大した話でもないのだが、一部の議論に一石を投じるかもしれない一資料として、ネット上に紹介する価値はあろう。
本日、2007年12月25日に「朝日新聞」が開催した外部の寄稿「私の視点」だ。
テーマは在日中国人二世で、元科学技術者だった「林伯ヨウ(曜の「日」が「光」)」さんが、厳しくなった新入国審査を受けて不愉快だった、この制度に反対である・・・・という趣旨である。
『「テロ対策」が生み出す分断』と書いてある。
その意見に賛否はあろうがひとまず置いて、彼の思い出話から引用する。
ふうむ。
・・・・・まて待て。慌てて周りを見回したが朝日新聞は「文中の用語は敢えて変更していない」などの注釈を付けてはいない
面倒だからもう論評はいいや、ただ資料として置いておこう。
呉智英氏や高島俊男氏、小谷野敦氏も、目を通しているかな。
この前資料として使ったから
- 作者: 呉智英
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1996/07
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- 作者: 高島俊男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
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もちろん、これと反対の方向性であるだろう受け取り方もある。
ついでに紹介しておこう。
http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/nakajima/junsa.htm
巡査の居る風景 中島敦
― 一九二三年の一つのスケッチ ―
しばらくすると、突然其の中から何か言い争う声が聞えて来た。乗客の視線は一斉に其の方に向けられた。見ると、腰かけて居る粗末な姿をした一人の日本の女と、その前の吊革につかまって居る白い朝鮮服をつけた学生らしい青年とが言い合って居るのであった。
――折角、親切に腰かけなさい、いうてやったのに。――と女は不平そうに言って居るのだ。
――併し、何だヨボとは。ヨボとは一体何だ、――
――だから、ヨボさんいうてるやないか、
――どっちでも同じことだ。ヨボなんて、
――ヨボなんていやへん。ヨボさんというたんや、
女には何も分らないのだ。そして怪げんそうな顔付をして、他の人達の諒解を得ようとするかの様にあたりを見まわして、
――ヨボさん、席があいてるから、かけなさいて、親切にいうてやったのに何をおこってんのや。
車内には所々失笑の声が起った。青年はもう諦めて了って、黙って此の無智な女を睨みつけた。