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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「よのなか科」とは何か?学校で生きた知を教えるには

猪瀬直樹メールマガジン「日本国の研究」で、東京の民間人校長との対談が収録されている。
その学校では「よのなか」科という授業があるという。

○猪瀬● じつは欧米ではケーススタディを取り上げながら授業している。わかった。それで「よのなか」科というものを思いついたわけだ。


○藤原● その通り。前にベストセラーになったスウェーデンの『あなた自身の社会』という教科書がある。スウェーデンの社会科の教科書も非常に身近なところから説き起こしている。その日本版ですね。たとえばハンバーガー店の店長になってみようという投げかけをして、ある地図のなかでどこに出店するといちばん儲かるかと考えて、経済の本質を学ぶとか。


○猪瀬● ほんとうはそこから入るとおもしろいんだよね。

(略)
○猪瀬● ・・・…「よのなか」科というのは、
そういう言葉をつくったこと自体がひとつの出発点ですね。


ハンバーガーから世界の経済がみえてくる授業
○藤原● たとえばハンバーガーの店長になろうという授業で、経済の本質を学びます。

○猪瀬● どこに出店して、お客さんはどのくらいで、原価はいくらとか。

○藤原● 一日で売り上げがどのくらいかなど。

○猪瀬● そういうことだったらほんとうは算数も楽しい。


○藤原● ここが肝心なのですが、授業を終えて家に帰ります。子供が日常、世の中に帰ります。すると二度とハンバーガーを食べないとかハンバーガー屋さんに行かないとか、そうではなくて、行くたびに思い出す。すると世の中そのものが教材化するのです。ハンバーガーを食べるたびに、原価は30円とか、この原材料はオーストラリアから来ているとか。授業が授業で終わらなくなってくる。


○猪瀬● 好奇心のきっかけを与えるということだ。ただ好奇心を持てと言っても持ちようがない。なんだろうと思うような根拠やきっかけを与えないといけない。それを大人が上手に導いていくものだと思います。


○藤原● 付加価値というものを教えるときもたとえば、輪ゴム、風船。これらは全部100円ショップで買えるものなのですが、輪ゴムだと300個入っているから0.3円だねと。風船は10個だから10円です。笛付き風船だと100円。パンチボールだと300円。体を鍛える健康風船だと3000円。
そのように付加価値が上がっていくという教え方をすると、ゴム製品は日常どこにでもありますから、するとまた思い出す。先ほど言いましたように、政治の学びでも自転車放置問題でやると自転車放置を見るたびに、あるいは自分がやるたびに思い出すでしょう。


話を聞くといいことづくめのように思えるが、実効性をうまく測りたいものだ。
つまり子供が、何かの拍子に社会というものの仕組みを把握する、ということはいろんなルートがあるもので、テレビだろうと少年ジャンプだろうとハンバーガー屋でのアルバイトだろうとありえる。

その中で、効率的な社会の仕組みを知るやり方をチョイスして、学校が採用していくようにならないといけないと思う。
ただ、そもそも学校で教えるべき知識って何?

ということだよね。
つまり、微積分や源氏物語奥の細道をやはり学んだほうがいいのか
「連帯保証人と保証人は違うんだ、安易に判子を押すな」を学ぶべきか。
「もやい結びが一番確実なロープの結び方だ」が一番重要な知識なのか。

これは最近賛否があった「武道必修化」にもつながるっちゃあつながる。だが疲れたのでとりあえずここまで。