INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

日本SF史を回想するテレビ番組が放送

これは言われなきゃ、分からなかったな。多謝。

野球とMSX
『本日21日(日)22:00−23:30、NHK教育テレビでETV特集「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年」が放送されます。
戦後独自の発展を遂げた日本SF文学の歴史をたどりながら、アニメやマンガなど世界を席巻する日本のサブカルチャーのルーツをたどるという内容です。

1963年に結成され、星新一小松左京筒井康隆らを擁した「SF作家クラブ」の活動などを紹介していくようです。出演は小松左京筒井康隆豊田有恒眉村卓(以上SF作家)、松本零士(SF漫画家)などです。』

今、うまいこと思いついた(自分でいうなよ)けど、いわばSF作家クラブは「1963年のげんしけん」なわけですよ。
正確に言うとその前のファンジンから。

それはここで熱く紹介されている星新一もそうで、彼の場合は家業の困難に由来する実存的な危機まで極端にいえば救われているし
http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20070329/1175173575


http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20070918/1190098668
にあるように、今ライトノベルの人たちだってそういう共同体の中から生まれているのやもしれない。
日本SF黎明期というのは、一種の栄光に満ちた伝説があり、川中島桶狭間、関が原のエピソードが今に伝わるように、数々の挿話がファンの間にも浸透しています。


会合に集まったファン同士が同じ道を通っていたという話から「どこかですれ違ったはずなのに、見つからなかったのは不思議ですね」
「たぶん、別の時空を通ってきたんでしょう」

とか、
矢野徹が初めて日本からのゲストとして世界SF大会に出た話とか、
伊藤典夫野田昌宏が米国SFのパーパーバックを巡って「神保町の決闘」を繰り広げた話だとか。

こういう話を、映像も交えて紹介してもらえれば、それだけで面白い。


私はライトノベルの枠を超えて売れているとされる「涼宮ハルヒ」は未読(漫画喫茶でコミック化されているのを2巻まで読んだ)なんだけど、冒頭で主人公が言ったというこのせりふはあちこちで引用されており、AAにもなっているので目にはさんでいる。検索して再確認すると

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31131493/minnadetail?myshopid=pogrys_light_novel

「ただの人間には興味はありません!この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上!」


日本SFの黎明期を支えた人は、この作品ではないが「ただの人間に興味は無い」人々の集まりであり、その人たちの活動というのは、現在のサブカルチャーを読み解くにも大きな意味を持つと思っている。


本当は、「ハルヒ」という作品に関しては、手持ちの材料が薄いのを承知で、一種の先行作品といえる

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)

と対比させて書きたかったのだが、いい機会なので取り合えず書いてみた。
あとで再構成して書き直すかもしれない。