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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「青木敗戦」焼け野原のその後は…バラック、闇市から再び始めるしかない


皆さんもご覧になったように「ストライクフォース」に出場した青木真也が得意の寝技を完封され、まったく持ち味を出せずに完敗。判定負けではありますが、青木が何度か経験したKO負け以上に、攻め込まれたような形となりました。


ちなみに日本で「PRIDE」「DREAM」によりなじみの深いゲガール・ムサシダン・ヘンダーソンも敗北。ムサシは戦極生まれ戦極育ちのキング・モーに敗れて、対抗戦の星がイーブンになりました(って、モーはもーSRCには来ない様子。あっうまいこと言った)

「日本が終わる」その後は?

青木本人が語り、またkamiproもそこにのっかって作った「これで青木が負けると日本のMMAは終わる」というアングルは、やると刺激的で事前の注目はいやでも高まるが、いざこういう結果になると対処に困る(笑)。
実際のところ、青木が負けてもムサシが負けても、4月29日にはパンクラスが近藤vs金井の王座統一戦を行い、25日には吉田秀彦引退試合をすることには変わらないのだ(あっ、忘れてた!!!)

ただ、彼らがいうのは「青木が負けたら、いわゆる”最強幻想”を持たせながらの試合が日本国内で出来なくなる」との意味でしょう。人々が闇市でたばこの吸殻の入ったゾースイをすすりながらたくましく生きたとしても、大日本帝国が滅んだことには変わらない(空手バカ一代笑)。


私は個人的にはこの「最強という幻想がないと日本のMMAは立ち行かない」という話がいまいちピンとこない。
わたしの書き方だと「Who is the strongest?」じゃなくても、「Which is stronger?」でいいじゃないか、という話で。それに最強を目標にどんどんやっていくと個性がなくなって、逆に最強に届かないほうがファイターの「個性」が残るんじゃないか、という話もある。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090112#p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080115#p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090223#p2

ついでに、米国に及ばないという状況をギャグで書いたエントリもあった(笑)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070529#p1
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091117#p1

ただ、他の人のいう「最強幻想のあるなしは、興行の人気に直結する」というのは私のような単なる個人的感覚じゃなく、興行実績・データに裏打ちされた実感としてそうなんだ、ということのようですね。
だったら、たぶんそうなんだろうと受け取るのが正しいのか。

最強幻想の代用は?

今回、否応なく「最強幻想」がはがされると、上のエントリに書いたようなガラパゴス化は否応なく進むしかない。ならば、このまま行うのかわからないけど「青木vs川尻」とかを、日本独自の価値観で売りにし、興行に結びつけるような、そういうことをやっていくしかないんじゃないのかな。
とりあえず、今回「世界最強」をめぐって争うという構図は作れない・・・としたら・・・「個人的にお互い憎しみあっている」というアングルで盛り上げるとか(笑)。小川vs吉田。マッコウクジラvsダイオウイカkamiproはこういうときには最適です(笑)。


今回、敗戦でGHQに占領されたというなら、とにかくその状態で闇市バラックで命をつなぎつつ復興を待つしかない。そのうち再び、最強幻想の芽は育つだろう。そのときはすでに、そいつだけを選んで一本釣りするシステムが出来上がるかもしれないけど(笑)、育つ間にその人間のレコードに傷がつくこともある。
「現在UFCで活躍中のAに、判定勝利したこともあるB!」で売っていくとか、夢破れてメジャーからリリースされた人をエースに据えるとか。
国内メジャーと修斗の関係が参考になると思います(笑)

今回の試合の分析(技術論)は、ゴン格に任せたい。

試合前のインタビューで、ゴン格はメレンデスの技術とアオキの技術のことを聞いてきたが、実は青木は「今回の試合をそういう価値観では捉えていない」「この試合はそこに至るストーリーや『負けたら日本が終わる』、そういう見方でとらえて欲しい」
と技術論を詳しく語るのを拒否していたのである(215号46P)。
だが、結果がこういうふうになると、「日本が終わりました。はい終了」と1行で終わるしか無くなるので(笑)、やっぱり技術論によって青木−メレンデスは語られるべきだと思う。
だって体格、レスリング、フィジカル、打撃で上回る北米型ファイターと青木は複数回闘い、JZカルバンやエディ・アルバレスといった相手から勝利しているのだから。
カルバンやアルバレスと、メレンデスはどう違っていたのか。逆に彼らが直接対決したらどうなっていくのか。
あ、でも今から高島学さん「俺に30ページよこせ!!言いたいことは原稿用紙200枚分ぐらいある!」とか言ってそうな気がする(勝手なイメージ)。

ひきつづき「ニコニコ動画」界隈の取材を。

今回の視聴者数は、見たときは最終的に19000人ぐらいだっけ?宣伝期間を含めて多いのか少ないのか、あと試合放送決定後の「プレミアム会員」の増減とか(少なくとも俺1人ぶんはプレミアム会員増えた)、昨日も書いたドラマチックな放送決定までの内幕ものとか。
「おれ、普段はITやネットの記事かいてますけど実は格ヲタです。今回のこと、専門知識も踏まえて書きましょうか?」という方がいたら、編集部に各自売り込みを。

そういえば嘘かまことか、ニコニコ動画をやっている「ドワンゴ」の偉い人の中にもけっこうな格闘技ファンがいる−−という書き込みをどこかで読んだが真偽不明。今回の決定から逆算された都市伝説かもしれない。