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日中歴史認識―「田中上奏文」をめぐる相剋 一九二七―二〇一〇 [著]服部龍二日中歴史認識―「田中上奏文」をめぐる相剋 1927‐2010
- 作者: 服部龍二
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2010/02/01
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[掲載]2010年4月4日
■偽書の研究から和解の未来開く1927年、時の首相・田中義一が昭和天皇に上奏したとされる「田中上奏文」。「田中メモリアル」として世界的に知られるこの文書には、日本が中国進出の手がかりとして満蒙を支配する手順などが書かれており、1929年以降、日本の侵略計画を示す文書として世界中に流布した。
しかし、この田中上奏文は当初から偽書の可能性が高いと指摘されてきた。日本語の原文が発見されていない上、上奏文を宮内大臣宛(あて)にするなどの誤りが目立ち、研究者の間では偽書との見方が定着し・・・・
これが興味深いのは、要は当時の中国がこれを喧伝したのは日本の侵略性を世界に訴えるためだったということ。「侵略に抵抗するために偽情報でも利用してプロパガンダにする」ことは許されるのか?
その約60年後、クウェートはイラクの侵略に対抗するため、ニセの証言者を仕立てて「イラク軍は病院に押し入ってきました。そして保育器から未熟児の赤ちゃんを放り出して、その機械を略奪していったのです」と涙の証言をさせた−−−。
ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)
- 作者: 高木徹
- 出版社/メーカー: 講談社
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