(昨日付の日記から転載しました)
本当は、この前書きかけの「となりのブックブラザー」論(http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080810#p5)を展開、完成させてその一部として盛り込むべき話なんだけど、いまふとピン!と思いついたので、まずは独立エントリーとして書いておく。
グーグルストリートビューと、作品中に周辺風景を映したドキュメンタリー(一例:李纓監督「靖国」)の共通点
■カメラで街や、ある施設周辺の風景を撮影します。
■そのとき、そこにいる人や車の映像もまあ写り込むかもしれないネ。
■その素材を編集し、不特定多数の人に公開します(商業的に)。
■大多数の人には問題ないけど、見る人が見た時には「えっ、XXXさんってあんな場所に行ってたの?」「わー、俺があの日あそこを歩いてたことは知られるとやばいのに!」と、その個人の特定が問題になるかもしれないネ。
どうっすか。
たとえば森達也氏はこの「靖国」で一時、出演者の一人が意図と違うと述べたらしい、とか靖国神社から「許可なしで撮影した」とクレームが来た・・・というような問題に対し
被写体を撮る時は街や雑踏が背景に映ります。(略)一瞬だけ映りこんだ人だって事情は同じです。映りこんだ現実すべてから了解を撮らなければいけないのなら、もう街中でカメラを回せません。スタジオのセットと職業俳優しか撮れなくなる。報道も含めて、映像メディア全般の問題です。
それがドキュメンタリーというものです。(後略)
※この本の59Pより
映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)
- 作者: 森達也,鈴木邦男,宮台真司,他
- 出版社/メーカー: 創出版
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
とやや逆ギレっぽい(笑)主張をしているが、これ、引用した最後の部分の「ドキュメンタリー」を「ストリートビュー」に代えたらどうなるだろうか。ねえ。