この前、都心で有数の大書店にいったら、新潮選書フェアってのをやってたのね。
やっぱりいいなあ、棚に飾られた本を試しに読んだり手に取ったり、平台の新刊に気づく、というのはアマゾンじゃあちょっとね。
んで、そこで目立つところにあったのが同書。
- 作者: 釈徹宗
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/01
- メディア: 単行本
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http://www.shinchosha.co.jp/book/603628/
出家、改宗、棄教――。世界に先がけて、東西の宗教を知性で解体した男。
禅僧から改宗、キリシタン全盛の時代にイエズス会の論客として活躍するも、晩年に棄教。世界に先がけて東西の宗教を解体した男は、はたして宗教の敵か、味方か? 独自の宗教性と現代スピリチュアリティとの共通点とは? はたしてハビアンは日本思想史上の重要人物か――。その生涯と思想から、日本人の宗教心の原型を探る。
いちどハビアンについては紹介した
■街でキリスト教の布教者が煩かったら、こう議論を吹っかけろ(「日本思想論争史」より)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080311#p4
子供心にいろいろキリストの教えを知り、「おいおいここ矛盾してねー?」と自分独自に考え付いた神学的疑問というのがあったのだな。
そして、それってこの本を読むと、江戸時代や戦国時代の日本人が抱いたキリスト教への疑問とそっくり同じなの。
数百年前の人と考えることが同じなのは嘆くべきか、
それとも当時一流の知識人らと同じなのだから、喜ぶべきか。
この「疑問」が、アンソロジーの一編に過ぎなかった、そのとき紹介した本とは違い詳しく解説してあるところが今回の特徴だ。
なるほどその背景はこういうことだったか、と精読すれば知識が深まりそうだ・・・と軽く立ち読みした限りでは思いました。
面白いのは、かつて山本七平も言っていたが
「ハビヤンはキリスト教を薦めるひときも批判するときも、実は同じ論法なのだ。『だからいい』『だからよくない』と結論が違うだけ」
うーん(笑)