…「最後の冒険商人」が生きているのは、こういう権利仲介ビジネス?

ひとつ上のエントリで、本日生放送があるアメリカの格闘技大会「ストライクフォース」について「日本のCSで生中継があるのは、団体がその放送権利を代理店的に販売、その会社が日本のスカパーに売りこんで契約が成立したらしい」…という話を紹介しました。

こういう、権利を売り買いする舞台裏はなかなか普通は見えにくいものですけど、時たま箔付けの意味合いもあってニュースになりますね。

http://www.tbs.co.jp/hot-jyouhou/201104131506.html

4月17日(日)よる9時から、初回拡大2時間5分スペシャルでスタートするTBS開局60周年記念 日曜劇場『JIN-仁-』が、日本だけでなく、世界各国で放送されることが決定した!放送される国は、アメリカやヨーロッパ各国、ロシア、韓国など現段階でその数80カ国にものぼり、南米以外のほぼ全世界で放送されることになる。
日本で放送する前に、海外との販売契約が成立するケース(プリセール)はTBS史上初の快挙となる。09年秋に放送された『JIN-仁-』は、海外TV番組マーケットのバイヤーが「もっとも購入したい作品」として選ぶカンヌMIPCOM・バイヤーズ・アワードを受賞した事もあり、注目が集まっていた。

また、通常連続ドラマは、日本での放送を全て終了した後に海外の放送が始まるが、今回台湾は日本での放送6日後から放送、また香港でも5月から放送をスタートさせる。その後も、7月から(予定)韓国、ヨーロッパ、タイ、ハワイをはじめとする北米で順次放送する予定だ。今回多くの世界の国々で販売されたことは、海外で同ドラマへの評価が高まっていることを裏付けている。

そしてこういうものの「放送権」なんてそれこそピンからキリまで。
交渉者の手腕だったり、権威ある賞を受賞した!とか「原発のドキュメンタリーを買ったあとに原発事故が起きた!」とかの状況次第でいくらでも変わるわけです。
世の中が安定し、成熟して行くと、いくら自由主義経済の市場とはいえ、ビジネスの現場にも相場、常識が生まれ、そうそう一攫千金の世界は見つからない。
自分は平々凡々、小市民経済活動においては平々凡々、小市民として生きていて結構なのだが・・・それでも若い人には
「おんどりゃー!!!いつまでグチグチいってるんでえ!この値段で契約せんかーーい!!」
「腹割って話してくれや兄弟…この支払い、6カ月だけ待ってくれちゅうのは、儂の首かけても無理か?」

とか、そういう丁半バクチみたいなビジネスこそやってみたい!そこにこそ生きてる実感がある!!みたいな夢を持った若い人もいるんじゃなかろうか。
そういう人は、こういう権利関係のビジネスに飛び込むことをお勧め・・・といっても、どこからどう飛び込むのかはよく分からん(笑)。あやしげな「出版プロデューサー」とか、そういう人には多分「なるんじゃなくて、気づいたらなってるんだ」というものなんでしょうね。高須タカス。
 
そんな高須基仁(パパタカス)について論じた文章も過去に書いた。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091201/p2
 
で、以前紹介した本の再紹介ですけど、くらたまの夫はただの「だめんず」ではなく、一度はその、「映画の権利買い付け」で歴史的な大儲けを達成(「アメリ」という映画だったそう。「えびボクサー」も)、世間を肩で風切ってあるいて「あれが伝説の…」とささやかれる、そういう人だったんだそうですよ。
いまは破産しているけど。
詳しくは前回紹介のエントリで。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100914/p5

g2 ( ジーツー ) vol.5 (講談社MOOK)

g2 ( ジーツー ) vol.5 (講談社MOOK)

ここにくらたま夫としても有名で、最近自己破産して有名になった叶井俊太郎氏が「破産者の告白」ちゅう手記を書いて(語って)いる。

http://g2.kodansha.co.jp/967/1144/1145/1146.html

・・・当初から彼女には「俺は借金スゴいよ。億単位あるけど」とは言っていました。おカネがないから、日々のデート代はくらたま持ち。同棲することになっても、やっぱり引っ越し代はくらたま持ちでした。彼女と結婚して200日後。僕は自己破産しました。第1回債権者集会が開かれたのは、今年7月13日です。法廷には司会役の裁判官1人、破産管財人2人、代理人の弁護士が座りました。法廷に入ると、裁判官が「破産者、前へ!」と声を上げました。僕は名前すら呼ばれないんです(笑)。机上には「破産者」と書かれたネームプレートも置いてありました。そのとき初めて「あ、俺って破産したんだな」ということを心の底から思い知らされました・・・。

韓流ブームの火付け役としてもっと有名で、実際に「フラガール」などの名作映画も作っているシネカノンも、討ち死にしたもんね。

出版権、翻訳権。
いちど、見本市にシロートも参観できるので行ったことありましたよ。
ここを舞台に、未来の大儲けした億万長者と、未来の破産者がうごめいているのだなあ・・・と思うと感慨深い。

海外書籍の翻訳出版で、はた目からは成功者だと思ってた草思社が倒産、再建・・・の苦難の道を歩いている。
早川書房はよく考えたらあれだけ続いているってすごいよなあ(名指しすんなよ)

というわけで、21世紀の冒険商人、平成の紀伊国屋文佐衛門たちよがんばれ。

♪沖の暗いのに白帆が見える
        あれは紀の国みかん船

※こちらからこの歌のダウンロードもできます
http://www.mikan.gr.jp/mikan-uta/mikanuta.html