2009年4月19日(日) 午前10時〜 BS2 あなたのアンコールサンデー内
象徴天皇 素顔の記録
4月10日、天皇皇后両陛下はご結婚50年を迎えられる。日本国憲法第一条に記された「日本国と日本国民統合の象徴」である天皇。しかし、象徴天皇とはどのような存在なのか。その実像を私たちはどれだけ知っているだろうか。
即位の時から「象徴」であることを宿命づけられた、いまの天皇陛下。国民に近い皇室にしたいと、旧弊を破りライフスタイルを変えられた。これまでほとんど前例がなかった被災地への訪問に取り組み、膝をついて人々と向き合われた。そして、沖縄やサイパンなど、激戦地への「慰霊の旅」。
その歳月からは、「政治には関わらない」という大原則のもと、国民のために何をなすべきかを自問され続けた、天皇陛下の信念や葛藤が浮かび上がる。
番組では、新たに発掘された資料や証言、貴重な記録映像をもとに、両陛下の歩みをたどり、象徴天皇とは何かを考える。
一般的にはわたしの興味の外なんで、ことさら見る気もなく、本放送でもここで取り上げなかった。
だが。
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090411/1239408289
……ウヨサヨがお好きな「天皇」というのはさておき、普通に公務をされているリベラルな中産階級の爺さん婆さんの金婚式に至る日々という感じが最高によかったですよ。中産階級なわけはなかろうにというのもあるかもしれないが、その慎ましさはそれだった。
(略)
天皇であることには、まあ、公務だしなというくらいに割り切って私は見ていたのだが、いやこの公務はただ事ではない。明仁陛下と美智子皇后の静かな決意が芯にある。率直に言うと、私はそういう芯はもつべきではないと思っている。さらさらと形式的な公務をこなして、プライバシーは誰も知らないでよいと思う。が、そうではなかった。そしてその芯の強さに、感銘もしたが、恐怖も感じた。こういうといけないが、これこそが天皇というものの怖さなのだ。
(略)
私はなんと言っていいかわからない。ここには、そこいらの頭でっかちの右翼だの左翼だのが見えないものがある。それでいて農協のおばさんはきちんと見えている。山本七平が生涯をかけて戦ったものが、まだそこにある。単純に忌むべき敵ではないが、これをどうしたらいいのか私には皆目わからない。山本もそう思ったのだろうというのがよくわかる。
(略)
わたしはこの前、タイ王国のことを紹介したとき、このエントリのことを念頭においていた。