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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

北岡と青木、頂点を掴むか(また)転落か。そして師匠中井

北岡悟がトーナメント優勝したあと、数多くのインタビューや対談が組まれたが、読めば読むほど彼が人格的な成熟から程遠いということがよく分かる(爆笑)。
しかし、強さの根源もそういうギラギラ、ガツガツしたところがあるからこそである。何度か紹介したが矢野武がいうところの「格闘思春期」というやつだ。

そのへん絶好調です。
ゴン格

Q:五味隆典選手はGRABAKAで出稽古しています。対戦した横田一則選手からあなたの情報を聞くとかが気になりませんか?


A:僕から逃げ惑うことしか出来なかった人から何を習うんですか?

逃げる、じゃなくて「逃げ惑う」ところが北岡度高い。

さらに続く。
五味隆典は最近モチベーションが低下していた。だが心機一転して練習を強化しているそうだが?と聞かれ、それは全然問題にならないという。、

「凄い乱暴なことを言っちゃうと、PRIDEのときにアゼレード、川尻さん、桜井さん、石田さんをぶっ飛ばした時の五味隆典が1月4日にリングに上がってきても、僕の相手にはならないでしょうから(略)石田さんをぶっ飛ばしたのって、2年前じゃないですか。僕がこの2年間、どんな思いしてやってきたんだよって…」

そして彼らの師匠、中井祐樹

北岡悟の地位は、例えば私がまったく予想しなかった地点にまで来たけれど、これをパンクラスの勝利とするのは抵抗があるというか、事実関係的にも間違いと断言。「パラエストラの勝利」でありましょう、どう考えても。

格通では、そりゃ読みたいよと満場一致する北岡悟vs青木真也対談をやっているが、やはり中井先生の話が出ている。

青木
「格闘技をやる上で中井柔術のエッセンスは僕の中で大きなウエートを占めていますね」
北岡
「中井先生は、ホント先生って感じ」


青木
「普通先生って、違う派閥の先生の技術について聞かれたら、あんまり気分はよくないですよね。でも中井先生の場合、そういうのを聞かれたら一緒に勉強してしまおうってスタンスですからね。あの姿勢は凄いと思う。小さな枠にとらわれない。(略)普通は違う派閥や流れに対しては『ウチはこういう方針だから』と頑として寄せ付けない。でも先生にはそれが全く無い」


センセイ・ナカイはこの点において、日本のBJJ文化すべてを決定付けたんだよな。パイオニアの中井氏がこだわらなかったから、一部で消極的ではあるものの、全般的には出稽古や技術交流を道場間で出来るようになった。(本場ブラジルでは夢のまた夢だとか)
日本は律令体制を導入した時、科挙と宦官は入れなかった。
文明開化でも、キリスト教は本格的に導入されなかった。


それに匹敵するぐらい、すごい取捨選択を彼がやってくれたことには感謝の言葉も無い。
ちなみに、けっこう北岡に対しては素行や言動に対しても叱っていることがあるそうだ(笑)。
あの人もクールな戦略家・理論家というイメージが強いし、青木のJZカルバン完封の陰にこの人ありとの話も聞くが、その一方で「中井先生が客席に座ったら、北岡は勝てない」というジンクス(井上克也戦もその一つ)があり、だからおそらく1.4は会場に来ないだろう、とのこと(笑)。おやおや、そういう縁起もかつぐのか。

弟子2人 年をまたいで 師に花を(五七五)

北岡が師匠中井についてこう語った言葉には、こちらもずしりと響くものがありました。

先生はもっと自分で、バーリ・トゥードをやりたかったと思う。その意味で僕と青木は託されている感じがする。
いま先生の生徒で第一線でやれているのは僕と青木ですから。
実際、ぼくや青木が勝つとすごく喜んでくれますね。

こちらもファン歴は無駄に長いので、まだ「MMA」ではなく「NHB」「バーリ・トゥード」の時代に、彼が闘った試合、そしてそれから彼がそういう試合をやれなくなり、柔術を始めるに至った経緯はすべて知っている。

だからこそ二人は今度、それぞれの決戦に深い思いを込めて向かうのだろう。
しかし格闘技は、そんな思いも感傷も、「相手が強い」ときにはまったく通じずに破壊されていく。だからこそ魅力的なのだろうが、そして両者の相手は紛れも無いホンモノだ。
果たして決着は。中井が二人に託した思いの行く末は……