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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

新しく作った&追加した、はてなキーワードに関して(関連:沖縄米兵不起訴問題)

私ははじめにはてなダイアリーに入った時は「なんかうるさいなあ。必要なのだけキーワードにできないのか」と思ってたキーワード嫌いだったが、今では全ジャンル、全レベルでのキーワードリンクを受け付ける愛好者。
キーワード作成の数も、格闘家を中心にかなり多いほうだと思います。

で、最初やっていたころの話ですが、始めは辞書みたいなもんだと思って、「なんで一言二言しか書いてないの?辞書の意味ねーじゃん、ちゃんと書けよ」と頑張っていました。「セーム・シュルト」の項目なんかはその名残です(笑)
ところがこのキーワードというのは、用語の意味解説というよりは、日記自体をつなげる意味があったのですね。さすがに1年ぐらいでそれに気付いて、なるほど一行だけでも、はては意味が分からなくても話題を呼ぶものは作ればいいのだ、となっています。
(ここまで前振り)


さて、そこで今回
サードレイプ
というキーワードを作った。沖縄のこの前の事件(と敢えていう)に絡んで、いくつかの(はてな以外も含めて)サイトで出てきた言葉だが、結局厳密な定義は分からない。分からないから作る、という荒業ですが、実際にこれはイデオロギー的な観点の違いもあるので、双方で思うがままに作ればいい。
(これもまた余談。本題はこの下)

それでもボクはやってない」とセカンドレイプについて

もともとこの言葉は「セカンドレイプ」から来た。この定義もまた、いろいろと論争がある。
【参考】
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080221/higai#c

ただ、この前放送された「それでもボクは…」が映画館で上映されてた時に、実際の弁護士と話したときの、なんとも気が重い話がある。

あの話の中では、被害に遭った女子中学生(「犯人」として主人公を誤認逮捕(現行犯)して話がややこしくなる)が証人として出廷、検察、弁護人双方から尋問を受けた。

で、本職の弁護士に言わせると、あの映画での尋問は「痴漢犯人はいただろうが、人違いではないのか?」という前提で被告側の質問もあったから、あれでもまだ後味が良かった。
問題は、(今回の沖縄のような)強姦罪、強制わいせつの場合……弁護側は、当然のように「合意があったんじゃないのか?」「意に反してだ、というのは後から言っているだけではないか?」「貴方はもともと異性(同性)関係が派手ではないのか?」というような質問をする、というのだ。
それは没義道ではないか、というと「、それが争点だと感じたらそれを聞かないほうが、被告人の利益を図る弁護士として不誠実だ」「もともと強姦という犯罪のかなり多くが、被害者の意に反してのものか、というところ、つまり内面を問題にせざるを得ない。そこから派生して、日ごろの生活態度、行動なども関係してくる可能性もある」との答えだ。
事実かどうかは確認できないが「判例上もそうなってるんだ」とのこと。


ここで、ひょっとしてマズいのではないか、と思うのは「あんなとこで夜遊びしている女のほうが、全面的に悪い」というような極論(どれぐらいあるのかは知らないが)ならば論外として処理できるが、誠実な弁護士が行うような「合理的な疑い」をさしはさむこと自体(および、それらの見方に準じたり紹介する第三者、ジャーナリズム)が……本質的にその行為そのものが、そのまま「セカンドレイプ」に成りかねないのではないか、ということだ。
そういえばあの「親子殺人」で「死体を暴行したのは性的な意味ではなく、生き返るための儀式」という主張も、死者と遺族へのセカンドレイプだという議論があったはず。


その点で、映画でも出てきた、被害者の顔を隠す衝立などの、裁判所の配慮はたいへんいいことだった。だがこれも、つい最近の話だそうだ。でも原則、裁判の公開というのはそれを含めての公開、顔を隠したいなら法廷になんか出てくるな…というのが本来の理屈らしい。名誉毀損裁判とか離婚訴訟だって、本当なら訴える側が顔や名前を隠したい、というパターンも多いはずだが、それでも痴漢犯罪などじゃないと衝立とかの配慮は少ないそうだ。
性にまつわることは(近代的な法の仕組みの)原則が通用しにくく、例外扱いや論理を外れても仕方ない、という前のエントリはこのへんも傍証になるんではないかな。


と、いうような話を前提にして、議論の分かれる「セカンドレイプ」の項目に、以下の文章を付け加えた。現状の説明と、論理の一貫性には一歩近づいたと思っているが、異論もあるでしょう。キーワードの文面の変化などはあまり目立たないので、関心の高い人への、一応のご報告までに。
【追加部分】
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%bb%a5%ab%a5%f3%a5%c9%a5%ec%a5%a4%a5%d7?kid=172207

また、いかに主観的には被害者に同情的で、犯人を批判することを目的とした報道や接し方でも、その事件が話題にされること自体が被害者にとって苦痛になることや、人権保障のため、原則公開されている法廷で、弁護側が被告人のために行う主張や尋問それ自体が被害者を傷つけることもある。(これに配慮し、公判での被害者側プライバシー配慮は、顔を隠せるなど近年進んでいる)