INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「趣味を『仕事』にして経費にできるか?」再論。数種の本なども参考にしつつ

(最初は14日付のエントリだったのですが、書き終えたのが夜遅くで目に触れにくいため再録しました)
確定申告のシーズンももう終わりですね。
この季節に盛り上がった話を総合するということと、どうせ1年ほどの準備がかかる話だということもあって、この際エントリーにしてみよう・・・というわけです。

まずはこちらをご覧ください。
■嘘かまことか、格闘技やプロレスを「経費」で見られる?−趣味を仕事にする方法(※私も本当に出来るかは分からん)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080815#p2

これを最初に書いてからほぼ1年半なのですが、この間に変化があったのは、そういう人物に実際に会えたのです!!

・趣味でネット上の活動をやっていた。
・それを「仕事」にした。
・儲けもあるけど、それ以上に、どうせ趣味として使っただろうお金は「経費」になった。
・本業のほうの税金が節税できた
(゜Д゜)ウマー

なひと。 私が知っているのだから格闘技界隈のブログにいる人で、まあ最古参にちかいような人と言っていいでしょう。(ただし、はてなユーザーではない)

本当は詳しく紹介したいのだが「誰であるかは完全オフレコ」「どういう趣味をどうビジネスにして、どういう経費を申告して認められたかも完全オフレコ」と条件付けやがった(笑)。
というか、書いていいと認めてくれたのは「そういう人が存在する・Gryphonが会った」ということだけなんや。
儲けている人ってのは、目立たず騒がず、人知れず儲けているんですね。これ歴史の鉄則(笑)。


あと、実際にネットでの表現とかネットのサイドビジネスをやってはいないけど、業務上そのへんのことに詳しいかたからも、上の08年のエントリーを読んで、「基本的には可能です」「ぜひやってみたら」と励ましてくださるメールをいただいたのです。

(※「ビジネスとしてブログを行う」体裁を整える方法をいろいろ教えてくれたのだがここは略す。/そうやって、これは仕事だという)ことは客観的に明らかなのですから、ブログを書くための経費として

  • パソコン代(周辺機器含む)
  • 通信回線代
  • 本代
  • 格闘技の観戦代(含む、往復交通費、食事費)
  • PPV代
  • その他(たとえばブロガー飲み会の個人負担分とか)

は、すべて控除できるわけです。
で、うわぁ完全に赤字ですね、給与所得のほうで律儀に所得税納めようと思ってましたがこんな赤字なものでとても払えません。源泉徴収で持って言った分も耳をそろえて返してください作戦が断然断行できると思います。

ぜひぜひやってみてください。

XXXXXの業界(※こういう仕組みについて必然的に詳しくなるような仕事)に入って以来、私がもっとも感動した言葉は「世に稼ぐ手法は数あれど、もっとも確実かつ絶対なリターンを安定的に得られる方法は、節税である」という言葉です。

ただし税務署も甘くはないっ。ハードルはDREAMを経由してストライクフォースに行くより高いっ

メール続き。

この手を成功させるには副業の収入を「事業所得」とする必要があるとのこと(「雑所得」ではなく)。こうしないと損益通算ができないので。事業所得とするための要件はなかなか明確ではなく税務署の一存という部分も大きいようですが、一定の反復継続性、それと20万超の収入あたりが目安でしょうか。雑所得は20万以下は確定申告の必要がないという水準があるので。

おれは脱落ーーーーっ(笑)。ここからは、私のためではなく儲けているモニターの前の皆さんのために書きます。
あと、そのメールの方が「これは必読です。この本に尽きるようです」と推薦してくれたのが、

「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう

「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう

「無税」入門というタイトルがサイコー過ぎます(笑)
著者はうそかまことか、一介のサラリーマンであると名乗っているのもナイス。

只野 範男
神戸市出身、繊維関係の中小企業に勤める。来年定年の総務第2課営繕係長。59歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

とりあえず、前提となる(ブログとかで)ビジネスというのをもう少し調べよう・・・「週末起業」シリーズを読む

そんなわけで、順番が逆のような気もしますが、わたしを含むブロガーが「プロ転向」できるか。プロに転向したはいいが石井慧のようになっちゃあうまくねぇですよね。
そこで、この本。

週末起業 (ちくま新書)

週末起業 (ちくま新書)

ナ、ナンダァ!?(原田久仁信調)
俺はこれを例によってブックオフ100円コーナーで買ったんだが、2003年8月に初版が出たこの本、たった2カ月で・・・なんと俺の購入した第7刷は、その年の10月に出てるよ!!!


