http://d.hatena.ne.jp/takase22/20081217
、脱北者は経済移民であって難民ではないという反論がある。北朝鮮で喰っていけずに中国に出稼ぎに来ているだけだというのだ。たしかに、直接の脱北理由が、自分と家族への迫害ではなく、生活苦という場合がある。しかし、こういう人も難民とみなすことができるのである。
というのは、北朝鮮では、許可なく国外に出れば刑法47条で国家反逆罪とみなされるからだ。どんな理由であれ、無断で国境を出れば国家反逆者として迫害の危険が生じる。つまり、国境の川を越えた瞬間に「難民」となると解釈してよい。
実際、中国からはるばるモンゴル、ロシア、東南アジアにまで逃れて保護される脱北者たちが、中国以外の国では国連難民に認定されているのである。
「ノン・ルフルマンの原則」というのがある。「迫害にあう可能性がある国へ強制的に送還すること」を禁じるものだ。「ノン・ルフルマンの原則は、慣習国際法であり、すべての国を拘束するものです。したがって、どんな政府もそのような状況にある人を強制退去させるべきではありません。」
なんなんだ北朝鮮当局(笑)。ちょっと笑ってしまった。
とはいえ、「これじゃ政治難民といっても本来の趣旨と違っている。明確な民主化活動、反体制運動で迫害の危険を受けたものと、同国内での運動を促すためにも区別すべきだ」という意見にも説得力を感じるのも事実だ。
そういう亀裂を生む高度戦術なのかな。
そういえば映画「チェ」が公開されるね。