バナナの皮はなぜすべるのか? [著]黒木夏美
- 作者: 黒木夏美
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
http://book.asahi.com/review/TKY201006220126.html
鬱々(うつうつ)とした心で散歩していた著者の前に、バナナの皮が落ちていた。瞬間、バナナの皮で人がすべるギャグを連想し、テンションが回復した著者は、素朴な疑問を抱く。あのギャグは、いつ生まれたのか、と。
ただひたすらそれだけを追求した本だ。で、面白くないか、といえば、いやいや。次々現れる疑問を追いかけていくたび、収穫は増殖に増殖を重ねる。
内外の映画、アニメ、マンガ、文学はもちろん、短歌、俳句に登場するバナナやそのギャグ史から、実際に滑ってケガをした人の記録……。時に、ギャグ論や植民地問題にまで、視野は伸びる。その一つ一つが、何やら想像力を刺激・・・・・・・・
俺がいうのもなんですけど、人生無駄に使ってる人もいるもんですな(褒め言葉)。
「バナナの皮」といえば、「こち亀」のギャグで、最新型の警察護送車にスイッチひとつでバナナの皮を大量にまき、追跡する敵の車両をスリップさせる機能があるというネタが。、ひっくりかえった車の運転手が「最新型なのか原始的なのか分からん…」とぼやくシーンが印象深い。
わたしも子供のころから「滑るすべるというけど、そんなに滑らないよなあ・・・」と不思議に思っていたのだが、ここ4、5年前に(笑)「ああ冷蔵庫の無い昔はどんどん熟して、皮がぐじゅぐじゅになってしまったのか。そりゃすべるわけだよね」と納得してそのままだった。
これはさらに真実があるのか?
そして当人に興味があるかしらんので、これは勝手な希望なのだが、バナナの皮=すべるにはやじはり漫画の影響は絶対に大きいはずだ。そこでこの本に関しては、ぜひ「漫棚通信」氏(http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/)にひとつ関わってほしいと思う次第であります。