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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

上の話を受けて NHKスペシャル「チャイナパワー 巨龍アフリカを駆ける」…これは2009年の「坂の上の雲」なのか?

ちょうど「坂の上の雲」が終わると、ニュースを挟んでこの番組が放送された。

エチオピア一国全土の携帯電話網を、中国のZTE社だっけ?そこが一社で引き受け、現在猛烈な勢いで中継網の鉄塔を建てていると。それがくしくも前に放送したドラマの「まことにちいさな国が、開化期を迎えようとしている・・・」というOPにだぶった。エチオピアも中国も。
それが大規模戦争ではなく経済競争になっているのは、多少人間も進歩したのか。


私はつねづね、日本の先端技術や輸出は、わたしたちがそれなりに美味しいものをたべて暖かいものを着ているという「日本の豊かさ」に直結していると思うから満腔の敬意を技術者や海外商人に払っているし、応援しているが、まさに直接役立てないので応援するだけだ(笑)。だから、企業の海外ビジネス進出競争も頑張れニッポン、外国に負けるな・・・とは思う。だが今回の番組、その外国勢もなるほど強豪だ、と強いライバルチームのレポートを見るような感覚でしたよ。


中国と仕事をした人が「あちらの仕事はズサンだ」と嘆くという話も耳にしないでは無いが、結局仕事の丁寧さもコストやスピードとの兼ね合いであろうし、丁寧な会社は丁寧で、今後は競争によって淘汰されて行くのだろう。

また、映像でみるとアフリカの道なき道(本当に悪路だ!)を走り、鉄塔用の鉄骨を運び、土台を固めて、現地の人に指示して組み立てて、足りないワイヤーを空輸して、受信機を設置する・・・ひとつひとつがチャレンジで、また一人一人のビジネスマンの経験値になっていくのだろう。そういう点でおそるべしです。

また、携帯電話ができたエチオピアの村も、おらが村にカータイがやってきた!と太鼓をどんどこ打ち鳴らすさまは本当に嬉しそうだった。村長は携帯をZTE社からプレゼントされていたが、たとえば課金システムや充電とかメンテは十分だろうか?とかも気になるし、かつてトルコやインドの皇帝・貴族がそうだったように、特権階級のものめずらしい贅沢なおもちゃにとどまるのではないか?携帯の前にもっと整備すべきインフラがあるのでは?という不安もあるのだが、実際のところ電話の無い村に、村長さんのところにひとつ、だけであっても衛生・治安・商売、政治すべてに効果をあげ、生産効率を高めていくだろう。
ノーベル平和賞を得たグラミン銀行のグラミンが「グラミンフォン」をはじめたって話もあったね。
エチオピアの政府がどれほど、民主的にやっていくかということもあるが、それを問うのも適当ではないだろう。
結局は普通のひとの暮らしが底上げされていけば、それに越したことは無い。
またこのムラの村長も、実は秋山兄弟並みの傑物であり、こういうITで広くコミュニケーションを取れることで、世に出て行くかもしれない。

ただ、こうやって最初のハイテク機器としてZTE社の携帯をもったエチオピアの子どもたちは「ITといえばチャイナ!」というイメージが刷り込まれるだろうな。思うにITってどんどん進めていくと「普通の日常生活に必要な機能の生産技術は、どこでもできるような簡単なものになってく、広がっていくよ」という傾向がある気がする。そこで日本が太刀打ちできるかってのは相当しんどい問題だ。
ぜんぶ外野から、応援団としていうだけだけどね。
とりあえずスパコンには予算を付けろ、と応援席からは言うのみ。

ITといえば、携帯電話をつくるのってもっともっと安く簡単にできないかなあ。

一人一人の個別の電話に電波をび−ーーーって流して(イメージ)、おはなしさせるのだからそりゃある程度の設備は必要だし、一軒一軒電話線をひくよりよっぽど楽になったでしょ?ってのもわかるが、さらにもう一歩進歩することはないのかな。
上空に気球が遊覧して、そこだけでまかなえるとか、一番高い山にひとつだけ設置すればOKになるとかさ。
そういえば、大地震発生時、特定のエリアに電話が殺到しても対応できる技術を開発中、とかいう話があったはずだがどうなったのかな。