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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

唐沢なをきが「マンガノゲンバ」の誘導取材に激怒&「ヌイグルメン!」はすごく面白い

ヌイグルメン!はてなキーワードがないとは、はてな住民も怠慢すぐる。今つくっといたよ。
で、この取材事件は私は「唐沢俊一検証ブログ」で読んで(言うまでも無いが、なをき氏は俊一氏の実弟である)、なおき氏は「からまんブログ」というブログを持っていることも知った。
さすがに唐沢俊一に関係ないことを2日連続でTBするのもどうかなので、とりあえず左のアンテナから唐沢俊一検証blogを見ていただきたい。あきれることに、毎日のように更新しているので上にあるはずだ(俺が言うかね)。

そこから飛んでいる唐沢夫妻の公式ブログは
http://blog.nawosan.com/


マンガノゲンバ」は毎週面白く拝見しているし、コマ+声優の台詞というのも面白いコンテンツとして消費している。これで存在を知ったすばらしい作品も多い(特に少女漫画系は情報が無いからねぇ)。今回も「ヌイグルメン」に目をつけた、その選択眼はたいしたものだったのだが・・・。

逆にひとつの漫画でこういう経緯を知ると、これまで登場してきた数々の漫画家のシーンや台詞も「ディレクターが考えた台詞を言わされてたんじゃねーの?」「漫画ではかっこいいこと言ってるけど、こいつはディレクターの指示に唯々諾々と従ったヘタレなんだろうな」という目で見るようになっちゃうな。そういう被害も大きい。
けしからん話だよ。

この話、「ディレクター、製作側が意図的に当初の構図で作ろうとするドキュメンタリー」
という視点でも
「被取材者が取材者に対して、ネットで自分の言い分を主張して反撃する”フラット革命”の一環」
という視点でも面白いのだが、
そっちを論じるのは他に任せて、ヌイグルメン!という作品がいかに面白いかという、肝心の部分を語りたいデス。
【補足】「NHKは番組制作で、自分の思い込み通りの画を現場に押し付ける」問題では
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/09/nhk-bspd-bace.html
がまとまっているのでご覧ください。



ヌイグルメン!は実はパイロット版とでもいうべき作品があり、イブニングでこの作品が掲載される前に載っていた「がんばれ!みどりちゃん」という、保育園児が主人公の作品で、主人公のみどりちゃんたちが見に行く映画、つまり劇中劇として登場しているのだ。


低予算特撮番組の「露骨なタイアップ」をギャグにした笑いでありました。

がんばれ みどりちゃん(3) <完> (KCデラックス)

がんばれ みどりちゃん(3) <完> (KCデラックス)


ただ、本編がはじまると、唐沢なをき流というもので、なんか主人公はぬいぐるみスーツに入ると締め付けられるような感覚が気持ちいい、というなんか変態じみた習性が付けられ、その他いろいろと品格的にはどうよ、というギャグが入ってきた(笑)。


それでも、長年の特撮ファンで「怪獣王」(文章の本です)や「ウルトラファイト番外地」(漫画)などさまざまな良作を出している同氏。

最近、ヌイグルメン!には博士役で昭和の映画・特撮番組に何度も出ているベテラン俳優の新キャラ(ベラ・ルゴシ天本英世を足したような味わい)が登場したが、そのキャラクターはいかにも昭和らしく?主人公たちが「俺、XXXって番組の大ファンでした」「ああ、あの時は競演した女優のXXちゃんとやったなあ」「XXXXにも出てましたよね」「あれはXXさんと寝た時の作品だったな」と、共演した女優との浮気だけで作品を覚えている、という(笑)。
地獄大使潮健児氏もかなりの艶福家だったというから、そういう流れも入っているだろう。

そういうところが特撮ファンには嬉しいのだね。
あと、「絵づくりで高いところに無理やり上ったけど何の安全策も無い」とか「途中、雨がふってきたのに予算や日程の都合で撮影を強行、場面がつながらなくなる」といったいかにもなエピソードもちりばめられている。

怪獣王

怪獣王

ウルトラファイト番外地 (単行本コミックス―KADOKAWA COMICS特撮A)

ウルトラファイト番外地 (単行本コミックス―KADOKAWA COMICS特撮A)


あと、個人的な思い入れでいえば、山本夏彦的にいうところの「僕の作品だよ」ってのがあるから(笑)。
何のことか分からんだろうけど、山本夏彦は戦後まもなく「求人」と「住宅情報」だけで雑誌をつくればニーズがあるだろう、と思いつき、その話をよくしていたけど自称「ダメの人」として、それを実際には行うことはなかった(※インテリア雑誌「室内」を長年みごとに経営してきたのだから、そういう手腕は十分なのだが)。でリクルートのビルを見ると「あれは僕のビルなんだよ」と言っていたという(笑)。

つまり、頭の中でちょっと同じようなことを考えてたことをもって

勝手に「自分のもの」扱いするということを「僕のXXXX」という


で、僕も編集者とか出版プロデューサーとかそういうところに縁は無いのだが、「漫画にしたら売れそうなジャンル」として「特撮番組のバックステージものを今やったら結構受けるんじゃないか?」とは思っていた。やっぱり低予算でのでっち上げや無理なタイアップ、スポンサーの以降、昭和の老優から学ぶ演技の真髄・・・などを軸としようというのも同じ。
これは「怪獣VOW!」シリーズを読んだときからだからかなり古くからの構想だな。

怪獣VOW

怪獣VOW

それがまがりなりにも実現しているので、個人的な思い入れがあるというわけ。
ただ、「やらせるんなら北崎拓あたりを起用すればどうか」と思ってはいた(笑)。

・こういうジャンルでは本当に先駆者だったけど、結果的に失敗作に終わった(というか、特撮番組の舞台裏中心、とは言えなかった)「ヒーロー志願」を書いている

・特撮好きで、どこかに特撮コラムを書いていた(らしい)

・なんとなーく「不本意な作品を書かされているんじゃないか」とそのころ思っていた(笑)

のが理由。
北崎拓の代わりに唐沢なをき、ってどんなあれかと自分でも思うのだが、そういうわけで僕の作品でもある?「ヌイグルメン!」、NHKの妨害に負けないよう応援してください。
あと、「特撮番組のバックステージもの」にはもう一、二匹どじょうがいるような気がしますので、だれかゲームでもドラマでもライトのベルでも捕まえてください(すでにあったらごめんなさい)。
そういえばヌイグルメンでも、スーツに入るアクションアクターと、変身前を演じる素顔の俳優は親友で、成功を夢見てビンボー共同生活をしているのだが、そこにやや同性愛的傾向(素顔俳優からアクションアクターへの片思い)がまぶされている。
やおい作品のパロディという意味も大きいようなのだが、なるほどこういう部分をもしまじめに描けば、BL系の作品としても「特撮バックステージもの」は成立するかもしれない(すでにあったらごめんなさい)。


よしながふみあたりに描かせるべきか?(それしか知らん)