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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「任意取り調べの録音」が証拠で大騒動に。この先駆者が小谷野敦氏・江川紹子氏

http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000639.html

「殴るぞ」と自白迫る録音公表 大阪、弁護団が告訴へ


 大阪府警東署で任意の取り調べを受けた際に自白を強要されたと主張している男性の弁護団が7日、大阪市内で記者会見し、同署の警部補(34)と巡査部長(31)を特別公務員暴行陵虐や証拠隠滅容疑などで大阪地検に告訴すると発表した。 男性は府内の30代の会社員で、弁護団は取り調べを録音したICレコーダーの内容を公表。警部補らが「おまえの家も全部ガサ(捜索)行くぞ」「おまえなめんなよ、こら。だまるな。何か言え。殴るぞ」などと大声で脅し、自白を迫るやりとりを明らかにした。 告訴状では、2人は9月3日、遺失物横領容疑での取り調べの際、強圧的に自白を得ようとして暴言や男性の肩、太ももをたたくなどの暴行をしたと主張。男性の録音に気付くとレコーダーの録音ファイルを消去させて、証拠を隠滅したとしている。 男性は指示に従いファイルを消去したつもりだったが、実際にはデータが一時保管フォルダー「ごみ箱」に残っていた。 弁護団の秋田真志弁護士は「これが密室取り調べの実態だ。録音を消去させるのも明らかな証拠隠滅、職権乱用であり、事態を看過できない」と話した

警察畑のデジタル・デバイドは深刻だねー。ごみ箱に入れただけで安心とかフツーないやろ。というかごみ箱から完全消去したって復元できるだろうし。

と、いうわけでこの問題って暴言も脅迫も問題だけど、かりに紳士的な尋問であっても根本は「任意聴取の時、取り調べを受ける側が録音していいのか?」という問題ですので、本質を見誤らないよう。
弁護士は「録音を消去させるのも明らかな証拠隠滅、職権乱用」と主張している。

さて、本日そういうことで?「取り調べ 録音」といった単語での検索での来訪者は多い。実は当ブログ、一度この話題について書いていた。
■任意の取調べを受ける時、それを録音できるか?について。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100619#p4

ただ、ここでも書いたように、メインはここである。id:jun-jun1965こと、猫猫先生こと小谷野敦氏が、一瀬陽子という人に脅迫で刑事告訴され、任意の取り調べを受けたのだという。その時に、氏が録音を・・・彼の場合堂々と(笑)、行ったというお話。
(基の話のURL↓)
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100510/1273918219
詳しいことはリンク先に飛んでくれ。猫猫先生はぜひ近日中に、これにまつわるエントリをブログで書いていただければと思う。(雑誌などでもいいけど)


ああそうそう、前回のエントリでは他の方のtwitterを表示する機能を使ったのだが、この日記で検索できるようそれをコピーしておこう。こちらは江川紹子氏が、検事正に記者会見で尋ねたときの話。(同氏twitterから。旧エントリから飛べます)

私も可視化についての考え方を聞いた。「個人的な意見は申し上げられない」。本人や弁護人が録音・録画して欲しいと言うケースはどうかと聞いたら、裁判員裁判に該当する事件の一部を記録している今の枠組みを大きく外れることはないのではないか、と。
じゃあ、任意の取り調べで被疑者や参考人が録音機持参したらどうか、と聞いた。鈴木検事正は「以前、私が取り調べをした時には、『ここは私が主宰する場だ。遠慮してもらいたい』と断った」と。なんでダメなのか、さらに聞いた。すると、「都合のいい所だけ編集できてしまう」と。
ならば検察側もすべて録音して、不適切な利用があれば、それに反論すればいい。鈴木検事正の話は、むしろ全面可視化の必要性を言っているように聞こえた。

その後かその前か?千葉景子法相(当時)にも聞いて、問題ないという回答を引き出していたとのこと。
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-487.html

