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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

朝鮮学校の歴史教科書翻訳書続報。「翻訳・刊行にさいして」をご自由に転載ください。

朝鮮学校の歴史教科書の翻訳本を出す版元に聞いてみた
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100424#p3

というエントリーをこの前書きましたが、その版元から貰った振込用紙に宣伝チラシが入っていたので、画像化して紹介します。

あとひとつ重要。上のリンク先では翻訳の中心となった萩原遼氏の「朝鮮高校『現代朝鮮歴史』の翻訳・刊行にさいして」を、許可を得て転載した。で、これについて「私だけの転載ではなく、さらに他のサイトやブログが転載してもよろしいでしょうか?」と版元「星への歩み出版」に確認すると、これも快く了承してくれたのです。ここで再掲載しますが、どうか興味ある方はぜひご自身のブログなどにも転載ください。

【自由転載可能】



【自由転載可能】

朝鮮高校『現代朝鮮歴史』の翻訳・刊行にさいして

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1.朝鮮総連が運営する朝鮮高級学校(高校、以下同じ)の現代史教科書『現代朝鮮歴史』の第1巻を全文翻訳し、世に出すことにした。現在、日本各地の朝鮮高校で使われているもので、1巻から3巻まである。これを3年間で教えているとみられる。第1巻に次いで2,3巻も引き続き翻訳出版する。

 昨年末ごろから鳩山内閣が高校授業料の無料化方針を打ち出したことに関連して、朝鮮総連朝鮮学校関係者から朝鮮高校も無償化すべきだとの意見があがった。

2010 年3月の衆議院議員本会議で、日本の高校授業料無償化法が通過した。このさい、朝鮮高校については教育内容がわからないいから「第3機関」を設け検討して判断し、決定するとした。

2.このころから、朝鮮総連朝鮮学校関係者から「朝鮮の子どもを差別するな」の意見がはげしくなるにつれて、マスコミやインターネット上で賛否の議論が行われている。教育問題から政治的問題へと発展しつつある。

 これらの論議に問題点が多い。朝鮮学校の教科書は朝鮮語で書かれている。多くの論者が朝鮮語を読めず、中身を知らないままであれこれのべあっている段階である。

3.われわれは朝鮮問題を長く研究してきた専門家の立場から、朝鮮高校の現代史教科書を翻訳して、討論の参考に供することにした。中身で判断していただくことが基本である。

4.翻訳にあたっては、原文に忠実に訳した。写真や図表の位置、ページ数も原書と同じように配列した。ただし不要と判断する表などは翻訳を省略しそのままハングルで残したものも若干ある。

 原文は漢字を排し、地名、人名はハングル書きであるが、日本でよく知られている韓国・朝鮮の人名、地名などは漢字を当てた。

複数のもので翻訳を分担し、萩原が全体を統一した。

5.著作権についてふれる。著作権法が保護する著作物は「日本人の書いたもの」に限られる。国交のない国のものはこの保護を受けないというのが日本の文化庁の見解である。

 日本の国費を要求する以上、朝鮮学校側がその教科書を日本語に訳し、関係方面に配り判断を仰ぐのが筋である。それどころか、朝鮮学校側は教科書をあたかも秘密文書のように隠して公表を抑えている。われわれの今回の措置はそうした秘密主義を排し公明正大な土壌で論議するための一つの試みである。朝鮮総連側の正当な行動を期待する。

6.この機会に、われわれ専門家の立場も明らかにしておく。

朝鮮教科書の内容は虚偽が多い。たとえば朝鮮戦争は南北どちらの側が起こしたか、についてはおびただしい証拠や文献によっていまでは北の主導による南進であったことが国際的常識になっている。にもかかわらず、朝鮮高校教科書は、アメリカと韓国による侵略戦争だと教えている。虚偽はこれだけではなく、ソ連軍の手で植民地朝鮮の解放がおこなわれ、次いで北朝鮮地域におけるソ連の軍政が行われたことも隠されている。1960年代の帰国事業についても正反対のことを教えている。

 いうまでもなく、教育の目的は、真実を求めることであり、愛と助け合いで平和に生きるための人材を育てることである。

 虚偽を教え込むことは、ある種の犯罪である。南とアメリカが北を攻撃し、人命や財産、国土に甚大な破壊をもたらしたと言いつのるならば、南の側との和解や共生はうまれない。逆に南北対立をあおり復讐のためには命を賭して邁進しようとする若者を育てることになりかねない。

 朝鮮高校の卒業生のなかから日本人拉致や韓国での破壊活動に従事する者が少なからず生まれていることも、こうした教育と無関係ではない。

 虚偽を教育の柱としている機関に日本の公費をつぎ込むことは犯罪に手を樫うことになる。

7.教育に政治を持ち込むなとの意見についても、無理解がある。朝鮮総連は彼らの経営する民族教育を「在日朝鮮人運動の生命線」と規定し、「高等学校授業料無償化」を必ず勝ちとるよう運動をおこなうと決定した(2009 年11月11日の本部での会議決定)。そして、この方針が偉大なる金正日将軍様のご指導であるとこう述べている。

 「敬愛する将軍様におかれましては、今年を『民族教育を強化する年』とお定めくださり、決死の覚悟と不退転の意思で民族教育を守り発展させることについての方針をお与えくださいました」(2010年1月13日 朝鮮総連本部委員長・中央団体責任者会議での報告から)

 教育に政治を持ち込んでいるのは朝鮮総連である。朝鮮総連を指導する朝鮮民主主義人民共和国朝鮮労働党は機関紙「労働新聞」でこういっている。

 「在日朝鮮学校を政府の支援対象から除外しようとする日本当局の方針はたんに金銭にかかわる問題ではなく、朝鮮総連の民族教育の権利を奪うための犯罪的策動である」「反朝鮮総連、反共和国政策の産物である日本反動どもの今回の策動はわが朝鮮人民の憤怒を激発させている」(2010年3月9日付)

 こうした感情論ではなくきちんとした話し合いこそ教育問題の基本である。

8.われわれの立場と行動は、朝鮮高校生を差別するものではない。真実と平和を愛する子どもを育てるという普遍的な理念から出発するものである。

この翻訳が正しい論議のたたき台となることを期待する。

2010 年4月15日

「朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会」

            代表   萩原遼