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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

スターバックスは「リベラルの象徴」なので、敢えて銃持参で同店に入る保守派運動が。UFCも含めて興味深い

上の「中国アバター」の記事が無いかとNWの公式サイトにいったが、その記事は無かったものの代わりに面白い記事を発見。
http://newsweekjapan.jp/stories/us/2010/03/post-1057.php

「銃を持ってスタバに行こう」の波紋
Starbucks Responds to Silly Gun Debate
「リベラルの巣窟」というイメージが祟って、銃を持ち歩きたい保守派の示威の場に
2010年03月04日(木)16時34分 ダン・ミッチェル



 スターバックスには気の毒と言うほかない。アメリカの銃権利擁護派と反対派が、スターバックスの店舗を舞台にいかれたイデオロギー戦争に突入したのだ。

 銃権利擁護派は、たとえ私企業の所有地であっても大っぴらに銃を持ち歩く権利が彼らにはあるという狂った理論を、スタバで証明してみようと思い立った。当然ながら彼らにそんな権利はない。スターバックスには、銃権利派だけでなく他の誰をも店に入れない権利がある。だが実際には、人に見えるように銃を携帯することが法律で認められている州では、大っぴらな持ち込みも認めている。

 スターバックスが標的に選ばれたのは偶然ではない。保守系の草の根ネットワーク「ティーパーティー」のメンバーやそれに類する人々にとっては、スターバックスこそアメリカのリベラルの象徴であり「ラテをすするエリート主義者ども」の巣窟だからだ。
(略)
 銃規制派は、おそらく使命感に駆られてこの騒ぎに参戦し、銃をひけらかすならず者たちを店に入れないようスターバックスに要求した。
(略)
 スターバックスは今後も、それが違法でない州では銃の持ち込みを認める方針。「もし我が社が、人に見える形での銃の携帯を認める法律と異なるルールを採用すれば、パートナー(店員)は違法行為を犯したわけでもない顧客に店から出て行ってもらわなければならなくなる。それは不公平であると同時に、店員が危険な立場に置かれる可能性もある」と、スターバックスは書面で発表した。

 銃規制をめぐって争う両当事者に対しては切実にこう訴えた。「スターバックスや店員たちをこんな危ない対立に巻き込むのはやめてほしい」

*The Big Money特約
http://www.thebigmoney.com/


まず個人的に面白いのは
「私企業・お店は、自らの権限・権利としてある種の客を断ることができる」のは当然として、ではその理由として認められる範囲はどこまでなのか?ということである。
銃はふつうに危険性が増すし、外そうと思えば外せるから「銃もちこみはお断り」は合理的とされるんだろうな。ただ、州法でOKな場合に私的な、店の権限のおよぶ空間で持ち込みを許すか許さないか。このへんを突き詰めるとなかなか難しいことにもなりそう。


あとひとつは、アメリカにおける「ライフスタイルと左右対立の相関」であります。
2004年のブッシュ再選時に日本でも報道がピークだったと思うが、アメリカの”左右対立”には大きく「ライフスタイルの差異」が重なっていて、当時、自分は
クアーズビールとバーベキューのアメリカ」(南部保守派)

「スシとワインのアメリカ」(東部リベラル)
なんて言葉を覚えているのである。

で、その報道の中では、やっぱりスターバックスが”リベラル的なもの”であるというのもあったよなあ。
今回、記事では

 これはもちろん、たわ言に過ぎない。むしろ、スターバックスほど中流階級的なものはない。もしティーパーティーのメンバーがわずかでも理解力をもっていれば、多くの「進歩派」も、中流階級的なスターバックスを現状維持の象徴として嫌悪していることに気づいただろう。

ちょっと無理筋な議論っぽい気がするなぁ(笑)。
もっともこのブログ読者には長期の訪米・滞米経験者を何人か確認している。彼らの体験的な「米国のスタバには、リベラルっぽいイメージがあるか?」という報告も待とう。


日本では・・・まだ幸か不幸か「右・左」がライフスタイルや食うものの違いに直結しているというイメージはまだ無いかな(本や新聞はともかく)。

なぜ注目しているかというと、UFCの動向にも当然影響するからよ。

上の話だと、やっぱり「クアーズビール・・・じゃないよバドワイザーだよ!!(スポンサーの都合)とバーベキューのアメリカ」にUFCの支持層がいて、スシとワインの東部リベラルの牙城・ニューヨークでまだ禁止されてる、と単純に考えれば都合がいいのかと思っていたが・・・
例の、昨日取り上げた

で、最新の「UFCアメリカ社会」の話題がコラムになっている( http://d.hatena.ne.jp/aohoshi/ の高橋ターヤンさんがメインで執筆 )のだが、よりいっそう複雑化しているきらいも無くはない。

75Pに出ている、保守強硬派(とも単純にはいいがたいが)なのにUFCをふくめたMMAが大嫌いのビル・オライリーおよび「オライリー・ファクター」については以前
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060829#p1
にも書いたので興味のある人はどうぞ。

おっと、メインで書いた銃とアメリカと左右対立について補足、これに関してはけっこう本を読んだつもりですが、その中で自分がナンバーワンに推すのが、

銃に恋して 武装するアメリカ市民 (集英社新書)

銃に恋して 武装するアメリカ市民 (集英社新書)


これに関する話題は2004年のブッシュ再選、またそれに先立っての「ボウリング・フォー・コロンバイン」公開時が日本でのピークだったと思うけど、この本は昨年出版されて、まだトピック的には新しい情報が盛り込まれていることも大きい。
内容を紹介する時間が無いのが残念、あとで解説を書いてみるかもしれません。



※コメント欄を参考に、続編を書きました
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100310#p4