ウホッ、これを見ろ!(同)

週末起業チュートリアル (ちくま新書)

週末起業チュートリアル (ちくま新書)

週末起業サバイバル (ちくま新書)

週末起業サバイバル (ちくま新書)

シリーズが、同じ新書から計3種も!! 目ン玉飛び出る大ヒット本!!!(同)


いやあアレだな、みんなビジネス好きなんだねぇ(笑)。ま、100円とはいえこうやってビジネス啓発書ってものに初めて手を染めた立場からいうと、まあ昔でいうところのバーチャル・リアリティってやつで、会社経営ごっこ、自営業ごっこといういうものが、それなりにゲーム感覚、SF感覚・・・もう下火ではあるが「セカンドライフ」を皆がたのしんだような感覚があるんだろうね。
プラス、山本夏彦の「リクルートは僕の会社のようなものだよ(就職の情報だけで雑誌を作る)」とか「豆朝日新聞始末(地下鉄のフリーペーパーの形で、大メディア批判の匿名ミニコミをやる)」のように、こういう構想はそれなりに脳内で緻密に組み上がったら、それだけで満足できるっちゅうのもある。
ああ、そういえば山本の「豆朝日新聞」構想ってブログやツイッターtwitter)を変形で予言していたな。匿名性のことまで考えていた。

「豆朝日新聞」始末 (文春文庫)

「豆朝日新聞」始末 (文春文庫)

再度「週末起業」の内容にもどって

この本は当然ながらコンセプト上、「週末起業をやって収入もやりがいも人脈も大幅UP!」という、WJの旗揚げのようなバラ色の話が書いてある(笑)
ああ、でもWJはともかく、佐々木健介&鬼嫁北斗晶は起業で大成功・・・ってあそこまで追い込まれたのは週末起業とはいわねえ。
藤井氏も言う。「リスクをとらず、元手を準備することもなく、起業という極めてエキサイティングなライフスタイルを簡単に手にする・・・」ムシがいいなぁ(笑)。


この人のいう「週末起業のモデル」は、こんな感じ。
1、オンラインショップ経営

・・・大手通信関連企業に勤めるKさんの場合は奥様と共同で鉄道模型のインターネットショップを運営し、なんと年商800万円・・・もともと大の鉄道マニアで「好き」が高じて模型を販売・・・子供のころから模型店のおやじになりたいと思っていたそうですが・・・

2、代行ビジネス

会計や給与計算、ホームページの作成、翻訳などの業務を、企業や個人に代わって行うのです・・・彼は学生時代からホームページの作成が趣味・・・就職してからも趣味をかねて知り合いの仕事を請けているうちに口コミやホームページ、自ら発行するメールマガジン経由でどんどんお客さんが・・・今のところ年商150万ですが右肩上がりに・・・

3、情報発信ビジネス

広告モデル・・・は最近はあまり儲からないと言われていますが、個人の収入としては十分・・・メールマガジンの広告収入は読者一人につき10円が相場といわれています。(※この本にはアフェリエイトのことはほとんどないのだが、時期の問題か?2003年はまだ広まっていないかも)

4、オンライン教育、コンサルティング

私自身、週末起業時代は、メールマガジンの読者や雑誌連載かrなお読者の要望に答えてEメール限定のコンサルティングを月3万円で請け負っていました・・・ネットはきっかけづくりと割り切り・・・読者向けにセミナーを呼びかけて・・・

5、マッチングビジネス

仕事を共同受注したり、互いに振り分けあったり・・・Sさんは、結婚式の司会者を派遣する会社の社長をしています。もともと・・・結婚式の司会を土日の休みを活かしていました。そこで築いた司会者と結婚式場のネットワークを活かし、両者をマッチングする司会者派遣業を・・・年商は昨年実績で1200万円、来期は2500万円・・・

ロシアの古典文学を翻案した漫画「罪と罰」は、原作で強欲な金貸しの老婆だった被害者を、援助交際をグループ化して儲ける女子高生になってた。

罪と罰 1 (アクションコミックス)

罪と罰 1 (アクションコミックス)

こういうふうにわき道にそれるから、うちはビジネスブログに向いてないんだな(笑)

つづき。ここから格闘ファンに見てほしい

自分の趣味に関して「困っていること」「あったらいいな」と思うことがアイデアにつながることがあります。たとえば釣りを例にとれば、
・渓流釣りをだれかに教えてもらいたい
・釣り道具を誰かに修理してほしい
・はじめての釣り場の情報がまったくない
このように、いろいろと困ったことがあるなら、それをあなたがビジネスで解決できないか考えて見ましょう。こうするとアイデアが出てくるです。もしあなた自身に「ビジネスにできるほど知識・経験はない」ということなら、あなた自身がやらなくとも結構です。(略、ここで「技術がある人をプロモートするという話を論じている)
世の中には「売れるほどのものが描けない、つくれない」と嘆く人と同じぐらい「作品は作れるが、どう売っていいかわからない」という人がいるものです。ここに着目すれば、ビジネスの可能性が広がります

私流に要約すると「シークとなるもブッチャーになるなかれ」です(笑)

珍しい趣味のほうがビジネスになる?