参院任期満了(今月25日)後の閣僚続投が内定している千葉景子法相(神奈川選挙区)は20日閣議後会見で、犯罪捜査にからむ検察庁などの任意聴取において、捜査協力者によるやりとりの録音を容認する考えを示した。「閣僚任期中に何らかの形で捜査機関へ伝える」とした。

 フリージャーナリスト・江川紹子氏の質問に答えた。千葉氏が横浜で弁護士をしていた当時の神奈川新聞司法担当記者が江川氏という関係
(略)
任意聴取段階での録音を禁止する法的な根拠はないが、江川氏は質問で「任意の協力者であるにもかかわらず、捜査当局は聴取経過の録音を認めない」などと指摘し改善を求めた。

 千葉法相は「任意聴取段階での録音は過去の事例としてある」として、「拒否する根拠はない」との認識を表明。容認対象についても「(東京地検)特捜部だけが例外といったことにはならない」などと、警察も含めた捜査当局全般に録音についての周知を進めていく意向を示した。

【追記】下コメント欄より。新エントリのURLをご紹介いただきました。

id:akiharahaduki 2010/10/08 12:15
初めまして
トラバをありがとうございました。こちらからもトラバをお送りしましたが届きましたでしょうか?はてなには届かない事が多いので、すみませんがこちらにもURLを貼らせてください。
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-519.html

あと、こんな例もあったそうですよ
■情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
「2年先なんて待てない〜持ち込み取り調べ可視化をしようとしたら警察・検察はどうでるか?」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ec9e753eeae124131a44e33d713bd11c

依頼者のなかに、昔、警察での取り調べにICレコーダーを持ち込み、最初は、黙って録音していたが、それがなんかの拍子に警察にばれてしまった。ところが、見つかった後も、録音をさせるよう迫ったところ、警察はそれを認めたということがあった。

 それと同じことを堂々と行った場合、果たして警察は、検察はどう対応するのだろうか?
(略)
録音をさせないなら、取り調べに応じない、と述べたら警察・検察はどう対応するだろうか?

 あるいは、職務質問でいきなりICレコーダーで録音を開始したら、警察は、そのレコーダーを取り上げようとするだろうか…。

 まさか、任意捜査で録音をしようとしたことを理由として逮捕するわけにはいかないだろう。
 
 もしかしたら、最初の数例で、そういうトラブルは起きるかも知れないが、そのことが弁護士などを通じて明らかになったら、それこそ、警察・検察は批判されるだろう。
(略)
そうそう、記者クラブのどなたか、次回の会見の際、取調べされる場合に、自らの機材で録音・録画しようとしたら、警察はそれを阻止するかどうかを質問してもらえないでしょうか?

(この文章は今年2月、江川氏の検事正・法相質問は6,7月なので、有名ブログのこの文章も影響したのかもですね)


ちなみに私思う。
法的な問題として「やっていい」と認められることもすごく重要だが、同時に仮に認められなくても、録音機がばかばかしいほど小さく、高性能になっている昨今、そもそもこそーり録音してもそう簡単に見つからないご時勢になっているんじゃなかろうか。ポケットから何から探す、チェックするということもおいそれとはできないだろうしね。
これは私人−私人の関係でもそうで、「相手は隠し録音をしているかもしれない。それを確認するすべはない」という認識を前提にする…ってのはこれから必要になってくるかもしれませんぞ。
 
星新一はさらに進めて「もし、的中率100%の嘘発見器が携帯可能になり、みんなが持ち歩くようになったら?精神修養をするしかない」というSFジョークを飛ばしておりました。(アイデア・エッセイに書いただけで、小説化はしていないはず)

できそこない博物館 (新潮文庫)

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これは当然、各種の「エスパーもの」に受け継がれているわけでしょうけど。
なんか違う話になっちゃったが、とまれこれをきっかけに「任意取り調べを、事情聴取を受ける側が堂々と録音する」という習慣が広まればおもしろい。もちろん被疑者の方に不利になる可能性もあるわけだが。

そして小谷野敦ブログに注目っツ!!