なんか今日は偶然、週刊誌づくし。
さて、今店頭に並んでいる週刊誌で、ともに月曜発売の週刊現代・週刊ポストがともに北朝鮮特集をしている。
金正日危うし、北朝鮮でいま起きていること−いよいよ王朝が崩壊へ
◆ 毎日新聞・鈴木琢磨/北朝鮮・金正日総書記、工業都市・咸興
週刊現代(2010/04/03), 頁:54
「金正銀<新>王朝」前夜!「虚飾の平壌」を歩く
◆ 青木理/北朝鮮・金正日総書記、金正銀、金正男、金正哲
週刊ポスト(2010/04/02), 頁:47
このふたつの記事、実は結構共通点もある。朝鮮労働党が出している新聞で「ビニロン」とかいう、かつては盛んに製造され民族的な誇りにも通じる(開発者の一人が朝鮮民族)が、いまとなっては粗悪な化学繊維のことを大々的に宣伝していたこと、後継者と目される金正日の息子が「金正銀」であることなどだ。ネタ元が同じなのか、それとも両者偶然に扱ってもおかしくない重要トピックなのか。
だが、その後の見方がかなり違っていて、要は
鈴木氏「北朝鮮はデノミ失敗の混乱がすさまじい。王朝崩壊へ踏み出した」
青木氏「デノミの混乱も多少で収まり、ピョンヤンの市民生活水準は数年前より上がっている」
と。鈴木氏のほうはそれ以上に北朝鮮の新聞にみられる金正銀の影響とかにページを割いているし、また「大混乱」の話は他メディアでも見られるから略し、青木氏の意外な「北朝鮮経済は良くなっている」を紹介しよう。
まず彼は北朝鮮に何度も入国している、という前提で、「実際に見たところ数年前より・・・」という論法を使っている。
実際に見ると
「1、商品が増えた。2、携帯電話を良く見るようになった(エジプトの会社だそうな)。3、首都のあのでっかいホテルの建築が再開(これも同じエジプトの会社)。4、ビールがうまくなった。5、デフレは庶民にはあまり影響が無く、むしろ喝采」
みたいな感じ(記憶に基づく。)
さて、どうだろう。個人的には今までの言論活動を見る限り、青木氏は微妙に北朝鮮に同情的な論調が多いと思っているし、鈴木氏のほうが北朝鮮取材歴は長い。ただ、「僕は実際に見た」はなかなか反論もしにくいので、まあこういう二つの見方がある、ということにとどめておく。
だが!!上に紹介した「4」は注目せざるを得ない。
北朝鮮でプロレスをやるための下準備に出かけたアントニオ猪木とゴマシオのひとこまである。
実は、北朝鮮のアルコールがマズーーイという話は、ビールではなく焼酎だったけど私も自身の体験談として言える。とあるところからもらったのだが、
ほんとうにもう、ここまでまずいもんをよく作れるね、
まずさの千里馬だよ、まずさの抗日遊撃隊だよっというぐらいまずかったなあ。
おまけに入れ物のビンまでそもそもゆがんでて、お国柄をかんじさせてたもんだ。
そういうお酒・・・猪木のピョンヤン行きから約15年だ。ビールの品質が多少良くなって、本当にオツな味になっていたとしたら、それはそれで北朝鮮の皆様には朗報ってものでしょう。
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