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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

松原隆一郎がマイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を論ず(毎日新聞)

はじまりましたね、
ハーバード白熱教室」の一挙再放送。
NHKハイビジョン http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100808#p4 )
実際の番組を見てみて思うところもあったのですが、また後日。
そんな白熱教室の書籍版である

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

を、日曜日に松原隆一郎氏が論じたのだ。
これに興味があるのは、何も松原氏が格闘技評論を一緒にやっているから、ってだけではない。氏の本は鼎談書評や啓蒙書を少し読んでいるだけだが、宝島30での連載評論(古いね)や新聞の論壇辞表などを見ると、どうもサンデル氏の議論と重なるようなテーマが多かった、と記憶しているからだ。そもそもが「相関社会学」のひとだっけ。

これこれ、この三つがそれに近い感じだったような。
下の書評はおまけ。

ここにある、松原氏が「ボクシングの歴史研究」本を同じく毎日新聞で書評したときも
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070506#p3

・・・「近代スポーツ」発祥の地であるイギリスで、格闘技がスポーツとして合法化され、かりに死者が出ても対戦相手は殺人罪に問われなくなる経緯・・・


・・・ボクシングが当初は競馬やクリケットなどと同様に賭博スポーツであったために、ルールの適用や競争条件の公平性に気を配るようになったという点だ。フェアネスは通常はアマ・スポーツの精神とみなされるが、競馬を思い出せば分かるように、賭けを成立させるためにこそ求められ・・・

ボクシングはなぜ合法化されたのか―英国スポーツの近代史

ボクシングはなぜ合法化されたのか―英国スポーツの近代史

これなんて、まさに「白熱教室」のテーマであってもおかしくないじゃん。

さて、今回の書評は。
http://mainichi.jp/enta/book/hondana/news/20100815ddm015070021000c.html

(略)・・・サンデルの講義は、実際に「白熱」ものである。テレビに映し出されたように、大学受験や妊娠中絶、徴兵制等、学生にとって身近かつ刺激的な問題を事例に挙げるからだ。

 たとえば所得格差は、どのような条件で認められるか。学生たちは、カースト制のような「生まれ」は拒否するだろう。ではバスケットのマイケル・ジョーダンのような、天賦の「才能」はどうか。これには賛否が分かれるが、ジョーダンにしてもダンク・シュートの技術を磨くためには気の遠くなるほどの「努力」をしているではないか、と答える者がいる。才能は遺伝にもとづくが努力は当人の意志によるから、高給を得るに値(あた)いする、というわけだ。

 ここでサンデルは、「ではこの教室で長子は手を挙げてみて」と畳みかける。例年、受講者の七〜八割の手が挙がる。学生は多くがみずからの努力でハーバードに受かったと自負しているが、それだけに「生まれ順が努力する性格に影響する」傾向があると知り衝撃を受けるのである。

 身近でありながらいかにも最高学府という知的な話題、しかも容易には結論が出ない質問を一回五十分の授業で、矢継ぎ早に突きつけることが人気のゆえん・・・(後略)

今日も、ハイビジョンでは再放送あるよー。
また、余談ながら人気を受けてサンデル教授の別の本も翻訳されたようです。

民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ〈上〉手続き的共和国の憲法

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