http://sports.goo.ne.jp/kakutogi/20090612-1-1.html
…決戦前は試合のブランクや右膝のケガの回復具合も心配されたが、誰もがKIDの快勝を信じて疑わなかった。というのもウォーレンはレスリングの元世界王者ながら、肝心のMMAはこの日が2戦め。KIDが得意の打撃戦に持ち込めば、打撃に慣れていないウォーレンは途中で戦意喪失すると予想されていたからだ。
だったら、なぜアップセットは起こったのか。それはウォーレンが差し合いからのテイクダウンというレスリングで培った自分の土俵にKIDを引きずり込んだからだろう。上半身だけで闘うグレコローマンスタイル出身のウォーレンにとって、四つの攻防はお手の物だった。
■“先祖返り”するウォーレンに見出した総合の原点。
2カ月前の話だ。MMAデビュー戦で勝った翌日、ウォーレンは筆者にKID戦での快挙を暗示するかのような発言を残している。
「かつて私は52試合で480という最多テイクダウンの全米高校記録を樹立した。これからはMMAのテイクダウンの価値を変えてみせる」
内容はともかく、テイクダウンの数が丹念に記録され、残されているレスリングの、いや「競技」の底力というのをちょっと感じた。