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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

すっごく面白そうな小劇場映画2本。「ロフト.」と「ザ・ウェイブ」(ザ・ウェイヴ)

「ロフト.」

http://news.livedoor.com/article/detail/4462627/

六本木ヒルズ押尾学事件にそっくりな映画『ロフト.』が本日(20日)より公開!


先日、麻薬取締法違反にて懲役1年6ヶ月、執行猶予5年の有罪が確定した押尾学被告(31)。その押尾被告の事件を彷彿とさせるような映画が、本日より東京、シネマ・アンジェリカにて公開された。

 その映画の名は『ロフト.』・・・・・・

<ストーリー>
 新築されたビルのロフトルームを持つ建築デザイナーが友人たちに声をかけ、5人でこの部屋を共有することとなった。使用目的はもちろん情事の部屋として。妻に内緒で不倫に精を出す男たち。だがそれは脆くも崩れてしまう。ある朝、ベッドに手錠でつながれた血まみれの女の死体が発見された。この女は誰だ? 犯人はこの部屋の特殊な鍵を持っている5人のうちの誰か。お互いのアリバイを聞き出しながらも疑心暗鬼になっていく彼らに、やがてあることが浮かびあがっていく。

自分好きなのは、こういう「限定されたゲームのルール」がかっちり決まっているような話、というのは前にも書いたっけ。

そしてあと一本は、題名だけでぴんときた。あれが映画になったのか!

ザ・ウェイブ

http://hamchu.exblog.jp/6710202/

ハイスクールの歴史の授業で実際におこった、不気味な事件。少女ローリーは、おそろしい集団的圧力が化けものになって学校中を席捲してしまうまえに、どうしてもそれを阻まなければならなかった。自ら授業をはじめた教師ロスの苦悩は…

1969年にアメリカの高校で実際に起こった事件を小説化したのがモートン・ルー(トッド・ストラッサー)の「ザ・ウェーブ」(81年に米でドラマ化)
そして、このストーリーを独で映画化したのが今回上映される「Die Welle」ということでいいのかな・・・

これは、自分は「擬似イベント」ものの一種と位置づけているが、それともちょっと違うんだよな。
これに関してぴったりくるジャンルの位置づけってないかな。
あえて試みると、
自分が好きなのは「権力」「権威」「人気」「流言蜚語」「暴動」「世論」「渋滞」・・・とかいう、本来は自然発生的なものであろうあれこれを、形のあるものとして捉え、人為的に操作していくというジャンルというか、テーマというか。

いま、自分の中で「ザ・ウェイブ」と同じジャンルに位置づけているのは
「48億の妄想」
野ブタ。をプロデュース
破線のマリス
1984年」
「ワグ・ザ・ドッグ」
「23分間の奇跡」
「怪物がめざめる夜」
「デマ」(筒井康隆
「公共考査機構」
・・・・・・・・・・・・・まだまだあったような気がするが、もう少し考えよう。


上の紹介などは、ストーリーには敢えてあまり触れてないようなので、もう少し詳しい原作の紹介を。どっぷり引き写すのも悪いので、要所要所を略させてもらった。
http://goonsh.ddo.jp/fg/2004/05/11/morton-rhue-the-wave

 ハイスクールのロスは型破りの歴史教師.できる限り生徒たちに歴史の生きた姿を伝えるのが特徴.政治制度ではクラスを政党に分け,裁判では被告,検事,弁護士,陪審員を生徒たちに割り当てて演じてもらう.ある日ロスが生徒たちに見せたのは,ナチス・ドイツの残虐行為を描いたドキュメンタリー映画.映画が終わって呆然としている生徒たちから上がる質問.


「どうして (ドイツ人の) だれもかれら (ナチス) を阻止しなかったのですか?」
「たったひとにぎりのナチスがこわくて,見なかったとか聞かなかったとか,ぼくだったらそんなことはさせないよ」
「逃げだせばよかったのよ.たたかえばよかったんだわ」


 納得できない生徒たちと,彼らにうまく返答できなかった自分に対してロスが思い付いたのは「ナチス・ドイツでの生活の一端を再現して体験させる」ことだった。

最初は「規律をとおして力を」.次に教えたのは「共同体をとおして力を」.
ロスはこの二つをモットーとして生徒たちに唱和させる.旗印としてマークを与え,敬礼という身体動作も与えた.「共同体」には「ザ・ウェーブ」と命名した.クラス全員が大声でモットーを叫び,敬礼動作を繰り返す.劣等生でクラス中からつまはじきだったロバートの眼が活き活きと輝きはじめる……

3 回目の授業でロスは生徒たちにカードを配る.カードは「ザ・ウェーブ」の運動員証.裏に赤で X が印字され・・・・

なかなか面白そうでしょう。ファシズムを風刺化、図式を簡単にするためにスケールを小さくして再現するというのはいくつか類例があるが。でも、もうアメリカではTVドラマになっているんですね。そっちも見てみたいものだが、CSとかBSでやらないかな。
たしか本では「ザ・ウェーブ」という表記だったはず。

ザ・ウェーブ

ザ・ウェーブ

な、ナンダァ?(原田久仁信風)
この本の表紙が、ライトノベル風になってるじゃんか!確かにヤングアダルト(死語)層にこそ読んで欲しい本ではあるが。
でも、すげえや。このラノベ表紙を選択したのは勇断ですよ。


映像化といえば上にあげた、ジャンルの類似品の中で
「23分間の奇跡」というのが同じく一教室を舞台にしているのだが、これはたまたま見た「世にも奇妙な物語」で映像化されていた。そのチョイスはすごいや、と感心したものだ。

23分間の奇跡 (集英社文庫)

23分間の奇跡 (集英社文庫)

はまぞう」を検索したら、これも一緒に紹介された。ナイスチョイスなのであわせて。

茶色の朝

茶色の朝