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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

アカデミー作品賞を惜しくも逃した「アバター」に盗作疑惑が浮上?(NEWSWEEK)

http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2706886/5460228

【3月8日 AFP】大ヒット3D映画『アバターAvatar)』について、自分の作品の盗作だとしてジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督を訴えた中国人作家に対し、北京(Beijing)市第一中級人民法院(地裁)は、証拠が不十分だとして訴えを退けた。国営英字紙・環球時報(Global Times)が報じた

という判決がつい最近あったようだが、こっちの話ではない。1週か2週前のニューズウィーク日本語版にあった「中国のアバター人気」、に関する話である。同国ではアバターが空前の大ヒットを記録し、何かが中国政府の気に入らなかったのか公開を強制的にいったんは終了させられそうになった上、国策映画のような、政府一押しの「孔子」という映画が変わって上映されたが、ものすごいブーイングが発生して、あわてて公開が再開されたとか。

で、そのことを伝える記事の中で、中国政府がこの映画にいい顔をしなかった背景の推測として、ある一人の中国人のネットの書き込みを紹介している。

「中国政府は、この映画を盗作で訴えるべきだ。なぜならこの映画に出てくる、資源のために辺境を無理に開発し、少数民族を圧迫しようとするという設定は、中国の現実を盗作しているからだ」

とのこと。

これは単なるネットジョーク以上でも以下でもないが、ただ、直接的ではなくSF的、寓話的な形でなら体制批判的なテイストがあっても許容されるぐらいに中国に余裕が出ている、ということ。これは以前紹介した「中国でも銀英伝が大人気」というエントリにも通じている。中華民族の血をひく軍人が、中央政府が腐敗無能であっても、最後の最後まで「民主主義の理想」のために命がけで戦うお話が、中国でも愛されているという皮肉(笑)。

■なんと銀英伝が、中国で(発禁もされず)翻訳出版されてた・・・と、あの福島香織が報告(2007年の文章)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100215#p3

これが、いずれ書きたいと思ってまだ書いていない「チャイナ・イーグル作戦」につながるのだが、またそれは別の話で。