http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080413/acd0804130723003-n1.htm
星新一ブーム、海外にも
2008.4.13 07:23
昨年12月、没後10年を迎えたショートショートの神様、星新一の作品が、国内だけではなく世界的にも注目を集めている。ハワイ在住の次女、星マリナさんは先月、「星新一公式サイト」(www.hoshishinichi.com)を開設した。星の作品一覧、プロフィル、関連ニュースなどのほかに、英文による人物紹介のページもある。
(略)、マリナさんが「海外(特に英語圏)に父の作品を紹介していくことも目的のひとつなので、英語のページも増やしていくつもりです」と書いている。現在、1日に2000件を超えるアクセスがあるという。一方、伊藤忠商事が3月5日から、iTunes Storeなどインターネット上の5つのサイトで配信を開始した星新一オーディオブックス「きまぐれロボット」コレクションの売れ行きも好調だ。
単行本『気まぐれロボット』に収録されている全36編の中から「新発明のマクラ」「試作品」「薬のききめ」「悪魔」「災難」「九官鳥作戦」の6編を、日本をはじめ米英仏など世界22カ国に英語でも同時配信しており、発売まもない3月14日には、うち5編(日本語版)がiTunes Storeの売り上げデイリーランキングで、約2万5000点中のベスト10に入っている。
(略)
伊藤忠商事eビジネス課では、来年3月までに残る30編も配信の予定で、同課の岡田英之さんは「日本を代表する小説家の作品が、世界に向けて新しい広がりをみせてきていることに、非常な意義を感じます。国内でも、星作品のすばらしさが世代を超えて再発見されることは喜ばしい」と話している。(宝田茂樹)
星ショートショートの質の高さを考えれば、一般的には評価されてもおかしくないのだが、前途は多難ではある。
まず英語圏、アメリカではエンターテインメント小説であまり翻訳が売れない、と聞く。
日本だって、例えば推理小説の分野で韓国ナンバーワンのベストセラー作家のものが売れるかというと微妙だし。
それにやっぱり物故した作家のプロモーションって限界があるのだ。「読者は虱である、死んだ人間からは離れる」と山本夏彦翁も言っていたではないか。その人の存在こそがプロモーションだし。
そして次女・星マリナって、元はサーファーとして海外留学し、そこで結婚して住み着いたってキャリアの人で、日常会話はそりゃ不自由ないだろうが、プロの翻訳家に伍してあの透明感の高い文体を翻訳できたかどうか。もちろん、星の身内で日常の英語会話ができる人がいることで、コンテンツは増えていくだろうからそういう点は有利だろうけどな。
じゃあ何が一番有効かというと、やぱpりジャパニーズはすでに実績を持つ漫画で攻めていくしかない。
NHKの星新一劇場はアニメーションがいくつかあるだろう、それを持っていくか、または我々の知らないところでコミックになっているあれを持っていく。

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おお既に二冊あるのか。作者はたしか複数で、絵にするときに優れた技法を持っているものでもなかった気がするけどな。
そして最終的には翻案され「寓話」として語られていく。星もかつて、「私の作品がいつしか(作者不明の)寓話として残ったら、それが一番の名誉だ」と語っていたような気がする。