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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

昨日の記事の続き2。町山智浩氏の本なんかにもあったアメリカ「純潔教育」って成功?失敗?

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110514/p3
へのコメントから派生した記事、その2

シス 2011/05/14 07:49 出産と妊娠と公教育に関する問題といえば、町山智浩氏が書いていた「純潔教育の顛末」を思い出しますね。
 
gryphon 2011/05/14 08:51 ただそのテーマ 統計的にもおもしろそうだったので以前、検索したところ純潔教育失敗だなんてとんでもない、ちゃんと成功している」と主張する人も多い。背景に宗教問題(+カルト)があるし、数字の読み方次第って部分がどうしても出ているから両者譲らないからね・・・(町山氏の批判は純潔教育の中でも極端なもの、に対してではあるが)
純潔教育 成功 失敗」なんて単語で検索するといろいろ出るけど、例えば
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/02/post-993.php

町山智浩氏が書いた純潔教育についての記事・・・は昔はブログにあったような気がするが、気のせいかな。少なくとも、この本にはあるはず

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

俺の持ってるはずのこの本、例によって今どこにあるのか分からん、が
検索したところ、この2本のブログが町山氏の上記著書、そして雑誌寄稿文章の内容をきれいにまとめているので概要がわかると思う。

■本当はおそろしい「純潔教育
http://plaza.rakuten.co.jp/sendatte/diary/200709020000/
町山智浩アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』
http://kizurizm.blog43.fc2.com/blog-entry-3195.html

ただ、引用ブログを読むと分かる通り、そもそもこの問題って
・ある教育(またはキャンペーン)を行った
・その効果を、後日のアンケート、統計で調査した
ということで否定論、肯定論とも語るわけだが、特にセンシティブな「性」の問題についてアンケートやなんかでどこまでクリアにできるのかね、という話はついて回る。それに「教育効果」にいたっては「親の説教と冷や酒は後で効く」とのことわざもあるくらいだし、自覚しているのかしていないのか分からないこともしばしば。
そうすると統計数字の読み合い、解釈し合いの神学論争になるんじゃないだろうか・・・と、いうわけね。
そしてさらにややこしいのは「純潔教育」という単語で日本語文献をネット検索するとね、内容がとっても”統一”的ではなく、”鮮明”ではないの。
あっ、うまいこと言ったー!!!!
 
 
さてそういう事情があるので、アメリカの話題に戻します。
コメント欄で私が紹介した2010年のアメリカのトピックはこれ。ニューズウィークの記事だから、それなりにリベラル的なバイアスもあるかもしれないが、まあそれでも極端な主張ではなかろう。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/02/post-993.php

先週、「小児科学と青年医療研究」誌2月号に掲載された論文が、アメリカで論争を呼んでいる。内容は、10代の少女たちへの純潔教育が成果を上げたというケーススタディ。だが、リベラル派はネット上で、この調査結果を一斉に攻撃している。

「(避妊について教えない)『純潔のみ教育』がうまくいくかもしれないらしい」と、あるブロガーは皮肉っぽく書いている。「重要なのは『かもしれない』という点。他の戦略と合わせて行えばうまくいくこともあるし、失敗することもあるという意味だ」

 リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の増進を掲げ、避妊教育を提唱するガットマーチャー研究所はこの論文を逐一精査し、「前政権のガイドラインに沿った『結婚まで純潔を守れ』教育に効果がなかったことを示す数々の重要な研究があるのに、それに反論していない」と結論づけた。リベラル派向けのニュースサイト、オルターネットの論調は、「純潔教育が成功したという調査結果をなぜ無視すべきか」という見出しをみるだけで想像できる。

 つまり、リベラル派に共通するのは、こんな反応だ──今回のケースでは「純潔のみ教育」が成果を上げたのかもしれないが、だからといってブッシュ政権時代の純潔教育が正当化されるわけではない──。
「心身の準備ができるまで」待て

 もっとも、論文の執筆者らは誰も、ブッシュ政権純潔教育の正しさを証明しようとはしていないし、10代の妊娠をなくす万能薬を見つけたと主張しているわけでもない。しかも、ブッシュ政権時代の8年間で効果がないと証明された手法を再現したわけでもない。

 実際、この研究では、ブッシュ政権が資金援助の条件とした「結婚まで純潔を」というしばりを外して行われた。研究チームは米北東部在住のアフリカ系アメリカ人の中学生に、避妊について教えない「純潔教育のみ」プログラムを提供し、心身の準備ができるまで性行為をすべきでないと指導した。

 その後2年間をみると、プログラムを受講した生徒たちは、どのプログラムにも参加しなかった生徒や避妊による安全なセックスについての指導を受けた生徒より、性行為を遅らせる確率が高かった。

 ブッシュ政権がこうしたアプローチにも資金を提供すべきだったかという点については、研究チームはコメントしていない。ただし、主要研究者で著名な性教育研究者であるジョン・ジェモットは、この研究を政治的な処方箋とみなすことに警鐘を鳴らしている。「政策は一つの研究だけではなく、綿密に計画され実施された多くの研究の経験的発見の積み重ねに基づいて決定されるべきだ」

 それでも、この研究に反対する人々は、まったく関係ない論点をめぐって騒いでいる。10代の妊娠率がこの10年で初めて上昇している今・・・(後略)

そう、実はアメリカのいろんな記事を追跡しようとしても、あっちはあっちで保守vsリベラルの一大争点になっているので、どっちも自分に都合のいい統計数字の解釈と議論しかしてないぽいのね。
それじゃあ双方の主張を読み込んで、精査するしかないが、当然小生の手には余る話である。
とりあえず、twitterでもはてなブログでも人気のある町山智浩氏のコラムの後日談、ということだと、だれかが引き継いで調べようという木になるかもしれない・・・ので、今回はこういう議題設定だけして放り投げる次第。


純潔教育 成果」「純潔教育 失敗」などの単語で調べた結果から主なものを。やっぱり「世界日報」とか入ってくるな・・・
http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/newsletter/n13a2.html
http://www.alba-pharmacy.co.jp/news/kiji/2005_05/0506_01.htm
http://sakura4987.exblog.jp/3016015/
http://plaza.rakuten.co.jp/mizuhonet/10010