花道を帰った後
<佐伯DEEP代表と抱き合う三崎。>
三崎
佐伯さん、ここまで来るのに俺振り返ったんですよいろいろ。
あの日からですよ。2月5日。
(※この「2月5日」というのは2006年、DEEPでの小路晃戦です。あそこでPRIDE常連ファイターを秒殺したことがさらなる飛躍のきっかけになった。)本当にバッグに持ってきましたもん、あの(会場通行)パスを、ファイターのパスを。ありがとうございました。
<佐伯うなづき、もう一度抱き合う両者。佐伯は号泣する。>
三崎
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
(ドクターが診察しながら)
ド 痛くないか
三崎
あ、ぜんぜん。
ド おめでとう。
<顔面を診察するドクター>
三崎
切れてはいますけど大丈夫です
ド 強い相手だったな。
三崎
本能が強い。技術は大したこと無いんだろうけど本能が強い。
<祝福に来た「オカちゃん」に三崎が話しかける>
三崎
オカちゃんありがとう、オカちゃんありがとう、ちょっと危なかったね(笑)
オカ へへ、目が生きてましたよでも。ありがとうございました。
三崎
オカちゃんありがとう、本当にありがとう。
アンドリューのおかげだね。
アンドリューこれた?間に合わなかった?そっか、でもまた後で報告する。
<グローブとバンテージをはずし、拳を冷やす三崎>
三崎
菊田さん ありがとうございました。
俺、本当良かったです菊田さん。菊田さんと俺、ほんと出会えて、
菊田さんの後輩で本当に良かったです。
俺、菊田さんの後輩で本当に良かったって・・・。菊田さんがほらちょっと前に、大久保の乞食(発言ママ?)のおばあさんに金あげてる(よく聞き取れず)って聞いたじゃないですか。
俺あの後すぐ、行ってもいなくて、また次の日行ってもいなくて、3日目でやっといて…でもそれ聞いて、あん時、菊田さんと知り合ってよかったなって本当に思ったんです
(※何かのゲンかつぎとかでしょうか?)
菊田 ああそうか。本当に良かった。それも実力だからねえ。
三崎
俺の力だったらほんとここまで…たぶん格闘技辞めてましたもん俺。ほんとに、ほんと。このチームの仲間と出会えて…。
菊田 やられればやられるほど強い男ですよね、ほんと。あれ、やられたことで思いっきり行ったよね。それまでちょっとこう、いまいち入れない入れないで・・・、正直そんなベストコンディションじゃなかったと思うんだよな今、動き見てる限りとそこまで。
三崎
プレッシャーでね、体が。今回正直、すっげえもう・・・・。
本当に苦しいプレッシャーの中で、ほんとこれ誰にもこのことを言えないし、いろんなこと全部背負ってすべてリングに持ってこうと思ってたから、苦しいことも言わなかったし、言えなかったし、でもそれ全部背負ってリングにあがりたいと思ってたから。
余計に自分が自分で苦しくなってて。
だから菊田さんが試合前に「お茶ぐらいだったら付き合う」って言ってたでしょ。
だからもう本当に連絡したかったんだけど。
本当にリングにあがるまで持ってこう持ってこうと思ってたから。
菊田 なかなかあんなきつい試合できないもん、みんな。正直あんなシチュエーションなかなか無いから想像できないよ。またみんなも応援しているしね。応えるのもあれだし。よくあそこで生き延びたねえ。
三崎
あいつもここぞっていうときには本当に来るな。
菊田 ね、力強いんじゃない。
<目を冷やす三崎>
三崎
やっぱり本能が強いですよ。あれ。技術は大したこと無いと思うけど、感覚、勘がいいですよ。やっぱ、結構その、ダンヘン的な勘の動物の怖さってやっぱり思った通り、ありました、向かい合ったとき。なんか時間見たりいろいろ見たりするんですよね。来るフェイントかけたりするけどこなかったりとか。いろいろ考えているなアレ(秋山)。
<菊田がカメラマンらに声をかける。「すいません、ちょっとすぐ終わるから(GRANBAKAでの記念)写真をいまお願いします」>
笑顔で仲間と写真に納まる三崎。
見てあらためて思ったんですが、菊田早苗って本当にチームの総帥として全幅の信頼を三崎らから得ているんだな、ということと、実際の歴史の一場面・・・というか生の会話ってのはドラマチックではあるけれど意味不明なものも混じるんだってこと(笑)。
小説とかだと「大久保のおばあちゃん」の話や「アンドリュー来た?」は入らないはずで、まあ逆にそういうのがリアルってことなんだろうね、と感じました。