上にも引用した
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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売れている秘密は、実は高度で難解だと思われているであろう哲学的な議論や正義論、法哲学といった問題を、
「あなたはXXXXという状況にいます。XXXをすればXX、XXXXならXXXです。さて、どういう行動を取りますか?」
という、ごく単純な「おもしろ哲学クイーズ」として多数紹介していることにあると思うんですよね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100703-00000000-jct-soci
■テレビに書籍と日本で一大ブーム ハーバード大の講義「正義」授業の魅力
「暴走列車を運転するあなたは、このまま進めば5人をひき殺してしまう。だが列車を右にそらせば、そこにいる作業員1人を犠牲にするが5人は助かる。あなたならどうしますか」
ハーバード大の大講義室をぎっしり埋め尽くした学生たちに、サンデル教授はこう投げかける。いずれを選んでも「死」が避けられないという設定に、自分の倫理観は果たして正しいのかと学生は悩む。 代理出産、命の重み、富の再分配、同性婚――。授業で取り上げる題材は「正解」がないような難題ばかりだ。宗教観や人種の多様な米国の学生は意見もさまざまで、議論は熱い。
私も高度な専門書をこの分野で読んだこと無いんですけど、けっこう啓蒙書レベルを読んでもその分野の偉い人はこういうたとえ話と言うか、さっき命名した「おもしろ哲学クイーズ」を多用している。中絶問題とかリバタリアニズムでも、そういう話が出てきたし。
そしてこれは数学や物理学が専門家で無いと考えられないのとは違い、そこらのおっちゃん、おばちゃんだって、ヤンキーやコギャルだって答えられるかもしれない。むしろ深い人生哲学に基づいた名答が帰ってくるかもしれないのだ。
- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 早稲田経営出版
- 発売日: 2009/07/01
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- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 早稲田経営出版
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僕はこれで多数読んだ。あとね、これは同書で浅羽氏も書いているし、わたしも何度か書いているけど星新一の短編のいくつかはそのままの形で「おもしろ哲学クイーズ」(しつこい)になるんだよね。
さて本題。
「沈黙の艦隊」にも出てきた哲学的な問い。それを党首討論で聞いたら?
往年のメガヒット作とはいえ、もう一昔前の作品だよね。
あらすじはウィキペディアに任せる
日米共謀により極秘に建造された原子力潜水艦「シーバット」…は海江田達の操艦のもと、高知県足摺岬沖での試験航海に臨む。しかしその途中、海江田は突如艦内で全乗員と反乱を起こし音響魚雷で米海軍の監視から姿をくらまし逃亡。以降、海江田を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を名乗る。さらに出港時「シーバット」は核弾頭を積載した可能性が高い事が発覚。アメリカ合衆国大統領ベネットは海江田を危険な核テロリストとして抹殺を図る。海江田は超人的な操艦と原潜の優れた性能、核兵器(の脅威)を武器に日本やアメリカやソ連、国際連合に対抗してゆくこととなる。
もともと、作者がどこまでストーリーを考えていたかはよく分からないけど、人気が高まるにつれて次第に仕掛けが大掛かりになり、この「やまと」への対応をめぐって与党が分裂、総選挙になるシーンがある(たしか1993年の自民党の初下野と、同じ期間じゃなかったかな。)
このとき、公開討論が設定され、やまとへの対応をめぐって自主独立や平和主義、対米協調などある程度(当時の)日本の現状とリンクした討議がされたのだが、最後にこういう質問を司会者は発する。
実を言うと自分は、政治家への問いにこの主の抽象的な問いは実際に向かないとは思っている。政治家はその政治哲学の高邁さより、実際の政策がどうであるかで判断されるべきと思うからだ。
僕が仮に党首だったら、「こういう質問は無意味と思うので拒否する」かな(アナウンサーはそれを認めるとしている)
ただ、ここでいち早く、それを劇中に持ってきたかわぐちかいじのすごさは、あらためて「ハーバード白熱教室」とその本のヒットで光が当たってもいいと思う。なのでここで、ちょっと多めのコマ貼りであることは承知の上で紹介させてもらったのです。
もちろん、貴方が党首になったつもりで
「私なりの考えがある」ということなら謹んで教えていただきたい。
もし、貴方なら?
最初に出たコミックスではこれは15巻(ではない、追記)なのだが、
今は文庫版だろうから、何巻かは不明。
- 作者: かわぐちかいじ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/02/08
- メディア: 文庫
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追記・最初のコミックでは16巻でした、すいません。
- 作者: かわぐちかいじ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/12
- メディア: 単行本
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んで、32巻のコミックが文庫では16巻だから、単純に考えると2冊の合本で、文庫では8巻なのかもしれない