ここからこの前の「タモリ倶楽部」ジャーマン特集の映像が見られます
http://d.hatena.ne.jp/Mask_Takakura/20071117
放送の時に感想を語れなかったので、あらためて述べたい。
タモリに限らず、80年代のプロレスブームはけっこうな有名人もプロレスに一枚かんでたんですよね。
ゴッチに会ったことあるとか、前田日明応援団だったとかってその当時の広がりをあらためて実感した。
で、ジャーマンなんだが。
実は記憶を辿ると・・・いつぐらい前の話になるのかなあ。
ゴングが、週刊ゴングと、月一回の「別冊ゴング」が平行して存在していた時代があったはず。
そしてある一時期、「技を解説する」というコンセプトでの特集が、異様に充実している時代があったんすよね、わたしの記憶が確かなら。
その中で、ジャーマン、フロント、ダブルアームなどが次々特集された中で、今回の「タモリ倶楽部」でも二者に分かれていたが「スープレックスの本道はベタ足か、爪先立ちか?」という話題があり、同誌は終始一貫して「ベタ足のほうが安定感やバランスの上で優れており、本道はベタ足。爪先立ちをするレスラーはまだまだ」との主張をとってきた。
子供心に、なんとなく爪先立ちのほうが難しく、またタモリ倶楽部にあるように初代タイガーがきれいなつま先立ちだったので、この説が衝撃というか謎だったのでよく覚えているのだ。
あれは、誰の筆によるものだったのだろう。書いた人はいまでも元気だろうか。
また、もとよりその視点も変だと言われるかもしれないが、「リアルファイトでのジャーマンはどうだったろう?」と調べると、何か分かるかもしれんですな。
あ、つうかグレコローマン・レスリングではどうかを見ればいいのか。それか「ベタ足が正統」というのは。
スタイナーの「投げっぱなし」について
そこから。
はじめにスタイナー兄弟が出てきたときは、そりゃ衝撃的でしたね。90年代を「グッド・オールド・デイズ」といっていいのか分からんが、全日本で超世代軍、殺人魚雷、聖鬼軍、カンナム、ブラックハーツ・・・がしのぎを削る一方、新日本でもスタイナー兄弟を倒せとヘルレイザーズやジュラシック・パワーズ、闘魂三銃士たちがレベル高い試合を見せていた。
だがリック・スタイナーって、その前にも単独で新日来てたよな。そのころはいいレスラーとは思わなかったが。
話がずれたので本題に戻すと、あの投げっぱなしは、スープレックスの美しさを無視している暴挙!と流智美さんなんかは嫌っているが、俺には衝撃的だったよ。「あ、あれは効くんだ!」とね。
ただ、そこから3歩ほど進むと、夢枕獏が仰天・プロレス和歌集でうたったように
「いちばん効くのは 下手な技ですとつい答え 頭をかく君」(※うろおぼえ)
ということで、放り投げれば効くのなら、苦労してのブリッジはなんなんだ?と思ったかもしれん。俺はそこまで頭はまわらなんだ。
何度も紹介しているが、これも名前を忘れてはいけない名手ゲーリー・オブライトは、すなわちガチの大学アマレス時代、コーチに「フォールを取るのに一番確実な方法は、相手を失神させてからフォールすることだ」とジャーマンを伝授されているのである(笑)。
ことほど左様に投げ方によっては危険なのがジャーマンなのであるが、これは当然子供心には思いも付かなかった
「プロレス技で最高の技は、見た目が痛そうだが全然ダメージを与えず、怪我を絶対にさせない技だ」という価値観がある。「最高の業師はヒロ斎藤さん」という衝撃の事実ね。いや衝撃を与えないからヒロ斉藤なんだが。
んだが、君。
そういう価値観が日本以上に確立していたアメリカで、なぜに90年代、危険な?投げっぱなしを武器にするスタイナーズがスターになったのだろう。
本当は投げっぱなしでも怪我をさせないうまい技術があるのか。
アメリカはハードヒットを嫌う、というのは誇張過ぎで、それほどでもなかったのか。
それともスタイナーズは業界で嫌われつつも、我を通して、憎まれっ子世にはばかる的にのし上がったのだろうか。
ひさびさにプロレスの話でした。