もたもたしてると次号が発表されるので書いておこう。
ジャンプ SQ. (スクエア) 2008年 02月号 [雑誌]
- 発売日: 2008/01/04
- メディア: 雑誌
ここに、秋本治氏が「トキワ荘」を舞台にした読みきりを発表している。
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20080107
に紹介文が有る。
秋本治さんの『時は…』は、トキワ荘と時間の流れとマンガへの情熱を題材にした作品。トキワ荘のシーンでは手塚治虫先生や藤子両先生、寺田ヒロオ先生らトキワ荘の漫画家たちが登場する・・・
補足すると、その時代の実録、歴史漫画などではなく、そのトキワ荘に、今現在の漫画家と編集者がタイムスリップしてしまうというストーリーです。
前にも書いたかもしれませんが、タイムトラベル、スリップものはロジカルなタイムパラドックスを楽しむこともできれば、過去のノスタルジーに主眼を置いたものもある。今回は後者です。
内容に関しては、この場合完全に奇をてらわず、基本を完全になぞる形で進む。だから意外なアイデアは見られないが、、逆にある種の”SF的お約束、定番”の中でこそ、舞台がトキワ荘であることを十分に生かせるという判断であろうし、それは正しいと思う。
下の、こういうような時代差ギャグもSFの中では定番です。
しかし、その定番をちゃんとこなせるのはさすがベテランというべきか。
秋本氏は長い「こち亀」連載の中で、自分の若い頃をモデルにしたような漫画家志望の若者を登場させたことがあるし、ゴルゴ13のパロディも登場させていた。その中で、秋本氏も先人から受けた影響やリスペクトを表現している。なんか私たちから見ると、秋本氏自身が伝説の存在なのだが、考えてみると秋本氏の世代が、漫画家・劇画家から多大な影響を受けて自身も志すようになった人なのだ。トキワ荘世代を第一世代とすると、その第二世代か。
今回の作品は、そういう流れというのを再確認することができたのは貴重だった。
リンク先の、この指摘も興味深い。
読者アンケートの結果に大きく影響されるであろうジャンプ系の漫画家さんが、アンケートをやらない作品本位・情熱重視の少年漫画雑誌に理想を寄せて物語を結んでいる・・・
ケロロ軍曹とトキワ荘
ところで、トキワ荘の再解釈というか、リスペクトというのか、そういう作品が以前にも存在した。私が読んだのがつい最近なんですけどね。それが上で、余計な一コマを引用した(笑)「ケロロ軍曹」の1エピソードです。漫画喫茶のまとめ読みゆえ、何巻かは忘れた、スマン(※後から判明。後述)。
「ケロロ」の設定は「・・・は地球侵略に使える!」とこじつければ、どんな展開にもできるから便利だよな。この回ではマンガを地球侵略に使おうとして、トキワ荘そっくりの所にいる、あの人やあの人にそっくりの若者漫画家に会った・・・という設定だということでいいのかな?新”世紀”漫画党と名乗っているし。
嬉しいのは、漫画家の扱いでして、ケロロは基本的に普通の人間には正体を明かさない。実際、宇宙人と会ったことで大騒ぎされると、話が進まないわけだが、この話の中では特別に漫画家連中には正体がわかってしまう(なぜなのかの謎解きも最後にある)。
しかし、あっさりと彼らはそれを受け入れる。なぜかというと「まあ、漫画家だから」という説明不要の説明、なわけだよ(笑)。数学者とか古本マニアとか興行師とかをこのブログでも書いていたけど、ある職業や属性の人が、いかにも彼ららしい形で奇人ぶりや「そこだけでしか通用しない常識=世間の非常識」を臆面なく展開させる・・・という話が私は個人的にも好き。彼らトキワ荘の漫画たちをそういう描き方をしてくれているところが楽しく、今さら遅ればせながらこの作者に好印象を持った。最後の「なぜ漫画家はケロロを発見できたか?」という説明を含め。
同作品にはある意味、二つ落ちがあるのだが、その片方がこれ(笑)だ。
漫画界にはどうも「手塚オチ」という一類型が既に存在しているんじゃないか、という気がする。某「編集王」もそうだったし。まあ実際に説得力があるよね。ギリシャ悲劇でも、デウスエキスマキナでしたっけ?収拾が付かなくなったらゼウスが降りてきて、「邪なるものに罰じゃー」とかいってオチ、という話が多かったらしいが、この人が出てきたら、話を終わらせないわけにいかない。
ちなみに漫画界には「梶原(兄弟)オチ」というのもあって、つのだじろうのとある作品は(以下略)。
【付記】その後、検索によってこの話が載っているのが8巻であると判明した。
あと、今回そういうわけで「ケロロ軍曹」一気に読んだんだけどイヤー細かいパロディの多いこと多いこと。我々の中では「究極超人あ〜る」もそのパロディの多さゆえに、ネットも無かった時代は元ネタ探しが盛り上がったものだが、それを上回っているんじゃないか?
こんなオチ、何割が分かったんだ。
いや、あ〜るの時代と比べてもマニア層は広がったんだし、これが人気があってもおかしくないとは思いますけど。なんつーかね、こういう路線を歩むものは売り上げとかとは別に人気の「質」が違うと思ってたんだ。あーるの人気とちびまる子ちゃんの人気はまた別物でしょ。
ケロロ軍曹ってけっこう町で子どもの帽子とか服とかで人気があるのを見かけるから、もっとメジャーな人気だと思っていた。パロディ路線をとりつつ、メジャーな人気も取れるのかねえ。この漫画のファン層や購読層を知りたい気もする。ただ、そのパロディ一覧を見るだけで、作者の藤子・F・不二雄氏への敬意は本物なんだろうなあ、とびしびし感じるですね。
これの購入層も知りたいわ(笑) オシシ仮面人形発売
数日前のコメント欄。
(仮) 2008/01/13 20:49
これ買おうかずっと迷ってます…
http://www.bearbrick.com/oshishi/
URLがシャレているね(笑)。だが、作った奴出て来い。
ここまで馬鹿(褒め言葉)がいるとは。
こっちが「グエッー」だ。だいたいお前、
【オシシ仮面 (ノーマルVer.) / オシシ仮面 (バーニングVer.)】
なんだよこのツーバージョンは(笑)。
まあ買おうかと迷っている時点で、(仮)さんは「もはやのがれることはできんぞ」だと思う。
・・・と思ったら、幸か不幸か「在庫が終了いたしました。」だって。
・・・完売したのかよ!!
ところで、はてなダイアリーキーワードは広辞苑や大辞林のようなへなちょこ辞典とはちがって既に
「ライオン仮面」
「オシシ仮面」
ともどもキーワードに収録されている。ライオン仮面は小生が制作し、タイムパラドックスの概念などにも触れた力作だと思っているのだが
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%e9%a5%a4%a5%aa%a5%f3%b2%be%cc%cc
「リンクスコア:60 リンク不要(2) リンク可(3)」
という実にごもっともでございます、な評価を受けている。
ところがオシシ仮面のほうは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%aa%a5%b7%a5%b7%b2%be%cc%cc
「リンクスコア:90 リンク不要(1) リンク可(10) 」
なんでやねん(爆笑)