http://book.asahi.com/review/TKY200807150141.html
ウィキペディアで何が起こっているのか [著]山本まさき、古田雄介/情報化時代のプライバシー研究 [著]青柳武彦
■悪意ある書き手を防げぬ危険を指摘
ウィキペディアは、インターネット上でユーザーが参加して作る百科事典である。最近は、単語をインターネット検索にかけると、ウィキペディア項目が最上位に来ることも珍しくない。ある調査によれば、その内容が信用できると思う人は6割に上るという。
ところが、その実態はかなり危うい、というのが、日本で初めてウィキペディアを正面から論じた『ウィキペディアで何が起こっているのか』の結論である。実際のところ、項目が玉石混淆(こんこう)の上、管理者さえ「疑ってかかったほうがいいです」と述べている。それは、制作の構造に起因する。誰でも参加でき、衆知を集める仕組みは、民主的でよさそうに見えるが、無責任体制になっている。
項目は、まず最初に誰かが書いて始まる。誰もが匿名である。内容は、間違いだらけの場合も、専門家による高度な記述の場合もある。間違いがあれば、それを皆で修正して精度を高めよう、という考え方に立脚している。実際には、立派な記述をダメな方に修正する人もいるし、直されても直されても、偏った自説を書き込む人もいる。
ところが、匿名性と民主制のため、悪意ある書き手を止める手段が・・・
後知恵で負け惜しみをいうが、こういう本は出ると思っていた。というか出せば売れてもーかると思っていた。
なにしろITヘイト、WEB2.0ヘイト世代ってまだ確実にいるし、本を買う層(世代)と被っているから(笑)、ああこの企画を売り込めばよかった。
まあホントに売れるかは分からない。
なぜなら、「ウィキペディアはみんなが書き込めるから正確性が信用できない、偏見や党派性から自由じゃない」なんてのは同サイトの性質を聞いた人1000人が千人、最初に思うことだ。
だがその後「だけど・・・・・だよ」と、正確性に向かって不特定多数で進んでいくことを知り、また「100%信用しなくても、調べごとのきっかけになればいいでしょ」という当たり前の正論に納得して(笑)みんな利用しているのだ。
これを覆すような、はっとする知見が盛り込まれているのか?
そういう当たり前のことを書いてIT弱者から小金を巻き上げるキワモノ本じゃないのか?
これは読まないとわかりません。
ウィキペディアで何が起こっているのか―変わり始めるソーシャルメディア信仰
- 作者: 山本まさき,古田雄介
- 出版社/メーカー: 九天社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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なんだ、五月には出ていたのか。
あと、ウィキペディアの信用度と言えば天下のNATUREに掲載された「調べたらミスの頻度はエンクロ・ブリタニカと同じぐらいだったよ」という論文がよく参照される。ブリタニカも猛反発し、NATUREもそれに再反論した、という話は覚えているが、結局どうなったのだろう。元記事や続報をしらべないといけないかな。
でも英語が嫌いなので、検索で適当に出た記事を。
■「Wikipediaの情報はブリタニカと同じくらい正確」--Nature誌が調査結果を公表
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20093147,00.htm?ref=rss
■ブリタニカ、Nature誌に反論--Wikipediaの正確性に関する調査を非難
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20099356,00.htm