INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」はじまる・・・その後の「NHKスペシャル」も

そういうわけで、亀田内藤をおいといて見た。
わたしは実のところドラマや映画で、それを演じる「俳優」には比較的興味が無いほうだ。だから知識も無いのだが、秋山兄弟を演じる阿部博と本木雅弘はそりゃ知っている。両方とも、いい俳優だなあと思いました。伊東四朗とか西田敏行とか、はては蛭子さんまで(笑)、ひとくせある怪優もところどころに配置した。
また、金もかかっているんだろうなあと思わせるセットやCGも見事でした。「NHKが本気を出した!」「出せばここまでやる・・・天地人と違って」という論評もあった(http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/
そういう点では、何試合に1回ぐらいの割合で五味隆典が見せる爆発にも似ている(笑)



ただ、それ以上にこのドラマが嬉しいのは、司馬遼太郎の文明論、余談、わき道、人物批評、つぶやき・・・などが集まった「地の文」を、かなりの部分でナレーションとしてそのまま使ったこと。司馬原作が、大河ドラマの中であまりいい視聴率を得ていなかったのは、結局ここを再現するのにためらいがあったからだと思う。
いろいろ工夫してシナリオに落とすより「ええい、常識ハズレだけどこのままやっちまえ!」とナレーションであの独特の文章を処理したのがえらかった。やってみればどうという弊害もなく、映像に違和感無く溶け込んでいましたよ。
基本的にはこの調子でいって欲しいが、大河ドラマのもうひとつの悪習である「無理やり、原作に無い女性キャラクターをねじ込む」は辞めろとは言えないだろうが、できるかぎり少なくしてほしい。「翔ぶが如く」はそれで見なくなった。

見逃した人は「NHKオンライン」で

中国、韓国の反応は?たぶんこの後は怒られるだらうな。

実は韓国にも相当、司馬遼太郎ファンはいる。というか初の民選大統領・盧泰愚は超のつく愛読者で、自分が軍人としてやったクーデター体制やのちの民主改革に、司馬の幕末ものを重ね合わせたともいう(笑)対談もやったことがある。
さらにいうとあちらでは「文芸春秋」を読んでいるというのは日本で「ニューヨークタイムズ」を読んでいるというようなステータスであり、書店での購入者は袋に入れるのを大抵はことわり、これ見よがしに持ち歩く、ともいう・・・(ただ80年代の話であり、今は旧日本語世代も退場したから多少は影響力は落ちているだろう)

で、韓国南部では直接、リアルタイムで見ているし、中国にもなんらかの形で動画がこれから行くはず。
たぶん「NHKオンライン」も見られるでしょうし。
んで、たぶん話が日清・日露戦争のところに来たら、それが原作どおりだったとしても、両国からネガティブコメントが寄せられるのは必至だと思う(笑)。まあ清国艦隊の丁汝昌提督が傑物なので、かれを英雄的に書けば少しは風除けになるでしょうが。
NHKは実際のところ、この種の批判は逆方向からのものより弱いのは間違いない。
ただ、「外事警察」みたいなテーマだって昔だったら敬遠しただろうし、NHKもこれをやるときは覚悟を決めただろう。
過剰反応する必要は無いが(まあ予想してこういうブログを書くこと自体が過剰反応だけどな(笑))、もしそういう批判の声があがっても、お話はうけたまわりましたぐらいで。

NHKスペシャルの話は別エントリにします