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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

というわけで安倍首相、わざわざダメージを深くしてから辞任。

ニュース速報を見て「びっくり」したランキングではかなり上位だな。(たまたま一報に接したのがニュース速報かどうかというのはこっちの都合もあるが)、991年のソ連・クーデター以来の衝撃だったような気がする。

大体のニュースというのは何がしかの予兆というものがある。安倍晋三の辞任だって大きな流れの中ではさもあろう、ですが。参院選翌日の続投表明とか所信表明演説とか、反対方向にえさをまいてフェイントをかけてからのどんでん返し。最後の最後に小泉純一郎に負けない「安倍劇場」を見せてくれた(笑)。

で、大きな流れとしては安倍が退陣する理由は論じるまでもないんだろうけど、なぜ9月12日午後に退陣を表明シタンデスカ、と聞かれればでっかい「?」がいくつもつく。
素人目でみたって、せっかく三役やら大臣をあれだけ人的なエネルギーも使って決めたのが無駄になるし、さすがにこれは各大臣も気の毒だ(笑)。
それはそれとしても、同じ辞めるにしてもこれだけテロ特措法や、「職を賭す」という前振りがあるのだから、この辞任をカード、駆け引きにして特措法成立との引き換え辞任(祖父・岸信介流だな)や、あるいは特措法延長や新法不成立でその責任をとって退陣、となればとりあえず政治的な文脈はすっきりするし、何より


「本人の体面」


が取り繕えるはず。これは誰もがそう思うはずだ。今回、安倍の辞任が意外で、みな狼狽するのは、何よりこの政治的ストーリーテリングにおいて不条理すぎる展開だからだ。



また「病気が理由」にせよ、また参院選直後に退陣したにせよ、こういう計算はみな普通にたつと思う。
http://takoashi.air-nifty.com/diary/2007/09/post_ed2f.html

官房長官、幹事長など、党幹部が異口同音に「健康問題」を示唆しているのが興味深い。
 つまり、アソーさんやヨサノさんからしてみれば、
「せめて、《主治医と相談した結果、国政の重圧を担うに足る体調では……》ぐらいな言い訳はしとけよ」
 ぐらいな気分があるのだと思う。
(略)
 ああ、そう、病気なら仕方がないよね。
 と、世間も、一応の納得はしたはずだ。
 つまり、真相はどうあれ、病気を理由にしてやめたくなった何かがあるんなら、これ以上いじめたり老いかけまわしたりすることは、やめておこうじゃないか、と。
(略)

 アカギさんの更迭といい、今回のことといい、この人は決断のタイミングが一拍遅かった。
 参院選の直後に責任を取って辞任しておれば、何年か後に復活の目もあったと思う。
 「第一次安倍内閣は、大臣がハズレ続きで分だったよね」ぐらいなことで、3年後か5年後かに、待望論が出てくる可能性は充分にあった。まだ若いんだし。

 でも、今回のふてくされ辞任で、政治的生命は完全に終了した・・・・

「失敗は孤児だが、成功には10人の父親が名乗り出る」との言葉どおり、首相が辞めたら「俺が首相を辞めさせた」ということにジャーナリズムも出てくるだろう。現に今も脱税?報道(週刊現代)とか宗教者の介入?(週刊文春)が理由だというような言説も出ているようだ。
まあ、これはとりあえずの真相が分かるまでにそんなにロングスパンはかからないと思う。
少し興味深く待たせていただく。