福島瑞穂大臣「朝鮮戦争の責任」について答弁を拒否。名著「悪魔祓いの戦後史」がいまだに意味を持つ理由はここにある。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100305/plc1003051245020-n1.htm
記録として残しておきたい。
2010.3.5 12:42
(略)・・・「ヒゲの隊長」として知られる元陸上自衛隊イラク派遣部隊初代隊長の佐藤正久氏(自民党)が・・・(略)・・・、社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相に朝鮮戦争が北朝鮮による侵略かどうかを質問した。ただ、福島氏は「日本の閣僚の一人であり、朝鮮戦争について見解を言う立場にない。ある国とある国の歴史的な事実関係については差し控えたい」と事実上、答弁を拒否した。
こんなんで答弁しないことを認めてもらえるんかしらね。
というか、これは委員長が答弁を強制するべきだと思うのだが。ただ歴史の解釈・・・特に北朝鮮について聞かれても答えなかった、という前例は村山富市首相がすでに行っている。核開発問題が最初に盛り上がり、先代・金日成が死んだ1994年。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/130/0001/13007210001003a.html
第130回国会 本会議 第3号
平成六年七月二十一日(木曜日)
(質問者)・・・・村山総理を党首とする社会党は、これまで朝鮮労働党と極めて親密な関係を持ち、韓国とは日韓条約調印に党を挙げて反対運動を展開するなど、北に一方的に偏した態度をとってきたことは周知のとおりであります。
そこで伺います。(略)亡くなられた金日成主席については、内外からさまざまな歴史的評価があり、サミット諸国では弔意を表さない国が相次いでおりますが、総理としてはどのような立場でおられるのか。金日成体制の歴史的評価をあなたはどう考えておられるのか。
===============
(村山首相答弁)金日成主席の死去についての弔意及び金日成体制に対する歴史的評価に関する御質問がございました。
政府としては、儀礼上の観点から、九日、官房長官談話として哀悼の意をあらわしたところでございます。しかし、金日成体制に対する歴史的評価につきましては、今後、朝鮮半島の人々の判断にゆだねられるものであり、私としての評価を述べることは差し控えたいと存じます。
この答弁、けっこう知られていないので資料として。
わたしは、世代として、北朝鮮(および朝鮮総連)に関する言論が封殺されてきた時代を知っている。
まったく事実に反するプロパガンダが垂れ流されてきたことを知っている。
日本のいわゆる「進歩的」陣営は、結局この負の遺産によって大いに苦しんだ。
そして福島大臣のように、世代が替わって、あまりにあからさまな北朝鮮礼賛には直接携わらない(※福島氏も多少、その種の発言は無いではないが)人たちが登場しても、ちゃあんと今回のようにそういう遺産だけは受け継いでいる(笑)
だからこそ、今では爆笑、失笑、そして激怒ものの「進歩的文化人」の発言をコツコツと古い資料から見つけて、採録した
「悪魔祓い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任 (文春文庫)
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デビッド・ハルバースタムの最後の著書は、朝鮮戦争の本だった。
晩年まで旺盛な取材と執筆をしていたハルバースタムは昨年、現役のまま取材中の交通事故で亡くなった。
この、ジャーナリズムの巨人の最後の著書は
「ザ・コールデスト・ウインター(もっとも寒い冬)」。
もちろん第二次大戦のノルマンディ上陸作戦が「もっとも長い1日(ザ・ロンゲスト・デイ)」と呼ばれたことを踏まえているのだろう。
この遺著に、版元の文芸春秋がつけた惹句があまりにすばらしいので紹介したい。以前撮影しておいた。
「すべては歴史の前にひれふす」。
独裁者も大統領も将軍も そして凍土に消えた名もなき兵士たちも
The Glory and The Unkowns
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