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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

英雄、俗物を置いて先に進む・・・・金原弘光の”武士道”コラムを見よ

今月のkamiproは、twitter特集が格闘技以外の業界から評判を呼んだりしているので、あとで書くつもりだけど(あと不思議な不思議な「海外の日本人戦績特集」も)、とにかくそれ以上に全格闘技ファン必読なのが、金原弘光が寄稿したP108のコラムである。

今回は彼が福田力とDEEPで戦い、負けたあとの初のコラムであったので、あの試合が素晴らしいものだったことは置いておいて、『たぶん「あとちょっとだったんだけどな〜」「判定で勝ったとおもったんだけどな〜」みたいなおなじみのぼやきなんだろうな、いやさすがに後者はそりゃないか(笑)』・・・みたいな気楽な感じで読むつもりだったんだよ。
ところが、読み進めるうちにそんな気持ちはふっとび、粛然として襟をただすことになりました。

福田力はタフで強かったな〜あんなに肉体的にハードだったのは、PRIDEでミルコとフルラウンド闘って以来だよ。…(略)…試合中に心が折れそうになったのもミルコと闘って以来だったよ。ミルコと闘ったときもドクターチェックが入ったとき「ここで止められたら、楽になるのにな」とか思ったけど、今回も同じこと思ったからね(笑)

そして「金原帰りは出世する」とまで言われるほど大物が並ぶ自身の対戦相手を振り返った上で「俺が闘った日本人では一番強かった」「外国人を含めて5本の指に入る」とまで、相手を素直に絶賛するのである。
そして続ける

負けたからもちろん悔しい…(略)…だけど「今日の相手は強かったなあ」ってなんだかさわやかな気分になったからね。

さて、ここからです。お聞きください。

そして強いヤツと闘ったことで「こいつともう一回闘って、やり返したい」っていう気持ちになったよ。もう一回這い上がって福田力と闘うぞっていうモチベーションが出てきたよね
今俺は39歳になったけど、今回も若くて伸び盛りの選手相手に、最後まで闘い抜けたからね・・・(略。ここに「バックブローを所英男ばりに出したけど逆転できなかったなぁ。スターになるやつとなれないやつの差だなあ」とのぼやきが入っているが、アレなので飛ばす(笑))……強いヤツと闘って、39歳にしてますます試合したい気持ちが出てきたからさ。

福田力のような若くて強いやつとどんどん闘っていきたいね。

俺も去年は「田村さんと闘いたい」とかいったけど、やっぱりおっさん同士でやっている場合じゃないよ。現役でいる限りは、できるかぎり強いヤツと闘っていきたいし、そいつらになんとかして勝ちたいね・・・(略)

実はいま告白すると、1990年代にUWFインターが海外に向けて番組の放送権を売り、イスラエルやバルト諸国では特に大人気だったそうだが、そのときのタイトルが「BUSHIDO」であったことに、正直ずっと違和感を感じていた。
だが、今回の金原の文章を読んで、ついに納得したのだ。なるほどこれがUインターの武士道かと。

で、この前のように
田村潔司
菊田早苗
をならべて
「金原がこういう心意気なのに、おまいらと来たら」。
とか言おうと思ったんですけどね。先月号のkamiproばりに「相変わらずの田村業、菊田業ですなぁ」とか(先月号で同誌は秋山成勲を「秋山業」と揶揄。私はそれには反対しないが、上の二人を”同業他社”だと(笑))。

だが、金原の言葉は立派過ぎて、正直
「金原はこんな心意気なのに、おれらと来たら」
と思わせないでもない。田村菊田をあげつらうのは今回はほどほどにして(って十分あげつらっているじゃん)、えらい金原の言葉をかみしめつつ自省もいたしましょう。

このエントリは、この曲を聴きながら。