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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「明日の夜は千の眼を持つ」の、一休さん連作パロディが凄すぎる&そして…作者のある”宣言”。

うーん理由はわからんがまだamazonでは紹介されて無いのか?
上野顕太郎の最新作「明日の夜は千の眼を持つ」が、既に発売されているのだのが・・・(ああ、単純な書名検索ではみつからなかったが、他の手段で見つかった)

まあいい。毎回多彩かつディープなギャグ、そしてパロディを展開しているこの「夜は千の眼を持つ」シリーズだが、今回一冊にまとまったこの本では、はからずも「一休さん」の「屏風の虎を追い出せ」エピソードを、有名漫画家の作品になぞらえるというパターンが連作のような形になっている。
まあ要は、プロがやる「今月のみたいもの&みせましょう」だ(※ファンロードでたとえても逆に分からないって!!)
で、言葉で紹介や面白さを伝えるのはハナから放棄した。一部を紹介する意外、方法は無い!!批判も承知だ、一部貼るぞ。
(性質上、オチとかそういう種類のものではないが、ネタバレその他を好まぬ人は避けてください)

上野顕太郎「明日の夜は千の眼を持つ」から、一休さんパロディ

まず藤子不二雄系パロディ。目に付いた藤子情報は、はてな村ではid:koikesanに献上するしきたりなのだ。

 

そして・・・・古典から最近の話題作まで。これでもごく一部。

なっ、いくら必死に批評を展開しても、敢えて貼り付けた断片的な一場面にまったく及ばないだろ?いやこっちが敗北を自慢してどーすんの。
でもそうしたい

別のネタ


傑作を選んでいたら、いくらやってもきりが無いので切り上げるが…。
最後に。

ギャグ漫画家の矜持と照れと。

上野顕太郎の名前は昨年、一躍世に知られる事となった。それは作家自身が近年体験した、最愛の妻が一人娘を置いて急死したことをノンフィクション風に描いた「さよならもいわずに」が反響を呼んだことだった。

以前も書いたが、こんな破壊的で愉快な短編ギャグを作風としていた人が並行してそういう実体験をしているという、その辛さなどはなかなか常人の想像できるものではない。一度連載の一編で、作者があくまでギャグの一環として作中に登場した時「こっちは妻が死んでやさぐれているんだよ!」というせりふがフツーに飛び出し、こっちは「えっ!?」と驚き、単行本のあとがきを読んで粛然としたものだった。
そして気持ちの整理をつけながら、その辛い体験を客観視し、作品に昇華させたものが「さよならもいわずに」だったが・・・。
さて、再度ギャグマンガを世に問おうというとき、彼はものすごい「区切り」の付け方をする。
 ↓

『「さよならもいわずに」を売りたいなー。どうすれば売れるのかなー…?販促グッズを作ってみようか?』とあれこれプランを練る、というね、販促ってか反則だ。
顔で笑って心で泣いて、とイチイチ言うのもわざとらしく、上野氏のいかにも洗練された「照れ」を台無しにしてしまうのだが・・・この回を描いた時の上野氏の胸中も想像しづらい。
ただそれは、どんな人も体験する、愛する人との別れが生んだ悲しみの深さではなく、70億分の1のクリエーターの、才能の底知れなさが「想像できない」のだ。
この前、とり・みき

この世の中にはなあ、ギャグにしちゃいけないことなんか一つも存在しないのだ!!

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110304/p2
という言葉を紹介したけど、上野氏のこの回も、ある意味で何かの『宣言』だと思う。自分は自分なりに、それを受け取ったつもり。

そういう意味でも、売れてほしいなー。「世の中に、ファンロード成分が足りない!」と嘆く旧ローディス残党諸氏なんか特に。(微妙に他人のふりをしつつ)

藤子不二雄Aインタビュー再放送予定

そのkoikesanブログから。
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20110304

100年インタビュー 藤子不二雄A」放送

100年インタビュー 藤子不二雄A」は再放送もあります。
 ・3月10日(木)午後0:30〜1:59 BShi
 ・3月12日(土)午前10:00〜11:29 BShi

インタビュアーに「これだけはマンガで描いてはいけないと思うことは?」との質問に対し……
 
「消去法じゃいけないんです。(あれを描こう、これを描こうと)プラスしていかなきゃ。あれもダメ、これもダメじゃ何も描けない。マイナーになってはダメ。自分を良いほうに盛り上げることが大事」