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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

バクマン。新展開話続き。ライバルの”集合知”はやはり悪役?だがやっぱり強い!どう敗れるのか。

この前の
 ■「集合知」で漫画を描けば面白い? バクマン。の新キャラはネット時代からの挑戦者
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110205/p3
は、予想外の反響を頂きました。さすが「バクマン。」の人気は凄いものです。
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/gryphon/20110205/p3

自分でああいう文章を書いて考えをまとめたことで、あらためてドキドキしながら最新号を開いてみたら、上記のリンク先に書いたような新方式で漫画を描く「七峰くん」の”集合知”スタイルがはっきり”悪役・悪の思想”として位置づけられることになっておりまして、これから当分はこの集合知をめぐっての攻防が展開されることになりそうです。
そういう点ではこの前書いておいてやっぱりよかったかな。

それも結構、主人公コンビの否定論は今回の段階では精神論的なものですよね。「面白いとか以前の問題だ」「編集者を信じないとやっていけないよ」「そんな描き方をするなんてがっかりだ」

で、50人の意見を参考にして本当に面白いのができるのか?に関しては今のところ肯定的な描写をしていますな。「シンジツの教室」でシュージンが特に面白い!と思ったアイデアはネットからの採用だったというくだりもそうだし、今回担当編集の意見を無視するような形でネットの議論をもとに書きなおしたものは、編集部内でも「面白いよ!」と言われるような出来だったという描写だし。

そんなこんなで、実際の集合知やプロ編集者の問題とはおそらく別の問題として、現在やっているバクマンの「対決! vs集合知」編はストーリーを盛り上げ、完結しなければいけなくなった。ライバルとしての集合知の強さ、と同時に共存できない”悪”であることを印象付けた今回の回を経て、どういうふうに話が収斂していくか。やはり楽しみです。

現実の話としての「集合知」(とストーリー作り)について

集合知という言い方(というより定義)もなかなか厳密には定めがたいけど、過去の自分のエントリから雑感的にリンク。


■強い選手を作りたいとき、テストで少数を選抜して鍛えるべきか?とりあえず誰でもジムに通わせて、そこで頭角を現すのを待つのか?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040913/p3
何と、もー7年も前の話。しかも話題が一般性無さ過ぎて分かんないかもしれないですね(笑)。このブログ格闘技の話題が多いので。
でも広く考えると同じ話じゃねーかと思って紹介する次第です。
 
■「ファンロード
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090418/p3
最初にインターネットにつなぎ始めたとき、「こういうのがあればファンロードってかなわないんじゃね?」と思ったって話(笑)
でもファンロードはもともと投稿雑誌だけどね。

そもそも、自分がインターネットに本格的に触れだしたとき、かなり最初の時期に「ああ、これはファンロードつぶれるな」と思ったもの。(略)何かのお題をもとに面白おかしくパロディ・とんちを利かせて遊ぼう!ということになったら、より不特定多数の、より幅広い層から集めたほうが絶対に勝つ。それはどこかでもちろん「面白い・面白くない」で選別を受けることになるのだろうけど、その選別ゲートも広く、基準が多様なことのほうが望ましい。

最後に追記
たぶん、「プロ編集者vs漫画読んでるブレーン50人」をリアルにシミュレートすると、最終的な採用者の個性やスタイルにも関係してくると思うのだが、たぶん…の話
「まったくの白紙からストーリーやアイデアを出すとするならプロ編集者のほうがいい(というより、50人じゃ収拾が付かず自爆する)」
「しかしある「お題」を出して、その題にそってはい、アイデアを出してくだサーいという競争なら、ブレーン50人のほうが構造的に有利」
だと思います。
どうでしょうかね。
それは、お題に沿ってみんながネタを出しあったと思しき
http://www2.ocn.ne.jp/~gimura/zamza.htm
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/50789421.html
http://aruite5.blog.shinobi.jp/Entry/1238/

なんかを見て感じたこと。

http://www.aka.ne.jp/~deguchi/hobby/japan/virtual.html

東郷平八郎日本海海戦の後に語った話として次のようなものがある.

「百発百中の砲一門は,百発一中の砲百門に匹敵する」

これに対して,後に井上成美が次のように批判している.

「百発百中の砲一門と百発一中の砲百門が撃ち合ったら,相手には百発一中の砲九十九門が残る.」