知る人ぞ知る問題として古くから知られていた、藤田幸久議員の911事件に関すつる発言。
- 作者: 藤田幸久,デヴィッド・レイ・グリフィン,きくちゆみ,童子丸開,千早
- 出版社/メーカー: クラブハウス
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010031000677
個人的な興味としては、これが週刊金曜日と週刊朝日に飛び火するかって話だけど(笑)、それはそれとして、せっかくの機会だから、「ワシントンポスト」の「社説」に関する基礎知識を、文章の再掲載の形で紹介したい。
ワシントンポストは以前、外務大臣時代の麻生太郎を名指しで批判する社説を掲載したことがあった。
そのときに書いた文章なんです。
■ニューヨークタイムズをめぐる攻防(「戦争広告代理店」より。前日から続く)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060216#p4
前日付の記事に続き、この前のニューヨーク・タイムズが出した、麻生太郎外相を批判する社説についてもう少し続ける。まずは同紙の社説は、その正否や事実確認とは別に、出ること自体が「パワー」であり、そのパワーを得るために、みんなが猛烈に動いているということを是非この機会に知って欲しいのだ。
何度も耳にたこができるほど「10年に一度の傑作」と言い続けてきた高木徹のノンフィクション「戦争広告代理店」から今一度引用する。
ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)
- 作者: 高木徹
- 出版社/メーカー: 講談社
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ハーフが「民族浄化」を広めるため狙いをつけたもう一つのターゲットが、大新聞の「論説委員会議」だった。「ニューヨーク・タイムス」や「ワシントン・ポスト」など、アメリカの主要新聞は「論説委員会議」という情報収集のシステムを持っている。論説委員がニュースの主役を呼び、直接話を聞くという会合だ。そこで得た情報を参考にして社説を書くためである。
アメリカの新聞では現地で取材し記事を書く記者と、社説を書く論説委員は完全に区別されている(註:このくだりを自分も忘れていたが、だとすると今回のNYT社説がNorimitsu Onishi=大西哲光特派員(の直接執筆)によるという一部ネットの説はやはり考えにくい。その「影響」だ、という比喩の意味で言ってるのかもしれないが)。
ハーフは論説委員に直接働きかけるため、この「論説委員会議」にシライジッチを出席させることを考えた。
「論説委員会議に狙いをつけるというのは、私たちのようなワシントンの住人にとっては当たり前の初級テクニックにすぎません。(略)」
ハーフは、記録に残っているだけでも。「ニューヨーク・タイムス」「ワシントン・ポスト」「ウォールストリート・カーなる」という、最も影響力の強い3つの新聞で計7回、シライジッチを論説委員会議に出席させた。(略)会議の模様は各紙とも、最高機密に属する事項だ・・・もちろん聞くほうの論説委員もジャーナリズムの経験豊かであって、会って話せば思い通りの社説が出る、ということもない。ある程度の論理、説得力を必要とするし、活動すれば麻生外相を褒める社説が出るかは微妙だ。
ただし、この前の毎日新聞の特集企画で、アメリカでのアジア諸国の宣伝合戦の状態が報道されたのだが「トップは台湾、つぎは中国。日本はそもそも姿が全く見えないので順位外」といわれていた。
今回の社説に働きかけがあったという話ではない(そもそも上に書いたように最高機密。ボスニアの活動が分かるのは、広告代理店側から取材できた高木氏の取材力のたまものだ)が、一般論として、これだけ米主要紙の社説というものが、陣取り合戦の場になっているという現状を、どれだけ認識しているのか。
それは、今後の多くの問題も左右していく。
上の紹介文の内容と、一部矛盾する報道もあった。
そんな折「社説を直接執筆した人に聞いたよ」という記事が(産経新聞・古森義久記事)
社説を書いた人の特定って難しいのに、よくできたな。
このへんはやはり、古森氏なりの人脈の深さがわかる、彼は「・・・について・・・が語った」という記事を書くのが好きだしね。その人にめったに聞けなければ、それ自体がスクープなんだ。kamiproが石井慧やミルコ・クロコップのインタビュー記事に関して、そういうことを語ったことがあったっけ。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100310/amr1003102250007-n1.htm
・・・藤田議員に取材したワシントン・ポストの論説委員は産経新聞の取材に対し、「社説は自分が執筆したが、社説は文字どおり新聞社としての意見であり、筆者名は出さないのが慣例だ」と述べたうえで、まず8日付の藤田議員批判の社説には歪曲や誤認はなく、訂正の必要はなにもない−と強調した。
同社説は藤田議員による同紙の記者らとの最近のインタビューでの発言・・・(略)・・・論説委員は同社説に間違いはなく、藤田議員の主張がおかしいと述べ、その根拠として(1)自身が東京で3月はじめに藤田議員にインタビューした際、9・11テロについて述べた同議員の発言(2)藤田議員が出版した本での主張(3)藤田議員のインターネットなどでの主張−をあげた。
同論説委員は一般記事も書き、日本には2月後半から3月はじめにかけて滞在し、各方面を取材した。藤田議員の9・11テロ「真相」発言については、まず最初にそれを一般記事として報じるという通常の手順をはぶいて、最初から社説で取り上げたという。
古森記事が正しいなら、ワシントンポストには、一般記事も書き社説もかけるという立場の記者がいる、ということんあり、「戦争広告代理店」で引用した記述とは一部矛盾する。
同署は2002年に出版されており、時間が経って新聞の編集体制も変わってきているのかもしれない。
「911陰謀説」と佐高信氏が一蓮托生になりますなぁ、という話は
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090617#p4
の後半部分に書いてあります。今後が楽しみ。
参考
『週刊 金曜日』と9.11陰謀説
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/kyb.html