特殊撮影技術の2強はいま、熾烈(しれつ)な首位争いを続けている。ニュージーランドに本拠を置くウェタ・デジタルは2001年から公開が始まった「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で、米西海岸のサンフランシスコにあるILM(インダストリアル・ライト&マジック)を抜き、世界一の特撮工房の座を確保した。怪物ゴラムの存在感が、従来のCGの水準を大きく超えるものだったからだ。■イカの衝撃
ILMは06年、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」でイカの怪物、デイヴィ・ジョーンズを登場させ、巻き返しに出た。
「あの光の反射技術や透明感。従来のCG技術では実現不可能です。またILMに抜かれた!とみんな闘志を燃やしていますよ」
ウェタのテクニカル・ディレクター、多田学(ただ・がく)さんはこう語る。イカの怪物1匹で世界の特撮地図は再び塗り替えられた。
数日前「ビースト」という人食い巨大いかの映画の話をしたが、その子孫が銀幕で活躍しているのだろうか。しかし、いかをめぐって世界的に勝ったまけたを繰り返していると考えると愉快だ。パイレーツ映画を見る気なんてひとつもなかったが、巨大いかが出るんなら見てもいいな。
・・・・と思って検索したら「巨大いか」ではなく「いか人間」。
天本英世(イカデビル)の末裔だったよ。