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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

無神論者が「神はいない」とわざわざ広告。

この雨のイラク地方選挙はほぼ混乱がなく、首相の基盤を強化する与党と、脱宗教的な世俗派が伸張した。
これはオバマの成果おはいえないだろうけど、彼にとって幸運、強運がまずはめぐってきたと思われる。


でまあ、中東の世俗派と無神論者をいっしょにしちゃいかんけど、以前読んだエントリーで非常に印象に残った話があった。当時はかけなかったんだけど。


■[ウェブ]神様は多分存在しない。心配せず人生を楽しもう
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090112#p1
からロイターを孫引き

英国の無神論者が今週、同国の公共交通機関で「神は存在せず」と通勤客らに呼び掛ける広告キャンペーンを立ち上げ、話題となっている。

 英国全土の都市で運行する800台のバスとロンドンの地下鉄の車内に貼られたポスターには、「おそらく神は存在しない。心配することを止めて人生を楽しもう」と書かれている。

 無神論推進派で作家でもあるリチャード・ドーキンス氏は、宗教に関心を持ち過ぎることが幻滅につながるということを示す手助けになればと、今回のキャンペーンを支援する理由を語った。

うちの実家近くに長年、「キリストはふたたび来て 世をさばく」とかいう黒いお札があり、子供心にブキミでした。
この無神論バスは、日本の新聞も後にとりあげた。
記事以外のコラムでこういう話がある(発信箱)
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/archive/news/20090126ddm003070166000c.html

 「たぶん神はいない。悩むのはやめて人生を楽しもう」。ロンドン名物、2階建ての赤いバスの一部車両に最近、そう大書されたステッカーが張られた。ピンク色の文章が人目を引く。
(略)
 オバマ米大統領の就任演説を聞いて、そのバス広告を思い出した。演説の中で、「無宗教者」が米国の諸宗教信徒と同列に置かれたからだ。


全文はこれ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090121-OYT1T00132.htm

我々のつぎはぎ細工の遺産は強みであって、弱みではない。我々は、キリスト教徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒ヒンズー教徒、それに神を信じない人による国家だ。我々は、あらゆる言語や文化で形作られ、地球上のあらゆる場所から集まっている。

日本流なら---三浦哲郎「とんかつ」

しかしまあ、西洋の無神論者はあまりに神が強いんで戦闘的にならなきゃいかんのだろうが、わが日本は信長・秀吉・家康のホトトギスブラザーズが比叡山焼いたり本願寺分割したりで牙を抜いたから、逆に「神がいない」と明言されるとエッとひく部分もなきにしもあらずですよ。だからこそ今回の一件も、ニュースとしても興味をもたれる部分はあるし。この前書いた「千の風になって」がお寺を揺るがす、という話も「お墓の中に死者の霊は無い」というだけではなく、「どこにでも私はいます」という部分が支持されているんじゃないだろうか。そういう部分は信じるのが日本流。


それで、つい最近しったんだが、何でも面白いことには首を突っ込む佐藤雅彦氏が最近、「教科書に載った小説」を集めた本を出した。
私も実は、教科書に載っている小説ってけっこう好きなんだね。だから書店でパラパラ読んでいたが、冒頭のこれに大爆笑、いや感心してしまったのだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/23817105.html

ポプラ社(児童青少年向け出版社)版 佐藤雅彦編『 教科書に載った小説 』
http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80004330
http://www.masahicom.com/blog/index.cgi

のトップに三浦哲郎「とんかつ」が載っています。他には松下竜一「絵本」、吉村昭「少年の夏」、安部公房良識派」など20篇くらいが掲載。


以下、うろおぼえのネタバレですのでご注意下さい。


『非常に厳しい禅寺に、わが子を送る母親が最後に旅館でとんかつを食べさせてあげる光景を主人公(旅館関係者)は見る。
その数年後、その息子は修行中に足を折って入院。母親は慌てて郷里から呼び出される。
幸い、息子のケガは大したことが無く、外での面会許可が出て、以前の旅館で会うことになる。
もう息子は、すっかり立派な禅僧なのだが、田舎の母親は宗教的無知というのか世俗主義というのか、「入門前に息子が喜んでくれたから」と同じとんかつを予約する。
この店で、お肉ですけどいいの?と主人公(旅館の関係者)は心配したが、とんかつを前に、今はりっぱに禅僧になった息子さんは恭しく、とんかつを前に合掌した(たぶん、とんかつをその後食う)』


http://www.yomiken.jp/column/column8.htm
にもちょっとあらすじ。

読んだ時に実に笑った笑った。
ここまで日本は宗教勢力の牙を抜き、飼いならしたのだ。イギリスよアメリカよ、イラクパレスチナイスラエルよ、われわれにさぁ学べ。