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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「アイデアは著作権にならない」という話の補足資料

万来堂日記2nd
[著作権]いやいや、アイデア著作権では保護されませんって!


http://d.hatena.ne.jp/banraidou/20071015/1192425843
岡田斗司夫関連の話も含め、人気のエントリのところで発見して読んできました。
結論はまったくその通りなのですけど、そこに一応言わずもがなですが(書いた方もとっくにご存知で、結論部分だけ書いているのでしょう)補足資料の紹介を。

http://www.translan.com/jucc/precedent-2004-12-24.html
NHK大河ドラマ「武蔵」が、黒澤明の名作「七人の侍」のアイデア・・・具体的にいうとこのドラマの最初の山場で

「武蔵と又八は、敗残兵として逃避行を続けるうちにお甲(同・かたせ梨乃)と朱実(同・内山理名)という母娘と出会う。お甲らは、その家を繰り返し襲う辻風典馬一党に脅えており、これを撃退するために、浪人を雇うことにし、浪人の技量をはかる試みなどを経て、武蔵及び又八のほかリーダー格の内山半兵衛(同・西田敏行)はじめ数名の浪人を雇う。辻風一党の襲撃が始まり、浪人たちとの戦闘が行われる」


というストーリーが挿入され、それが読んで分かるとおり(笑)「七人の侍」のパクリじゃんってことで裁判になった。
何しろクライマックスの戦闘は豪雨の中で、刀は地面に突き刺して、何人か切ると好感して使ったりといずれも映画の名シーンだからね。当時は週刊文春も記事で叩いたはず。

しかし、原告側の敗訴に終わりました。

・・・・原告脚本と被告脚本とを対比すると、前記のとおりいくつかの場面において一定の共通点が認められるが、共通する部分はアイデアの段階にとどまるものであり、登場人物の人物設定についても類似するものとは認められない。また、原告脚本と被告脚本との間には、ストーリー全体の展開やテーマにおいて相違があり、結局、原告脚本の表現上の本質的な特徴を被告脚本から感得することはできないから、被告脚本による原告脚本についての著作権(翻案権)及び亡黒澤の著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)の侵害は認められない。

自分の過去エントリを見ると
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050630#p6
2005年6月30日の朝日新聞(夕刊?)に記事が掲載されていたようです。


面倒で文章は堅いですけど、興味のある人は読んでみてください。
なお「アイデア著作権で保護せず」という判断自体は、その前、2001年の別の最高裁判例で確立していたそうです。