パソコンが不調でなかなか書けない時期、これを書きたくて書きたくてじりじりしていたがようやく間に合った。明日金曜日で最新版コーナーからは更新されてしまう(数週間は残る)ので、まずは転載しておく。
http://www.kinyobi.co.jp/KTools/fusoku_pt
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ヒガミギツネの鳴き声(佐高 信)
イソップの寓話に酸っぱいぶどうというのがある。キツネがそれを取ろうとして飛びつき、結局取れないので、あれは酸っぱいぶどうなのだと負け惜しみを言って、その場を立ち去るという話である。
岩波書店の入社試験を受けて合格できなかった日垣隆にとって、岩波が終生の酸っぱいぶどうとなった。日垣が、鎌田慧や奥村宏、そして私などになぜメチャクチャな言いがかりをつけるのかわからなかったが、つまりは、私たちより岩波にアレルギーがあったのである。とにかく、岩波から本を出している人間が憎かった。自らも15年ほど前に岩波から本を出し、安江良介『世界』元編集長の「ありがたい励まし」に大感謝しているだけに、その後のスタンス変更によって岩波から声がかからなくなったことに、かつての古傷の痛みがぶり返したような気持ちなのだろう。
日垣は私に対して鬼の首を取ったように「総会屋出身」と書くが、私が編集長で久野収や城山三郎にも登場してもらった雑誌を、謙遜して総会屋まがいの雑誌と言ったのである。私をそう言うなら、業界紙に勤めていた藤沢周平も「総会屋出身」ということになってしまう。
鎌田慧は日垣隆を語呂合わせ的にヒガミ隆と皮肉っていたが、彼がヒガミギツネであることは、『「買ってはいけない」は嘘である』の著者として、『買ってはいけない』の発行元である本誌の投書欄に投稿していることでも明らかである。私などは西尾幹二や渡部昇一、そして日垣が常連執筆者の『WiLL』に投稿しようとは思わないが、日垣はまだ“酸っぱいぶどう”に未練があるのかもしれない。
日垣はまた、昨年秋の日比谷公会堂の集会について、(株)金曜日が右翼に「謝罪」したことを「へっぴり腰」と非難する一方で、「私は、右翼からも、解放同盟からも、朝鮮総連からも、糾弾を受けたことがある。それでも一度として自分の節を曲げたことはない」(『WiLL』7月号)と力み返っている。しかし私は寡聞にして日垣がそんな糾弾を受けたとは聞いたことがないのである。被害妄想ではないのかね。
いずれにせよ、ヒガミギツネはヒガミギツネなりに、これからもヒガミっぽい生き方をしていくのだろう。コンコン。
佐高氏の文章を(嫌々ながら)長く読んできたが、こんな大ヒットのおもしろ自爆文章は彼の中でも10年に一度のシロモノ。特にそれが週刊金曜日に載っているというのが愉快すぎて愉快すぎて。
俺は知らないうちに各種の技術から取り残され、はてなブックマークとかは使いこなせないんだが、こんな面白いネタをみんなに紹介できるならブクマを学びたい気がする。
(できる人は、後者のリンク先にブックマークつけてみてください)
ただすいません、あまりに突っ込みは膨大ですのでそれを書くのはもうしばらく待ってください。
とりあえず転載まで。