最近のNスペはこの「マネー資本主義」シリーズも含め、あんまり見る気のしないものばかりだったが、ひさびさに紹介する気になった。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090719.html
2009年7月19日(日) 午後9時00分〜9時49分
総合テレビ
マネー資本主義 第4回 ウォール街の“モンスター”
金融工学はなぜ暴走したのか
サブプライム・ローンという「時限爆弾」を抱えた金融商品が、なぜ大量に生み出され、世界を熱狂させていったのか。今回の金融危機の陰には、金融工学という「科学的なリスク・コントロール技術」の発達と過信があった。そもそもの始まりは、人間の欲望が交差するマネー市場の値動きが、熱力学の法則と極めて近いという発見だった。核兵器や宇宙開発競争が下火になった時代、次の活躍の場を求める科学者がウォール街に流れ込み、数学理論で市場を予測しリスクをコントロールする挑戦が始まった。金融工学と呼ばれるようになったこの技術は、証券化商品やCDSといった新たな金融商品を生み出し、世界のマネーをウォール街に呼び寄せていく。しかしこの緻密な科学のアプローチにも、重大な弱点があった。それは、パニック時に人間がとる行動までは正確に計算できないこと。バブルが加速し、崩壊の兆しを見せる中で、ついにその弱点が露呈していくことになる。
最先端を走ってきた科学者たちが、ことの真相と問題の本質、そしてマネー資本主義の未来のあるべき姿について語っていく。
僕は個人的に、金融の資産運営のほうにはあんまり関心が無く「定期は普通預金より利子がオトク」ぐらいしかしらんが(笑)、「不定形でランダムだと思われていたものが、おやおや科学や数学で一定の法則が見つかるよ」というテーマのほうは大好きだ。このブログでも渋滞だ人の流れだ、自殺と報道の相関だなんてテーマを取り上げてきたですね。
NHKスペシャルだから最後に「人間の知恵なんて限られている。われわれはもっと謙虚に自然に学ばねば」なんて、最後のシーンでに教訓めいたテーマの言い訳をする怪獣映画みたいなコンセプトで描くような気がするが「マネー市場の値動きは熱力学の法則に似ている」なんてことをまじめに考えている科学者の生態を映像化してくれればありがたい。
「ギャラリーフェイク」にもそういえば、ゴッホの絵とフラクタルのことを研究していたら「フラクタル理論で株式市場も説明できる!」とか怪しげな理論にまで祭り上げられてしまい破滅する男の話がありました。