「格闘技通信」も月刊化で中身が濃くなり、買ってしまいました。ちょっと発売日をずらした一誌とあわせ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
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Fight&Life(ファイト&ライフ)07 2008年7月号
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が一斉に店頭に並ぶことになりました。はっきりいって、まとめて買うと物理的に重いんだよ(笑)。ずしりと。
財布にかまされるダメージもバカにはならない。
え、全種類買わずに選んで買え?そうか普通のファンはそうやってるのか(笑)
さて、こうなると読む時間もままならず、少しずつ読み薦めていくことになりましたが、やはりこういうときには団体トップのインタビューから情報を引き出すのが重要となってくる。新生「ゴング格闘技」が谷川氏に行ったインタビューで…
谷川 (前略)…主催者として桜庭選手に対して申し訳ないことをしたという気持ちのほうが強い。
==それは桜庭選手にマヌーフを当てたことに対してですか?
谷川 いえ違います。これは言い訳なんかではなく、本当に桜庭選手は試合ができるような状態ではなかったんですよ。まず開幕戦のアンドリュース・ナカハラ戦で右手の薬指を骨折していて、腫れが引かず直前までグローブに手が入らないほどの状態だったんです。さらに悪いことに、2週間くらい前に古傷のヒサをまた痛めてしまい、歩行も満足にできないような状態だった。
DREAMが順風満帆に進んでいていれば、最悪カード変更もありえたんですが、ミドル級では秋山選手も欠場、田村選手も欠場という中で日本人としてイベントの核になれるのは桜庭選手しか残っていなかったじゃないですか。(後略)
詳細は同誌で、だが、
「直前までグローブが嵌められないんだから、握ることもできなければパンチもできない」
「(ローキックや横に回る動きが)できない状態」
「僕ら主催者はみんな桜庭選手が無理をしてくれたことは分かっていた」
などの言葉が。
目玉カードという興行上の理由により、その核と成る選手が無理をして出場する、という例は非常に多いし、「カード組まれてるけど、体調万全じゃないっすから今日はキャンセルね。万全の時に試合するから」なんてのもプロアマ問わず通用しない。
それは分かっている、のだが・・・
ここで試合後に、ケガの状態を主催者とは別に独自に診察し、せっかくいい勝負をして名前を高めた選手(EX:前田吉朗)に問答無用で半年の出場停止処分をかけた米国コミッションと比較したくなる部分もある。
こういうときのためにルール設定をしていて、それに従えばアンドリューズ・ナカハラvsメルヴィン・マヌーフっていうことになったんじゃないかしら?
また、「指の骨折」で思い出すのはもう一方の「孤高の天才」。
http://www.kamipro.com/news/?id=1207316038
…田村潔司の欠場だった! 笹原EPによると、「ドクターから右五中手骨の骨折により、全治二ヵ月」と診断されたが、「ファン投票で、ブッちぎりの票を集めていた注目のカードなのでギリギリまで調整していたが、最終的に無理だということで、発表が遅れてしまった」と、欠場までの経緯について説明した。
欠場に際し、田村潔司の「今回は、せっかく二回戦に進出したにもかかわらず、どうしてもケガが治らないため、残念ながら欠場することになりました。いまは、まず体調管理に努め、万全を期してまた自分リングに立つ機会を待つつもりです」というコメントが読み上げられた。
(症状にそれぞれ違いはあるだろうが)指を骨折して欠場する選手は商品価値を保ち、指の骨折を押して出場した選手は秒殺負けに沈む。
天道、是か非か。
http://homepage1.nifty.com/kjf/China-koji/P-215.htm
…よく「天道親なし、常に善人に与みす」という人があるが、これは人間が空しく天に期待している言葉である。この言葉のとおりなら、善人はつねに栄えるはずである。ところが、そうはいかない。伯夷・叔斉が、仁を積み、行いを潔くしたことは伝えられるとおりだが、しかし、彼らは餓死して果てた。また、孔子の七十人の高弟のうちで、孔子が、真に学問を好むものとして賞揚したのは、顏淵ただ一人であるが、その優秀な顏淵は、つねに非常な貧乏に苦しめられ、米の糠さえも満足に食べることができずに、栄養失調にかかって、年若くして死んでしまったではないか。これでも、天が善人に与みすといえるのだろうか?
また一方、あの有名な大悪党の盜跖は、日ごとに罪のない人民を殺し、無惨にも人の肉を膾や脯にもしたほど、ありとあらゆる悪事を公然と行い、数千人にのぼる徒党をあつめて天下に横行したのに、しかも、ヌクヌクとして、長寿を完うしているのだ。これは、一体、どんな徳があったからなのであろうか?
以上はあまりにも顕著な例であるにしても、これに類似した事柄は日常茶飯のあいだに、われわれの周囲にいくらでも起っている。すこし注意してみれば、操行のおさまらないままに世の中の秩序をみだし、しかも、一生逸楽して、富を子々孫々に伝えるものも少くないし、その一方では、また、つねに恭謙に身を持し、正しい道のみを歩みながら、災禍のとりことなるものも、数えきれないほどである。それやこれやを通観してみると、ここに重大な疑問が残る、「天道是か非か」と。
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この話は、前半を「史記」の「太史公自序」から、後半を「伯夷列伝」から取った。「天道是か非か」という天を疑う悲痛な言葉は、「伯夷列伝」にある。
まあ、田村もリングス時代指を骨折しているのに「お前はエースなんやから」とグスタポ・シムと対戦させられて惨敗してたっけ。「主催者のために自分を犠牲にするのは、あの時十分やったでしょ、もう結構」ぐらいの思いなのかもしれない。
余談 某ページを読み、検索で来ていただいた方へ
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ちなみに、座談会の中で私が触れた話題の関連エントリ(全部は調べきれないので一部です。はてなダイアリーは検索機能がすごく優秀なので、他は上の検索窓を使ってください)
◇小川直也新宿スパー伝説
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060108#p1
◇キャッチレスリングの虚実&人と人の出会いの設定
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◇格闘技から政治や経済へ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080513#p3
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◇柔術の黒帯のあり方について
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◇秋山反則問題
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070104#p1
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070112#p1
◇格闘技とメディアと賞
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◇DREAMとズンドコ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080308#p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080407#p2
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◇欠場情報の海外先行について
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080610#p2