なんでも週末起業に関しては、こう自問すると何をするべきか見えてくるとか。

・お金をはらってでもやりたいことは何だろう
・一晩ぐらい寝なくてもできることは何だろう
・これまで最もお金を使ってきたことは何だろう
・2時間ぶっとおしで話しつづけられることは何だろう

(略)
「趣味はあるがこれはビジネスにはならないだろう」と思う方もいますでも(略)実は一見ビジネスになりにくそうに見える趣味のほうが、すぐにビジネスに直結しそうな趣味よりもうまくいくケースが多いのです。
(略)
「夜景鑑賞が趣味」というかたで、それを週末起業のテーマにして大成功した人がいます。ビジネスになるとは普通思わないでしょう。しかし(略)まず自分に「夜景評論家」という肩書きをつけ・・・夜景の楽しみ方に関する講座をカルチャースクールで開催したり、夜景の写真をインターネットで販売したり・・・ホテルからの依頼で客室から見える夜景にお墨付きを与えたり、「夜景ナビ」という・・・(略)

はい、ここでツツイ世代の89%が思い出しましたね。

俗物図鑑 (新潮文庫)

俗物図鑑 (新潮文庫)

評論家だけの風変りな“梁山泊”プロダクション出現―盗聴、横領、出歯亀、放火などタブーとされる芸ばかりに秀でている彼ら俗物センセイは、一躍、マスコミの寵児にのし上がる。しかし、彼らの奔放な活躍ぶりは、次第に世間の良識という怪物の反撃に合い、両者の壮烈な戦いが開始された…。人間の隠された悪への欲望と破壊衝動を、豊かなパロディ精神と言葉の遊びで描き出す長編小説。

だから俺はこういう風に脱線するから、まっとうなビジネスブログとしてのし上がれないんだっ。
しかしそれはおいておくと、マイナーな趣味のほうがビジネスになると。これも私流に要約すると「UFC評論家、DREAM評論家よりMARS評論家のほうがビジネスチャンスがある」ということです。たぶん。

そうだ、MARSで思い出した!この人は、あのかたの”同僚”

上の夜景評論家の話で「世の中にはこんなにたくさんのジャンルの専門家がいる」という話を著者は紹介してます。

「オールアバウトジャパン」というウェブサイトがあります。それは250ぐらいのテーマを、それぞれの専門家を自認する人たちが担当して運営されているサイトです。そこには「こんなものにまで専門家がいるのか!」と驚くぐらい、さまざまなテーマについての専門家がずらりと並んでいます。たとえば・・・(略)・・・
余談ですが、私も『起業・独立開業』という分野を担当しています。いちど参考にしてみてください。

「専門家を自認する」という書き方は謙遜か皮肉か(笑)。いや、それはどうでもいいねん。
みなさんご存知でしょう、ALL ABOUTといえば、インターネット格闘技メディアの草分け「バウトレビュー」の創始者で、しかも選手の身になるマネージメントも行っているという井田英登氏が、さまざまなスクープ・コラムを書いていたのを。ときおり、謎の相手との対談記事なんかも載っていましたね。
その、オールアバウトに載っているような人だとは。

ごめんなさい、正直わたしもこの本を紹介しながら、「つってもコンサルタントって、うさんくせーよなー」と半笑いであったのですが、なんだ井田さんとオールアバウトで肩を並べるような人、と最初にいってくれればよかったのに。母さんお茶とようかんをお出しして。
格闘技ファンの間では、それだけで信頼がグッと高まりましたよ。だよね?

この本では税金のことにも一章を割いている。

・「オバケは出てから心配しよう」
・「雑所得か、事業所得か」
・「会社にばれない確定申告のしかた」
・「会社を作るか個人事業か」
などについて、つまり前回リンク先の話について、一通り語っている。


まあそんなわけで、本気で副業立ち上げるぞ、という人にも、想像やシミュレーションで新ビジネスとか新しい社会の形を考えれば満足、という人にも結構面白い本でした。

最後に「超税金対策殺人事件」を。

ずっと売れなかったが、昨年ブレイクしたある推理作家が、今年取られる税金のことを知って顔面蒼白。友人の税理士に相談すると「必要経費が認められれば安くなる。だがその経費が小説に反映されていないと駄目だぜ」。

そこで推理作家は連載中のミステリー小説の路線を変更、ハワイ旅行と草津旅行とゴルフと、コートとスーツと骨董と、カラオケ機と風呂場改築を盛り込んだストーリーにすることになり・・・という抱腹絶倒の小説。
筒井康隆のギャグテイストはこういう作家に受け継がれていたんだね。涙と感動ものだけでなく、これこそドラマ化すべきだろうに(笑)。
この短編集の一本。

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)