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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「青木真也、北岡悟のロングスパッツは滑リ止めになり卑怯だ」との議論について

今のところ一部のネット上での議論に限られているようだが、海外も含めてそれなりに盛り上がっているようだ。

これは1000レスになっているので、もうすぐ公開は終わるのだろうが、掲示板の性質から見ても非常にいい感じで議論が進んでいる。

http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/k1/1225529259/


さて、各団体はどうなっているだろうか。

http://www.paraestra.com/rule1.html

第29条【出場選手の着衣】
選手の着衣は試合中に妨げとならず、攻撃に対して防護とならないタイツ、また女子選手の上半身の着衣は攻防の妨げとならないTシャツ、レオタード等でなくてはならない。タイツの色は、赤コーナーから出場する選手は赤、青コーナーから出場する選手は青でなくてはならない。なお、模様、デザインは自由とするが、対戦者に対して不快感を与える装飾は禁じる。ま


http://www.deep2001.com/rule.html

c.主催者が事前に承認するレスリングシューズまたはそれに類するものは任意で着用出来る。レスリングシューズを着用してもしなくてもすべてのキック攻撃は反則項目以外認められる。
d.主催者が事前に承認するニ−パッドは任意で着用出来る。ニ−パッドを着用してもしなくても膝による打撃攻撃は反則項目以外認められる。
e.着衣
ア)一般に総合格闘技で着用されている体にフィットしたスパッツを着用する。
イ)上半身は裸とする。
ウ)いかなる理由においても、金属、プラスチック、研磨材等が使用されたものを着用してはならない。

http://valkyrie.livedoor.biz/archives/502362.html
(PDFのため転載はできず)
・シューズを禁止している
・「主催者は、着衣に注文をつけ替えさせる権限がある」と書いている


http://www.pancrase.co.jp/data/rules/index.html#002

競技者の競技用具は、ファウルカップ以外試合に支障を来す硬いものを使用してはならない。また、滑るもの、たるみのあるものなどは着用してはならない。
(略)
# 競技用具及びすべての部位へのテーピング、バンテージ、サポーター類に関しては、パンクラスが指定するレフェリーチェックの際に公認リングドクターまたは公認レフェリーのチェックが必要となる。
# 指定競技用具(マウスピース、ファウルカップ、タイツ、オープンフィンガーグローブ、ニーパッド、アンクルサポーター、レガース、シューズ)以外の着用、または規格外の競技用具の使用は、パンクラスの許可と対戦相手の承認が必要となる。
# 競技者は、体のいかなる部位にもワセリン、油脂類、整髪料、滑り止め等一切の薬品、塗布物等を使用してはならない。
# 競技者の上半身は裸とする。


http://www.hero-s.com/07whatsheros/rules.html

第2項  試合着は、原則としてスパッツ、トランクス、柔道着、柔術着、サンボ着、レスリングシングレットのいずれかとする。
第3項  選手の選択により、ニーパッド、エルボーパッド、シンガード、テーピング、アンクルサポーターを装着してもよい。
第4項  試合で着用されるコスチュームや装具は、大会前に行われるルールレビューの際に持参し、競技役員の許可を得なければならない。
第5項  大会当日、競技役員は、選手が使用するこれらのものが許諾したものと同一のものであることを確認しなければならない。
第6項  マウスピース、ファウルカップは、選手各人が用意し、必ず着用すること。
第7項  コスチュームとあらゆる装具は、プラスチックや金属などの人体表面よりも硬いと競技役員によって判断される飾りや留め具、ジッパー、ファスナー、バックルならびにポケットがないものを着用すること。
(略)
5条 レスリングシューズの利用については次の通りに定める。
第1項  大会前に行われるルールレビューにおいて競技役員によるチェックを受け、危険性が無いと承認を得られたシューズのみその着用を認められる。


私は以前から、スパッツどころかそれより効果が明白な道着に関しても自由着用ルールを肯定しているのだから、スパッツにちていう必要も無いだろう。もちろんシューズも、日本の多くの団体が認めているように現行の選択制でいいと思う。パンクラスでかつて、スティーブリンクがムエタイパンツをはこうとしたらそれが禁止で、石井大輔のスパッツを借りて戦ったことがあった(相手のマネージャーが「すごい、ちゃんと競技してる!」と逆に感心したらしい)が、別にそれもオッケーにすりゃいいじゃんと思う。
どちらの選手もAやBを選べる中で、ある選手はAを、その相手はBを選択したというのは、結果的に違っていても公平(Freedom of Choice)なのだ…と考えております。


ただし、これがもしロングスパッツやシューズ着用が禁止され、統一コスチュームが採用されるとしても、それはそれでひとつの仕組みです。信号機の指示によって車は止まったり進んだりするが、それが「青は進め」であっても文革時代の中国のように「(革命のイロである)赤は進め」であっても基本的に差支えが無いように。また、(俺はこっちを支持するが)「食いタンあり」でも「なし」でも、麻雀は別にどっちでも成立する。
例えば、今はほぼすべてで反則となり、美学的にも卑怯とされている「ロープを掴んだり絡めたりして、テイクダウンを防ぐ」という行為だって、ルール内で認められたひとつの技術、戦略として位置づけることは十分可能だろうし、すぐ自分から寝て猪木アリ状態をずっと続ける戦略も、今は現行ルールの多数で反則(消極的)と位置づけられているだけで、これも一つの戦法として位置づけることは可能になる。そのレベルの話だ。


だから、このエントリの表題からは外れるが卑怯という言い方に関しては青木真也北岡悟が、現行ルール内で卑怯と言うことではもちろん無い。ただその”現行ルール”に対し、「こういうルールが望ましい」とルール全体の作り変えに関するアイデアをファンが持ち、提案するというのはとてもいいことだと思う。


なんか予想外に長くなっちゃった。