INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

世論調査の現状は(憲法記念日に際し)

憲法記念日は、この憲法や9条や自衛隊に関する世論調査が少し前か当日に発表され、その数字でああだこうだいうのが恒例だ。
で、この前、4月24日に朝日新聞が一面をつかって「世論調査とは何か」を座談会形式で特集した。
ここにちゃっかり宮崎哲弥が入っているのが世渡り上手だなあ(笑)。

これを一度くわしく要約して伝えたかったのだが、都合のいいことにこれをまとめてくれるところがあった。
高野孟の「THE JOURNAL」で「小沢一郎はやめるべきではない!」というのを主張し「世論調査はあてにならない」とするための引用なのだが(笑)、便利は便利なのでありがたく使わせてもらう。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/04/post_260.html

世論調査の怪しさ

 マスコミの「小沢辞めろ」コールの有力根拠となっているのは世論調査だが、その世論調査の怪しさについて24日付朝日が自ら検証する編集委員2人と宮崎哲弥の座談会を載せている。それによると、


▼回収率がひどく下がっていて、80年代半ばまでは80%あって当たり前だったのが、今は面接調査でも60%、RDD(コンピューターでランダムに番号を抽出する)方式の電話調査では不在だった世帯をも分母に加えた実質的な回収率は50%に満たない惨状で、これでは誤差の計算も出来ない。
RDDでは家庭用の固定電話しか対象に出来ないので、携帯しか持たない人が多い若者層の回答に隔たりが出る。
▼対象者が知らないことを突然質問することが多く、そのため質問の前に長々と説明するが、そこに誘導的な言葉が入り込む危険があり、結果を操作しうることになる。
▼あいまいな回答をした人に「重ね聞き」して無理にイエスかノーに振り分けてしまうのも一種の誘導になる。
▼質問の表現1つで対象者の心理に影響を与えることもできる。「このたび福田内閣は改造しました。あなたは福田内閣を支持しますか」と尋ねた場合と、前置きなしに「福田内閣を支持しますか」と尋ねた場合を比べると、前者の方が「改造」への評価が加わってどうしても支持率が高く出る。
▼前の質問が次の質問に影響を与える「残留効果」もある。

 ――などの問題点が指摘されている。

この、世論調査の可能性と問題点は、どちらもイデオロギーには関係なく「科学おもしろ話」「数学おもしろ話」として論じるべき性質のもので、うちも何度も取り上げている。あとで興味があったら「世論調査」なんかで日記内を検索してみて下さい。

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

毎回ですが、この古典を推薦。


プラス、最近出たこの本がとってもすばらしいのだわ。

世論調査と政治――数字はどこまで信用できるのか (講談社+α新書)

世論調査と政治――数字はどこまで信用できるのか (講談社+α新書)

二つ並べて名著として紹介したい。
そして下の本は特に、あとでいろいろ内容を紹介したい。面白い話が山ほどあるよ。